[フレーム]
このページの本文に移動

大麻の所持・譲渡、使用、栽培は禁止!法改正の内容も紹介します

[画像:大麻に関する誤った情報を見ている女性に誤りを指摘する男性のイラスト]

POINT

「大麻は合法」「体に害はない」「依存性がないから、一度なら大丈夫」といった誤った情報が広がり、若者の間で大麻の使用が増加しています。令和5年(2023年)には、大麻取締法が改正され、「使用」が禁止されるなど、規制がさらに強化されました。大麻の被害から自分や大切な人を守るために、正しい知識を身に付けましょう。

1大麻とは?

大麻は、アサ科の一年草です。茎から丈夫な繊維が取れるので昔から栽培されており、衣類などに利用されてきました。一方で、大麻にはテトラヒドロカンナビノール(THC)という、脳に作用する成分が含まれており、使用すると酩酊感、陶酔感、幻覚作用などが発現し、依存性があります。令和6年(2024年)12月12日から、「麻薬及び向精神薬取締法」という法律によって大麻は厳しく規制され、所持、使用等は禁止されています。また、「大麻草の栽培の規制に関する法律」によって、無免許での栽培等が禁止されています。

[画像:乾燥大麻の画像]
乾燥大麻
[画像:大麻樹脂の画像]
大麻樹脂
[画像:大麻草の画像]
大麻草
[画像:液状大麻(カートリッジ入り)の画像]
液状大麻(カートリッジ入り)

(写真提供:警察庁、厚生労働省)

コラム:いわゆる「大麻グミ」、キャンディなど加工品にも注意!

海外では、大麻成分入りのキャンディやクッキー、チョコレートなどが販売されていることがあります。大麻成分入りの食品を密輸入して検挙された事例や、大麻成分が入っていることを知らずに食べたことで、緊急搬送されたという事例も報告されています。海外旅行や海外留学などで渡航する際には、誤って口にしたり、国内に持ち帰ったりすることがないよう注意が必要です。また、タバコ型やワックス型など新しいタイプの大麻加工品が販売されていることもあります。大麻が含まれている製品の多くは「Cannabis(=英語で大麻)」という文字や大麻の葉の絵が描かれていますので注意してください。
国内でも、大麻に類似した成分を混入させた、いわゆる大麻グミを摂取した結果、緊急搬送されたという事例が報告されています。合法とうたっていても、安全であるとは限りませんので注意が必要です。

(写真提供:厚生労働省)

2日本の大麻取締法が改正。なにが変わった?

令和5年(2023年)12月に大麻取締法が改正され、「大麻取締法」は、「大麻草の栽培の規制に関する法律」という名称に変わりました。大麻を「麻薬」として位置付け、所持や譲渡は、他の規制薬物と同様に「麻薬及び向精神薬取締法」による規制に移行しました。既に禁止されている「所持」や「譲渡」に加え、新たに「使用」が禁止されたほか、これまで「5年以下の拘禁刑」とされていた単純所持罪の罰則が「7年以下の拘禁刑」とされました。違反した場合、それぞれ次のような罰則が科されます。

大麻に関する罰則
態様 罰則
所持・譲渡・譲受

単純所持・譲渡・譲受:7年以下の拘禁刑
営利目的:1年以上10年以下の拘禁刑若しくは情状により300万円以下の罰金又はその両方

輸出入・製造

単純輸出入・製造:1年以上10年以下の拘禁刑
営利目的:1年以上の有期拘禁刑若しくは情状により500万円以下の罰金又はその両方

施用(使用)

単純施用(使用):7年以下の拘禁刑
営利目的:1年以上10年以下の拘禁刑若しくは情状により300万円以下の罰金又はその両方

栽培

単純栽培:1年以上10年以下の拘禁刑
営利目的:1年以上の有期拘禁刑若しくは情状により500万円以下の罰金又はその両方

注:「栽培」は大麻草の栽培の規制に関する法律に、その他は麻薬及び向精神薬取締法に基づく罰則

なお、改正大麻取締法の施行により、“医薬品医療機器等法の承認を受けた”大麻草から製造された医薬品を使うことが可能となりましたが、決して大麻が合法化されたわけではありません。大麻草から製造された医薬品は、医師から処方された場合に限って使用できます
(注記)改正法の施行前までは、大麻については医療上の有用性がないと考えられており、医薬品も含めて一切使用することができませんでした。

今般の大麻取締法改正の以前から大麻草の栽培は禁止されており、栽培に当たっては特別な免許が必要とされています。大麻取締法の改正によって、大麻草の栽培に関する免許区分が次表のとおり整備されました。

名称 目的 免許権者
第一種大麻草採取栽培者 大麻草から製造される製品の原材料の採取 都道府県知事
第二種大麻草採取栽培者 医薬品の原料の採取 厚生労働大臣
大麻草研究栽培者 大麻草の栽培を伴う研究 厚生労働大臣

3“大麻は安全”はウソ!有害性と依存症

大麻は心身に大きな被害をもたらす非常に危険な薬物です。

大麻の花や葉に含まれる「THC(テトラヒドロカンナビノール)」という成分は、脳などの中枢神経系に作用するため、乱用したり、長く使い続けたりすると心身に下図のような悪影響を及ぼします。一度ダメージを与えられた脳を、薬物を使う前の状態に戻すのは非常に困難です。乱用とは、社会のルールからはずれた方法や目的で薬物を使うことであり、違法薬物を使用することは、たとえ1回の使用でも乱用であり、同時に犯罪にもなります。

