飛行機へ持ち込めないもの(2025年版) お出かけ前に確認を!
これから飛行機で旅行に出かける女性がスーツケースに荷物を入れているイラスト。
POINT
飛行機には、乗るときに持っていくことができないものがあります。出発直前に持っていくことができないと判明して慌てることがないように、旅の準備をする段階で、どのようなものが機内へ持ち込めないのか、あるいは空港カウンターで手荷物として預けられないのかなどをご自身で確認しましょう。
1危険物は持ち込めません
どのようなものが持ち込めない?
航空機の安全運航を確保するため、航空法では、爆発のおそれがあるもの、燃えやすいもの、有害物質、凶器になり得るものなどの「危険物」は、飛行機内への持込みが禁止されています。
<危険物の例>
しかし、危険物の中には、一定の数量制限の下、乗客が機内に直接持ち込む「機内持込み手荷物」又は航空会社のチェックインカウンターに預ける「預け手荷物」として運べるものがあります。例えば、刃物類等はハイジャック・テロに「凶器」として使用されるおそれがあるため、機内持込み手荷物として機内への持込みができず、預け手荷物とするものなどもあります。第2章で詳しくご紹介します。
機内持込み手荷物・預け手荷物における危険物の例は、国土交通省「機内持込・お預け手荷物における危険物について」でもご紹介しています。
また、国内線と国際線ではルールが異なります。事前に航空会社のホームページをご確認いただくとともに、例えば、国際線の液体物の持込み制限については、国土交通省「国際線の航空機客室内への液体物持込制限について」でご確認ください。
2機内持込み手荷物と預け手荷物のルールは?
日常的に使っているものや旅行先での便利グッズなどの中には、危険物に該当し、機内持込み手荷物や預け手荷物に入れられないものがありますが、物品によっては定められた条件の下、機内持込み手荷物や預け手荷物の中に入れることが可能な場合があります。例えば、容量がワット時定格量160Wh以下のリチウム電池製品、化粧品類や医療用の小型酸素ボンベなどです。
特に注意が必要なものをご紹介します。
リチウム電池使用のモバイルバッテリー、電子タバコ、電子製品用の予備のリチウム電池
機内持込み手荷物にはできますが、預け手荷物にはできません。
【機内持込み手荷物の条件など】
- 衝撃、損傷が原因で発生する熱暴走による発火の可能性があるため、必ず機内に持ち込むこと。万一、機内で加熱、膨張、発煙、発火した場合は、直ちに客室乗務員へ連絡してください。このような異常にすぐに気づくためにも、お手元での保管をお願いします。
- モバイルバッテリーについては、座席上の収納棚に収納せず、必ずお手元で保管してください。機内でモバイルバッテリーから携帯用電子機器(スマホ、パソコン、タブレットなど)への充電又は機内電源からモバイルバッテリーへの充電については、常に状態が確認できる場所で行ってください。
- ショート(短絡)による発火を防ぐため、露出する端子に絶縁テープを貼るか、収納袋又は収納ケースに入れるなど、個々に保護してください。
- 持ち込めるのは、ワット時定格量が160Wh以下に限ります。また、100Whを超え160Wh以下のものは持ち込める個数が2個までに制限されています。製品によってはワット時定格量の表示がない場合があるため、事前にメーカーに確認しておけば安心です。また、航空会社によっては、モバイルバッテリーなどの取扱い方が異なる場合がありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。
- 電子タバコについては、機内で本体・予備バッテリーの充電はできません。
[画像:モバイルバッテリーの端子に絶縁テープを貼ったり、収納袋に入れたりして個々に保護しているイラスト。]
[画像:客室乗務員が電子タバコの充電をしようとしている乗客に「電子タバコの充電はご遠慮ください」と話しかけているイラスト。]
ワット時定格量(Wh)の確認の仕方
定格容量(mAh)や公称電圧の表示がある場合は、以下の計算式によりワット時定格量(Wh)を算出できます。
【ワット時定格量(Wh)=定格容量(mAh)×公称電圧(V)÷1,000】
リチウム電池内蔵のスマートフォンやパソコン、ワイヤレスイヤホン、電気シェーバー
機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもできます。
【機内持込み手荷物、預け手荷物の条件】
- 機内持込み手荷物にする場合は、PCやタブレットをカバン等の中に入れるときも、ケースや衣類などで保護すること。なお、手持ちの場合には、バッテリーが損傷して発火しないよう注意してください。
- 預け手荷物にする場合は、電源を完全にOFFにし(スリープモードは不可)、ケースや衣類などで保護した上で、固いスーツケースに入れてください。
- ワイヤレスイヤホンを預け手荷物とする場合は、リチウム金属電池0.3g以下又はリチウムイオン電池2.7wh以下に限ります。
[画像:スーツケースの荷造りをする男性のイラスト。スマホ、ノートパソコン、タブレット、電気シェーバーを預け手荷物にする場合は、「電源完全オフ」「衣類などで包んで偶発的な作動や損傷を防ぐ」。]
コードレスの電池(バッテリー)式のヘアアイロン・ヘアブラシ
本体から電池を取り外せない又は熱源と電池が分離できない製品は、機内持込み手荷物、預け手荷物のどちらにすることもできません。
なお、コンセント式の場合は、機内持込み手荷物、預け手荷物ともにできます。
【機内持込み手荷物、預け手荷物の条件】
- 本体から電池を取り外すか、熱源との電気回路が遮断(分離)できる機能(「フライトモード」「機内モード」など、製品によって呼称が異なります。)を備えた製品については、その機能を使用すること。
