コミッショナーの「開幕戦は予定通りに...」という言葉を信じている野球ファンは皆無【AKI猪瀬コラム】
2022年2月16日 05時00分
史上最悪とやゆされ始めたマンフレッド・コミッショナー(AP)
史上最悪とやゆされ始めたマンフレッド・コミッショナー(AP)
本来ならば15日からバッテリー組のスプリングトレーニングが開始されているはずでしたが、皆さんがご存じのように新労使協定交渉が難航。依然、ロックアウトが継続中のためにスプリングトレーニングは開始日未定の状態が続いています。フロリダ州オーランドで行われたオーナー会議の後にマンフレッド・コミッショナーは「3月31日の開幕戦は予定通りに実施されると信じている」とコメントしましたが、米国国内では、開幕延期の雰囲気が急速に拡大しています。
昨年12月2日にロックアウトが始まった時には、「今回のロックアウトは、2022年シーズンをスケジュール通りに進めるために必要な処置だと思っている」とコメントしたマンフレッド・コミッショナーだけに、彼のコメントを信じている野球ファンは皆無だと思います。
弁護士資格を持つマンフレッドは1987年にMLB機構に入り、大戦中も行われたワールドシリーズがキャンセルとなった史上最悪のストライキと称される94、95年の労使交渉で、オーナー側のアドバイザーとしてストライキ終息に寄与。その時の貢献が認められ、MLB機構で出世街道に乗り、15年1月に第10代コミッショナーに就任しました。
前コミッショナーのセリグ時代には、執行役員や最高執行責任者としてセリグの右腕として活躍したマンフレッド。役職的に選手会との窓口業務が多かった影響で、コミッショナー就任時に「選手会との良好なつながりが自身の強みである」とコメントしていたマンフレッドは、実務型のコミッショナーとして期待されていました。
就任後は試合時間短縮に関わるルールを次々と導入。思惑通りに試合時間が短縮されれば問題はなかったのかもしれませんが、結果は平均試合時間が過去最長になるなど空回り。94、95年のストライキでは当時の野球ファンのアンケートの結果、半数以上がストライキを選択した選手会が「悪」と見ていましたが、今回は機構とオーナー側が「悪」と認識されています。史上最悪のコミッショナーと呼ばれ始めているマンフレッドの任期は、延長が決まっていて24年まで続きます。(大リーグ・アナリスト)
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