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VOL.203 MAY 2025
[SPRING SPECIAL ISSUE] VARIOUS VARIETIES OF CHERRY BLOSSOMS IN JAPAN (PART 2): ADMIRING THE CHERRY BLOSSOMS AT CASTLES IN JAPAN 500年以上の歴史を有する小田原城(おだわらじょう)を彩るさまざまな桜

小田原城の天守閣を彩る満開のソメイヨシノ
Photo: 小田原市観光協会

神奈川県西部、太平洋から内陸に入り込む相模湾に面する小田原市の象徴とも言える小田原城。15世紀の中頃から築城されてきたとされ、以来500年以上の歴史を刻んできた。春になると約300本の桜が咲き誇り、約30万人の観光客が訪れる。小田原市観光協会に見どころを取材した。

小田原城は、南には相模湾を望み、西には箱根山(標高1,438メートル)を背にする地に築かれた城である。東京からのアクセスも良く、新幹線を利用すればJR東京駅からJR小田原駅まで約35分、小田原駅から徒歩約10分で到着する。

「小田原は15世紀から武家文化の中心地として発展し、江戸時代(17世紀初頭から19世紀後半半ば)には宿場町としても栄えました。現在では温暖な気候と歴史的な街並みが調和する観光地として知られています」

そう教えてくれたのは小田原市観光協会のあさ 直也なおやさん。


500年以上の歴史を刻む小田原城(写真は1960年に再建された天守閣)
Photo: 小田原市観光協会

小田原城は、16世紀初頭からの約100年は、北条ほうじょう 早雲そううんを祖とし、一時関東1一円を支配した小田原北条氏の本拠地として栄えた。その当時は、約9キロメートルにおよぶ総構そうがまえ2を築き、日本最大級の城郭となったという。北条氏は1590年滅亡し、その後は城主が入れ替わり、やがて日本の近代化によって廃城となった。さらに震災などによって建物の多くが失われた歴史をたどる。現在は「小田原城址公園」として整備され、1960年に天守閣が再建されて威容を誇る。


春になるとさまざまな桜の花の開花が楽しめる。
Photo: 小田原市観光協会

小田原城址公園には、約300本の桜が植えられており、1月下旬から4月上旬にかけてさまざまな品種が順に開花する。

「城址公園内では、カンヒザクラ3(1月から2月)、カワヅザクラ4(2月上旬から3月上旬)、ソメイヨシノ(3月下旬から4月上旬)、オオシマザクラ5(4月上旬)、シダレザクラ(3月下旬から4月上旬)、ヤマザクラ6(3月下旬から4月上旬)と、長期間にわたり桜の花を楽しむことができます。特に、天守閣を彩るソメイヨシノや シダレザクラは見応えがあります」


満開のシダレザクラと天守閣

小田原城址公園の常盤木ときわぎ門(SAMURAI館)前の見事なカワヅザクラ

ピンクの花がきれいなカワヅザクラ

また、桜の開花時期に合わせて、日没後には小田原城址公園やお堀の外周で桜のライトアップが行われる。幻想的な雰囲気が広がる夜桜を楽しむことができ、観光客に好評を博している。


日没後から21時頃までライトアップされる。
Photo: 小田原市観光協会

「天守閣の開館延長も行われるので、最上階(5階)の展望デッキから夜桜を眺めるのもおすすめです。小田原市街を一望できる絶景ポイントから見る桜は、昼間とは異なる幻想的な風景を作り出します」

さらに、小田原の春を彩るイベントも開催される。3月末から4月初旬にかけて、「小田原かまぼこ7桜まつり」や、稚児8行列が練り歩くなど、多くの催しが行われる。

「海外のかたにも楽しんでいただけるよう、忍者修行体験、3か国語が堪能な地元住職との城内での座禅体験、英語ガイド付きの城下町歩き体験などを提供しています。2023年以降、世界各地から360名以上のかたにご参加いただきました。日本文化の魅力を発信する架け橋になれたらうれしいです」と朝尾さん。

歴史と桜が共演する小田原城。春の訪れとともに、城と桜が織りなす美しい風景を楽しんでみてはいかがだろうか。


地元のこども達が参加し、桜の下を練り歩く稚児行列
Photo: 小田原市観光協会
  • 1. 日本の東部にある地域で、現在の茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京及び神奈川の七つの都県を指す。歴史的には武士の拠点として発展した。
  • 2. 城・とりでや、ある地域の周囲に築いたかこい。 また、その内部の総称。
  • 3. カンヒザクラは関東以南に分布し、1月から3月ごろにかけて、濃紅色の花が半開きに下を向いて咲く品種。
  • 4. カワヅザクラはヒカンザクラと早咲きオオシマザクラの自然交配種とみられ、静岡県河津かわづちょうで発見された品種。
  • 5. オオシマザクラは伊豆諸島を中心に,伊豆半島,三浦半島,房総半島南部などに生育し、早咲きでピンク色の花を咲かせる品種。
  • 6. ヤマザクラは本州から九州の山地に生え、日本のサクラを代表する野生種の一つ。
  • 7. 白身魚のすり身を蒸した食品。小田原はその名産地として知られる。祝いの席にも用いられる伝統食。
  • 8. 祭礼や寺院の法楽などの行列に、美しく装って練り歩く児童。

By MOROHASHI Kumiko
Photo: Odawara Tourism Association; PIXTA

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