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VOL.203 MAY 2025
[SPRING SPECIAL ISSUE] VARIOUS VARIETIES OF CHERRY BLOSSOMS IN JAPAN (PART 2): ADMIRING THE CHERRY BLOSSOMS AT CASTLES IN JAPAN 咲き誇る桜が雲海に例えられる春の津山城

石垣を覆って桜が雲海のように咲き誇る春の津山城
Photo: 津山市観光協会

日本の本州の西部に当たる中国地方にある岡山県。その北東部、中国山地のふもとに位置する津山市の中心部に津山城がある。西日本有数の桜の名所で、城から眺める咲き誇る桜の景色は雲海とも例えられる。津山市観光協会の担当者にその魅力を聴いた。

平地にある丘を利用して築いた城を平山ひらやまじろと言うが、津山城は、その壮麗さや歴史的価値から姫路城(兵庫県姫路市。「世界文化遺産の姫路城と桜が織りなす絶景」参照)、松山城(愛媛県松山市)と並んで、城の愛好家たちなどから「三大平山城」の一つに数えられる名城だ。春には約1,000本の桜が咲き誇る桜の名所として知られる。

最寄りのJR津山駅は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催地・大阪市から新幹線と在来線を利用して約2時間半の距離だ。最寄りの津山駅からさらに徒歩10分ほどで城にたどり着くことができる。津山市観光協会の岸本きしもと 祥吾しょうごさんは次のように語る。

「津山城は、もり 忠政ただまさ1が1604年から築城を始め、1616年に完成しました。忠政は、16世紀に活躍した有名な武将・織田信長の側近だったもり蘭丸らんまるの弟です。津山城の特徴は壮大な石垣で、全長約45メートル、高さは7メートルから13メートルに及び、当時のものが現存しています。残念ながら、70以上あったとされる城の主要な建築は明治時代(1868年から1912年)に解体されましたが、2005年には築城400年を記念して備中びっちゅうやぐら2が復元されました。現在は城が立地している場所の古い地名・鶴山かくざんに由来する「鶴山つるやま公園」として整備され、約1,000本の桜が植えられています。本丸から見下ろす桜の景色は特に美しく、まるで雲海のようだと評されています。これは、巨大な石垣を桜の花が覆い尽くす様子が、雲のように見えるためです」


ライトアップされた桜を上から見下ろした景色
Photo: 津山観光協会

高い石垣が特徴の津山城を桜の花が覆う風景
Photo: 津山市観光協会

津山城で見られる桜には、ソメイヨシノを中心に、淡紅色の一重咲きの花を咲かせるジンダイアケボノや、淡黄緑色の八重咲きの花を咲かせるウコンザクラ、日本の固有種の白い花のオオシマザクラなどがあり、春の訪れとともに城の風景を鮮やかに彩る。例年、桜の見頃は3月末から4月中旬。また、時期によっては所々に黄色い菜の花3が咲いているので、桜の花とのコントラストが美しく、写真撮影を楽しむ外国人観光客の姿も多く見られる。

「津山さくらまつりは毎年桜の開花に合わせて開催され、屋台が立ち並び、太鼓の演奏や踊りなどのイベントが行われます。ライトアップされた夜桜も幻想的で、昼間とは異なる趣を楽しめます」と岸本さんは話す。

春にしか見られない桜の雲海と歴史ある津山城の風景を堪能しに、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。


時期によっては菜の花と桜の両方が見られる津山城
  • 1. 1570年生まれ、1634年没。津山藩の初代藩主。城下町の建設や近世的支配の基礎を確立した。
  • 2. 天守台の南東に造られた石垣上に立地する、敵の監視、収蔵、防備の役割をかね備えた建物。備中びっちゅうは、現在の岡山県の一部を表した昔の国名。
  • 3. アブラナ科アブラナ属の植物の総称。

By TANAKA Nozomi
Photo: Tsuyama City Tourism Association; PIXTA

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