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2021年09月15日

重水素で探る系外惑星系と太陽系の成り立ち

〜アルマ望遠鏡による惑星誕生現場の大規模観測

国立天文台

東京大学大学院理学系研究科

概要

東京大学/国立天文台のジャンニ・カタルディ特任研究員と東京大学の大学院生大和義英氏、相川祐理教授らの国際研究チームは、5つの若い星を取り巻く原始惑星系円盤を対象としたアルマ望遠鏡による大規模観測計画「Molecules with ALMA at Planet-forming Scales(アルマ望遠鏡による惑星形成スケールでの分子研究:MAPS)」を実行し、惑星形成現場において重水素を含む分子とイオン化率の分布をこれまでになく高解像度に描き出すことに成功しました。

図:アルマ望遠鏡で撮影した、若い星AS 209HD 163296の周囲の原始惑星系円盤。円盤内の分布が分子によって異なることがわかります。Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Cataldi et al./Aikawa et al.

MAPSでは惑星形成の現場である原始惑星系円盤の物理的、化学的構造の解明を目指し、さまざまな分子輝線の観測を行いました。MAPSの観測結果は20本の論文にまとめられ、米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・サプリメント・シリーズ」のMAPS特集号として出版されます。このうち、重水素を含む分子(DCNN2D+)とHCO+というイオン分子については、相川教授ら東京大学のメンバーが中心となって解析を行いました。

特に重水素を含む分子は地球に存在する水の起源を探る鍵になる物質であり、惑星が生まれる現場での分布を普遍的に明らかにすることは、太陽系の天体と太陽系外惑星の誕生過程を理解するうえで欠かせないステップといえます。

詳細については、国立天文台 のホームページをご覧ください。

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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