音声広報CD「明日への声」トラックナンバー4 vol.103(令和7年(2025年)6月発行)
(イントロダクション:女性ナレーター)
「大麻は合法」「体に害はない」「依存性はない」といった誤った情報が広がり、若者の間で大麻の使用が増加しています。2023年には大麻取締法が改正され、「使用」が禁止されるなど、規制がさらに強化されました。大麻の被害から自分や大切な人を守るために、正しい知識を身に付けましょう。この音声は5分程度でお聞きいただくことができます。
(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)
Q1:大麻とは何ですか?
A1:大麻はアサ科の一年草で、昔から衣類などに利用されてきました。一方で、使用すると酩酊感、陶酔感、幻覚作用などが現れる成分が含まれていて、依存性があります。日本では、「麻薬及び向精神薬取締法」において麻薬として規制され、所持や使用などが厳しく禁じられています。
Q2:いわゆる大麻グミやキャンディなどの大麻の加工品もあるようですが?
A2:海外では、大麻成分入りのキャンディやクッキー、チョコレートのほか、タバコ型やワックス型などの新しいタイプの加工品も販売されています。これらは決して安全ではなく、何も知らずに食べたり、使用したりしたことで緊急搬送されたという事例も報告されています。また、国内でも大麻に類似した成分を混入させた、いわゆる大麻グミを摂取し、緊急搬送された事例があります。大麻が含まれている製品の多くは、英語で「大麻」を意味する「Cannabis」という文字や大麻の葉の絵が描かれていますので注意してください。
Q3:法改正によって、大麻の規制はどのように変わりましたか?
A3:法改正により、これまでも禁止されていた「所持」や「譲渡」に加え、新たに「使用」が禁止されたほか、これまで「5年以下の懲役」とされていた単純所持罪の罰則が「7年以下の懲役」とされました。
Q4:大麻は安全という話を聞いたのですが?
A4:「大麻は安全」はウソです。大麻の花や葉に含まれる「THC」、テトラヒドロカンナビノールという成分は、脳などの中枢神経系に作用するため、乱用したり、長く使い続けたりすると心身に次のような悪影響を及ぼします。
●くろまる大麻の乱用による影響
・時間や空間の感覚がゆがむ。
・短期記憶が妨げられる。
・瞬時の反応が遅れる。
●くろまる大麻を長く使い続ける影響
・統合失調症やうつ病を発症しやすくなる。
・短期・長期記憶や情報処理速度が下がる。
・大麻への欲求が抑えられなくなる。
大麻により酩酊感や陶酔感などを味わった人は、再び体験したいという欲求から使用を繰り返す傾向があり、自分の意思でやめることが難しくなる「依存」状態に陥る危険もあります。
Q5:大麻を勧められたらどうすれば良いですか?
A5:大麻を勧めてくる人は魅力的な言葉や誤った情報で言葉巧みに誘ってきますが、きっぱり断る勇気を持ちましょう。断りにくい場合は、その場から逃げましょう。
また、XやInstagramなどのSNSでは、オンラインショッピングのように気軽に大麻が売買されていることがあります。「ヤサイ」「クサ」「リキッド」という表記や「ブロッコリー」の絵文字は、大麻を指している隠語の可能性があるので注意してください。大麻を勧められたら、一切反応せず、大麻を勧めてきた人をブロックして、自分の身を守りましょう。
(エンディング:女性ナレーター)
大麻や薬物について悩みや疑問を感じたときは、一人で抱え込まず、必ず公共の窓口に相談することが大切です。警察のほか、各都道府県にも、秘密厳守で相談ができ、支援団体や医療機関を案内できる窓口があります。政府広報オンラインでは、こうした相談窓口の紹介をしています。詳しくは「政府広報 大麻」で検索してみてください。