メッツのFA戦略は補強ではなく穴埋め、それでもシーズン100勝戦力、来季中になお他球団エース獲得も【AKI猪瀬コラム】
2022年12月19日 20時38分
メッツと契約合意したバーランダー(AP)
メッツと契約合意したバーランダー(AP)
◇コラム「AKI猪瀬 MLBへの扉」
FA市場の大物選手が次々と大型契約を結び、FA市場の高額商品のショーケースは、ほとんどが売り切れました。そんな状況の中、メッツはFA市場で推定総額5億ドル(約683億円)相当のお買い物をしました。
その内訳は次の通りです。
(1)バーランダー投手が2年総額8666万6666ドル
(2)クローザーのディアス投手が5年総額1億200万ドル
(3)外野手のニモが8年総額1億6200万ドル
(4)千賀投手が5年総額7500万ドル
(5)キンタナ投手が2年総額2600万ドル
(6)ロバートソン投手が1年契約で年俸1000万ドル
(7)ナルバエス捕手が2年総額1500万ドル
これだけ選手を買い集めれば、間違いなくFA市場の勝ち組と言っていいメッツですが、本当に大盤振る舞いの補強は成功なのでしょうか。
クローザーのディアスと不動の1番打者・ニモは大型契約で残留。今季101勝を記録したチームの最大の補強ポイントはエースのデグロム、バシット、ウォーカーが抜けた先発陣の補強でした。その補強としてバーランダー、千賀、キンタナを補強しました。
つまり、このストーブリーグでメッツが行ったのは戦力補強ではなく、穴埋め作業です。コレア遊撃手の獲得にも積極的に動いていたメッツが、コレアを獲得できていれば現有戦力の穴埋めではなく、正真正銘の戦力補強になったと言えますが、コレアはジャイアンツと契約しました。
獲得もしくは残留工作に成功した選手が計算通りに活躍しても、今季の101勝には届かない可能性があります。選手獲得の費用対効果は好意的に見てもプラスマイナスゼロですが、それでも100勝近くは勝てる戦力を保持しています。
この戦力で1986年以来となる世界一獲得が危うい状況になった場合、シーズン途中でホワイトソックスのエース、ジオリトやフィリーズのエース、ノラら2023年シーズンオフにFAになる大物選手獲得に動くことになるでしょう。
世界的大富豪でメッツのオーナー、スティーブ・コーエンは、世界一を獲得するまでは潤沢な資金を湯水のように使い続ける腹づもりのようです。(大リーグ・アナリスト)写真はAP
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