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VOL.203 MAY 2025
[SPRING SPECIAL ISSUE] VARIOUS VARIETIES OF CHERRY BLOSSOMS IN JAPAN (PART 2): ADMIRING THE CHERRY BLOSSOMS AT CASTLES IN JAPAN 金沢城と満開の桜を愛でる広大な公園

金沢城公園の石川門前の満開の桜

石川県金沢市は、日本海に面した北陸地方の代表的な都市で、歴史ある城下町である。春には、金沢城の石垣に沿って咲く桜が美しく、夜間にはライトアップされ、幻想的な風景が広がる。金沢城の歴史や桜の見どころを紹介する。


ライトアップされた金沢城公園・内堀に満開のソメイヨシノ2の並木が映る幻想的な光景
Photo: 金沢城・兼六園管理事務所

石川県金沢市の中心部にある金沢城公園。金沢城の城跡を整備した歴史公園であり、1996年に一般公開された。28.5ヘクタールと広大な敷地には復元された金沢城の城郭建築や石垣、庭園などが点在している。桜の名所としても知られ、JR金沢駅からもアクセスしやすく、例年4月上旬から中旬にかけての開花時期には多くの観光客が訪れる。

もともと金沢城は、1583年から、当時の武将である前田まえだ 利家としいえ1によって本格的に整備され始めた。前田利家は、大藩だった加賀藩(現在の石川県と富山県にまたがる地域)の初代藩主である。その後、金沢城は約300年にわたり、前田家の居城として栄えた。

現在の金沢城公園内には、ソメイヨシノ2など約13種類、400本の桜の木が植えられ、毎年、桜の開花発表後に約1週間、開園時間を延長して無料開放され、日没からは夜桜のライトアップも楽しめる。

桜が咲く時期の公園の見どころについて、公園の担当者はこう話す。

「この城にあった建物は天災や火災などで失われ、新たに復元されたものも多いのですが、重要文化財に指定されている石川いしかわもんは1788年に建てられた当時のものです。桜の時期には、その石川門に向かうお堀にかかる石川橋から桜と石川門、その上にあるやぐら3を合わせて眺められ、それらの調和が非常に美しい景観を生み出します。また、内堀うちぼりにはソメイヨシノ桜並木があり、水面に桜が映し出される様子も大変美しく、特にライトアップされる夜桜は幻想的でおすすめです」


石川橋から見るライトアップされた桜と石川門とその上のやぐら
Photo: 金沢城・兼六園管理事務所

また、公園内には、前田家の庭園として親しまれた玉泉ぎょくせんいんまる庭園ていえん4がある。2015年に歴代藩主が愛でた姿が再現された。庭園内の休憩所・玉泉ぎょくせんあんでは4月中旬にはシダレザクラ5が咲く庭園を眺めながら休めるので、こちらもおすすめという。

なお、金沢城公園に隣接するけんろくえん6は、日本を代表する名園の一つであるが、桜の名所としても知られている。名城と名園を桜の季節に訪れるのは別格だ。数百年の歴史に思いをはせながら花見を楽しむのはいかがだろうか。


花が咲かせている玉泉院丸庭園のシダレザクラ5

右手に見える建物が玉泉庵
Photo: 金沢城・兼六園管理事務所
  • 1. 1537年生まれ1599年没。加賀かがはんの祖。生年については諸説ある。
  • 2. 18世紀後半に生まれた桜の栽培品種。
  • 3. 敵の偵察や射撃のための、城門、城壁の上に建造された高い建物。
  • 4. 1634年から作庭を始め、歴代の加賀藩主により手を加えられながら、19世紀まで金沢城内玉泉院丸に存在していた庭園。
  • 5. バラ科サクラ属の落葉高木で、枝が柔らかく地面に向かって垂れ下がるサクラの総称。
  • 6. 歴代の加賀藩主により作られた庭園。金沢市の中心部に位置する。庭の中に大きな池を作り、築山を築き、点在する茶屋を立ち寄りながら全体を巡る廻遊式庭園。HIGHLIGHTING Japan May 2021「加賀藩の名園「兼六園」」参照。

By TANAKA Nozomi
Photo: Kanazawa Castle & Kenroku-en Garden Management Center; PIXTA

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