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ロン毛なびかせ女性ファン魅了するタイラー・グラスノー、実はシーズンフル稼働経験なし...大輪の花を咲かせることになるか【ドジャース大谷翔平の同僚たち】

2024年4月30日 16時10分

タイラー・グラスノー(AP)

タイラー・グラスノー(AP)

AKI猪瀬コラム「MLBへの扉」〜大谷翔平の同僚たち〜
ロン毛をなびかせ女性ファンも魅了するのが、昨年オフにレイズからトレード加入したタイラー・グラスノー投手です。「あなたが投げる試合で僕がホームランを打ちます」と言う大谷翔平の言葉に後押しされたグラスノーは、トレード直後にドジャースと5年1億3656万2500ドルの大型契約に合意しました。
カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で生まれ育ち、スプリング・トレーニングで取材した時に「少年時代に憧れていたドジャースでプレー出来るのは、夢のようだ」と語っていました。学生時代に水泳の選手だった父グレッグと体操の選手で大学のコーチを務めていた母ドナの間に1993年8月23日に誕生。両親の影響でさまざまなスポーツに取り組み、MLBで活躍したトレバー・バウアー投手やダイヤモンドバックスで活躍しているマイク・モンゴメリー投手、ジェームズ・シールズ元投手が通ったウィリアム・S・ハート高校に進学。奨学金を受けてポートランド大学への進学が内定していましが、11年のドラフトでパイレーツから5位指名を受けるとプロ入りを決断しました。
203センチから投げ下ろす160キロの速球は注目を集めましたが、大きすぎる自分自身の体をうまく制御することができずに制球難で長期間苦しみました。16年7月7日にMLBデビューを記録して以降も「ゲリット・コール2世」の評判通りの成長曲線を描くことはできませんでした。しかし、18年7月31日にレイズにトレードされると"荒けづりな原石"は磨かれ、徐々に才能の片鱗を見せ始めました。
21年、開幕14先発を消化した時点で5勝2敗、防御率2・66を記録して才能を開花させたましたが、同年6月に急きょ導入された粘着物質使用禁止の影響で右肘を故障して、トミー・ジョン手術を受けてシーズン終了。グラスノーは「準備する期間も与えられず、唐突に導入されたルールで僕の右肘は故障した。僕の右肘はルールを導入したMLB機構に壊された」と語っていました。
22年9月28日にMLB復帰を果たして、23年に自身初となる二桁勝利を記録。右肘以外にも多くの故障に苦しんでおり、16年のデビュー以降、一度もシーズンフル稼働をしたことがありません。30歳で迎える2024年シーズン。「少年時代に憧れたドジャース」で、いよいよ未完のベールを脱ぎ捨てて、大輪の花を咲かせることになるでしょうか。

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