- 取り外した電池は、預け手荷物にはできないため、必ず機内持込み手荷物にしてください。
- 単に「本体の電源を切る」、「アイロン部分の開閉ロックをかける」だけでは、機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもすることはできません。
化粧品(スキンケア、ヘアケア用)などの液体物
機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもできます。
【機内持込み手荷物、預け手荷物の条件】
1容器当たり500ml(g)以下までで、1人当たり2l(kg)以下までであれば機内持込み手荷物、預け手荷物ともにできます。
※(注記)国際線を利用するときに100ml(g)を超える液体を持ち込む際には、1個の容量が100ml(g)以下の容器に入れ、その容器をジッパー付きの透明なプラスチック製の袋(容量1l以下。目安としては縦と横のサイズが足して40cm以内のもの。)に入れる必要があります。そのほか、国際線の液体物の持込み制限については、国土交通省「国際線の航空機客室内への液体物持込制限について」をご覧ください。
喫煙用ライター・安全マッチ
機内持込み手荷物にはできますが、預け手荷物にはできません。
【機内持込み手荷物の条件】
以下のものに限り、1人につき1個まで持ち込めます。充填用のガスやオイルは、機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもできません。
- 液化ガスライター(使い捨て/ガス充填式)
- オイルライター(吸収材入りのもの)
- 安全マッチ(小型のもの)
[画像:マッチと液化ガスライター、オイルライターのイラスト。]
加熱式弁当(発熱材付き弁当)
酸化カルシウム(生石灰)を水と反応させて発熱する加熱式弁当は、機内持込み手荷物にも、預け手荷物にもできません。
加熱式弁当にバツ印が書かれたイラスト。
■しかく代表的な危険物の機内持込み・預け入れ要件
- 1容器当たり500ml(g)まで
- 1人当たり2l(kg)まで
- ワット時定格量160Wh以下
- ショート防止措置
- ケースや衣類等による保護
- 座席上の収納棚へ収納しないこと
- 使用、充電の際は、常に状態が確認できる場所で行うこと
- 機内での充電不可
- ショート防止措置
- 預け入れは電源完全OFF
- ケースや衣類等による保護
- 熱源と電池が分離できない場合は、持込み・預け入れともに不可。(電源OFFやロック機能のみでは不可)
- 身に着けて機内へ持ち込むこと
- 1人当たり1個まで
- ハサミの場合は、先端が尖っていないもので刃体(刃先から支点までの長さ)6cm以下であれば持込可能
3電動車いすをお使いのかたへ
ふだん電動車いすを使っているかたが飛行機を利用するときには、事前に、電動車いすを機内へ持ち込めるのか、あるいは手荷物として預ける必要があるのか、ご確認ください。
電動車いすに搭載されているバッテリーには、次のような危険を生じさせる可能性があるためです。
- 輸送中の振動などにより、電源が入り、動き出すおそれ
- 輸送中の気圧や温度の変化などにより、バッテリー内にある硫酸等の電解液が漏れ出すおそれ
- 輸送中の衝撃などにより、バッテリーが発火するおそれ
このため、国際規則及び国内規則で、電動車いすを飛行機で安全に輸送するためのルールが、電池の種類ごとに定められています。電動車いすをお使いになるかたが飛行機を利用しようとする場合は、事前にご自身の車いすの仕様や電池の種類を確認しておきましょう。
電動車いすで飛行機を利用する際のルールについては、国土交通省「機内持込・お預け手荷物における危険物について」の中の「特に取扱いが複雑な電動車椅子についての詳細はこちら」をご覧ください。
電動車いす輸送の国内基準(概要)
- 非防漏型蓄電池
- 乗用車などに使用されている一般的な液体バッテリー
- 電池は電動車いす等に確実に装着され、かつ、電源が切られていること
- 直立の状態で輸送すること。常時直立を保てない場合は電池を取り外すこと
- 防漏型蓄電池
- 完全に密封された液体バッテリー
- 電池は電動車いす等に確実に装着され、かつ、電源が切られていること
- 電池を取り外す場合は、使用者が簡単に外せるように設計されていること
- ニッケル水素電池等(ドライバッテリー)
- 乾式バッテリー
約7割の車いすに使用されているマンガンバッテリーも含む
- 短絡又は不測の作動を防止する措置がとられていること
- 危険な熱を発生させる可能性のある電池ではないこと
制限なし。
ただし航空会社の規定により、「2個」に制限されている場合がある。
- リチウムイオン電池
- 一部の車いすに使用されている
- 電池は電動車椅子等に確実に装着され、かつ、電源が切られていること
- 電池が十分に保護されておらず、使用者が外せるように設計されている場合は電池を取り外すこと
- 外した電池及び予備電池は300Wh以下であること
1個。
160Wh以下の場合は2個。
まとめ
空港の手荷物検査で危険物と見なされるものが見つかった場合、空港のロッカーに預けるなどの時間がないときはその場で放棄せざるを得なくなります。そういったことを避けるため、事前に機内への荷物の持込みルールを確認しておきましょう。万一、危険物をお持ちの場合は、空港カウンター又は保安検査場で必ず係員に申し出てください。また、危険物に該当するかどうか判断がつかない場合は、航空会社にご確認ください。
(取材協力:国土交通省 文責:内閣府政府広報室)
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