36歳で自己最多タイ16勝を挙げたダルビッシュ 進化し続けるのは尽きることのない"向上心"【AKI猪瀬コラム】
2022年9月26日 21時43分
パドレスのダルビッシュ有(AP)
パドレスのダルビッシュ有(AP)
ダルビッシュ投手にとって36歳という年齢は、ただの数字でしかないのでしょう。メジャー1年目の2012年に16勝を記録したダルビッシュ投手が、先日のロッキーズ戦で自己最多に並ぶ16勝を挙げました。
12年当時は、フォーシームの割合が33・5%(平均球速149キロ)、スライダー19・7%(同131キロ)、シンカー17・7%(同149キロ)、カッター16・1%(同144キロ)、カーブ8・7%(同112キロ)、スプリット4・3%(同139キロ)でしたが、今季はカッター36%(同139キロ)、フォーシーム25・2%(同152キロ)、スライダー17・7%(同132キロ)、スプリット7.8%(同143キロ)、カーブ4・9%(同117キロ)の割合で投球をしています。
12年とは、投球の組み立ても球種の割合も違う事が分かります。そして、デビュー当時からほとんどの球種の平均速度が向上しています。13年に奪三振王を獲得して、サイ・ヤング投票2位を獲得したシーズンはスライダーがメイン球種でした。同じくサイ・ヤング投票2位を獲得した20年は、カッターとスライダーのコンビネーションでした。
12年のメジャーデビュー以降、投球の組み立てや球種の割合が同じようなシーズンは一度もありません。毎年進化を遂げ、新しいダルビッシュ投手として、シーズンを過ごしています。日々のトレーニングや尽きることのない向上心が、止まらない進化を支えているのでしょう。
現在、クオリティースタート数は、リーグ最多。勝ち星は、リーグ3位タイ。奪三振数はリーグ7位。防御率はリーグ9位を記録しているダルビッシュ投手。サイ・ヤング賞の本命はマーリンズのアルカンタラ、対抗は20勝を記録したブレーブスのライトやドジャースのウリアスになりますが、抜群の安定感を誇るダルビッシュ投手も、サイ・ヤング投票で上位5位以内の得票数を集めることになると思います。
今後はエースとして、ポストシーズンでどのような投球を披露するかに注目です。(大リーグアナリスト)
(写真はAP)
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