大麻の有害性
大麻の乱用による影響

知覚の変化
時間や空間の感覚がゆがむ

学習能力の低下
短期記憶が妨げられる

運動失調
瞬時の反応が遅れる

大麻を長く使い続ける影響

精神障害
統合失調症やうつ病を発症しやすくなる

IQ(知能指数)の低下
短期・長期記憶や情報処理速度が下がる

薬物依存
大麻への欲求が抑えられなくなる

資料:厚生労働省「薬物乱用防止読本 健康に生きよう パート37」から政府広報室作成

大麻により酩酊感や陶酔感などを味わった人は、再び体験したいという欲求から使用を繰り返す傾向があります。それにより、自分の意思でやめることが難しくなる「依存」という状態に陥る危険もあります。

[画像:大麻の使用にまつわる様々な問題例を示す図。対人関係の問題(トラブルの頻発、友人知人の喪失、孤立、薬物乱用仲間の形成)、家族への問題(家族の心身への負担、家族機能の障害、家庭内暴力、家族崩壊)、生活の問題(仕事や学校を休みがち、失業・退学、借金)、健康の問題(性格の変化、精神障害、身体的障害)、社会的な問題(事故の多発、薬物汚染、犯罪の多発)などがある]

4若者の大麻の乱用拡大が問題に

「大麻は外国では許可されているから安全」、「大麻は心身に害がなく、依存性がない」、「使用罪がないため、使っても問題ない」といった誤った情報が広まり、近年、若者を中心に大麻による検挙者が増えています。令和6年(2024年)の大麻事犯の検挙人員は6,342人で、そのうち、30歳未満の検挙人員は4,600人であり、平成27年(2015年)の1,049人と比較して、10年間で4.4倍に増加しました。

大麻事犯における検挙人員の推移(年齢別)
[画像:大麻事犯における検挙人員の推移(年齢別)のグラフ。 H27からR6にかけて、検挙人員は増加傾向にある。全体の検挙人員は2,167人から6,342人に増加。そのうち20歳未満の検挙人員はH27からR6にかけて、144人から1,142人、20歳代は905人から3,458人、30歳以上は1,118人から1,742人に増加している]

資料:厚生労働省 「第六次薬物乱用防止五か年戦略」フォローアップ資料(令和7年7月29日薬物乱用対策推進会議)から政府広報室作成

5大麻に誘われたらどうする?

きっぱり断ろう。逃げるのも選択肢の一つ

大麻乱用のきっかけの多くが、他人からの勧誘です。大麻を勧めてくる人は魅力的な言葉や誤った情報で言葉巧みに誘ってきます。「ちょっとだけ試してみない?」、「嫌なことが忘れられるよ」、「1回だけなら大丈夫」、「みんなやっているから大丈夫だよ」などと誘われても、「いらない!」、「やらない!」ときっぱり断る勇気を持ちましょう。「断ったら仲間外れにされる」、「友達から嫌われる」、という心配もあるかもしれませんが、本当にあなたを大切にしてくれる友達なら、違法な薬物を勧めたりしないはずです。断りにくい場合は、その場から逃げましょう

SNSでの誘いも注意!

X(旧twitter)やInstagramなどのSNSでは、オンラインショッピングのように気軽に大麻が売買されていることがあります。「ヤサイ」「野菜」「クサ」「リキッド」という表記や「ブロッコリー」の絵文字は、大麻を指している隠語の可能性があるので要注意。SNSやチャットで大麻を勧められたら、スルーして反応しないこと。返事は一切必要なく、断りの返信も不要です。そして、大麻を勧めてきた人はブロックして連絡を絶ち、自分の身を守りましょう。

相談窓口

薬物に関する情報提供は、各都道府県警察の薬物相談電話へ
警察庁「薬物相談電話」

薬物の乱用に関する相談は、各都道府県の精神保健福祉センターや薬務課へ
厚生労働省「相談窓口について」

薬の海外通販・危険ドラッグに関することは、あやしいヤクブツ連絡ネットへ
あやしいヤクブツ連絡ネット

連絡ネットコールセンター 03-5542-1865

受付曜日・時間:月曜日・水曜日・金曜日(祝日を除く。)の9時30分から16時00分

まとめ

大麻や薬物について悩みや疑問を感じたときは、一人で抱え込まず、必ず公共の窓口に相談してください。相談先は警察だけではありません。各都道府県に秘密厳守で相談ができ、支援団体や医療機関を案内できる窓口があります。「恋人や先輩に誘われて困っている」、「生きるのが辛くて大麻や薬物に手を出してしまいそう」など自分に関する相談はもちろん、「友達・家族の様子がおかしい」など周囲の人に関する相談でも問題ありません。どんなささいなことでもこれらの薬物について不安や悩みを感じたら、1日も早く相談することが大切です。特に、既に大麻の依存症に陥っている場合は、本人の意思や家族の努力だけで解決するのは困難です。早めに専門の相談窓口に相談してください。

(取材協力:厚生労働省、警察庁 文責:内閣府政府広報室)

このコンテンツは役に立ちましたか?
このコンテンツは分かりやすかったですか?
このコンテンツで取り上げたテーマについて関心が深まりましたか?

ご意見・ご感想

送信中です

ランキング

関連サイト

外部のウェブサイトに移動しますが、よろしいですか。
よろしければ以下をクリックしてください。

Link
ご注意
  • リンク先のウェブサイトは、内閣府政府広報室のサイトではありません。
  • この告知で掲載しているウェブサイトのURLについては、2023年11月21日時点のものです。
  • ウェブサイトのURLについては廃止や変更されることがあります。最新のURLについては、ご自身でご確認ください。
Top

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /