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【AKI猪瀬コラム】MLB史上15回しかない「0勝2敗からの逆転」を4度記録しているヤンキース 今年実現するにはジャッジの復調が不可欠

2024年10月28日 17時40分

ワールドシリーズ第2戦、ドジャースの山本由伸に三振し、厳しい表情でベンチへ戻るヤンキースのジャッジ(AP)

ワールドシリーズ第2戦、ドジャースの山本由伸に三振し、厳しい表情でベンチへ戻るヤンキースのジャッジ(AP)

◇AKI猪瀬コラム「MLBへの扉」
世界中の野球ファンが持ち望んでいた東西の名門対決が1981年以来、実現した今季のワールドシリーズ。ホームフィールド・アドバンテージを保持するドジャースがホームで2連勝を記録して世界一に近づいています。
過去のワールドシリーズで2勝0敗でスタートしたチームは92チームあり、77チームがワールドシリーズを制覇しているので、0勝2敗からの逆転は15回しかありません。ヤンキースは2001年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスと対戦したワールドシリーズで0勝2敗からホームで3連勝を記録して王手をかけて、敵地に移動して2連敗で力尽きました。
96年はアトランタ・ブレーブスと対戦。ホームで連敗して0勝2敗。敵地アトランタで3連勝を記録。ホームに戻った第6戦、3対2で勝利して78年以来となる覇権奪還に成功しました。ヤンキースにとってこの時のワールドシリーズが、81年にドジャースに敗れた時以来のワールドシリーズ進出でした。
そして、96年のワールドシリーズ制覇をきっかけにヤンキースは再び常勝軍団の輝きを取り戻すことになりました。ヤンキースはワールドシリーズでその96年を含めて78年の対ドジャース、58年の対ブレーブス、56年の対ドジャースと0勝2敗から過去4回、逆転でワールドシリーズを制覇しています。
MLB最多となる41回リーグ優勝を記録しているヤンキースは、他チームと比較するとワールドシリーズ進出回数が圧倒的に多いですが、それでも過去15回しかない0勝2敗からの逆転勝利を4回記録しているのは、さすがだと思います。
ワールドシリーズ史上16回目、チーム史上5回目となる0勝2敗からの逆転勝利のためには、今季ポストシーズン11試合出場で打率1割5分、2本塁打、6打点、19三振、得点圏で10打数0安打のアーロン・ジャッジが完全復活することが必須になるでしょう。
ジャッジも「自分自身がステップ・アップする必要がある」と語っています。第1戦から7戦までの平均チケット価格が破格の約22万円となっている今季のワールドシリーズ。ごひいきチームの勝利を願うファン心理は十分に理解していますが、歴史的な対決があっという間に終わってしまうことだけは、勘弁してほしいです。
ぜひ、第7戦までもつれて、歴史的な対決が歴史的なワールドシリーズになることを期待しています。
(大リーグアナリスト)
(写真はAP)
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