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2021年06月11日

観測史上最古、131億年前の銀河に吹き荒れる超巨大ブラックホールの嵐

国立天文台

東京大学大学院理学系研究科

概要

泉拓磨 国立天文台フェローらの国際研究チームが、131億年前の宇宙に存在した銀河をアルマ望遠鏡で観測した結果、その銀河のなかで強烈な「銀河風」が吹き荒れていることを発見しました。同様の銀河風が発見された銀河としては、観測史上最も古い銀河です。今回発見された銀河風を駆動しているのは、銀河の中心にある超巨大ブラックホールだと考えられています。銀河風が吹き荒れると、星の材料である星間物質が銀河外に流失し、銀河の中で星が生まれにくくなります。今回の成果は、ブラックホールが銀河の成長に及ぼす負の効果を検出した観測史上最古の例であると言い換えることもできます。今回の成果は、銀河とブラックホールが相互に影響を及ぼしながら成長してきた歴史の端緒を紐解く重要な発見です。

図:アルマ望遠鏡が観測した、131億年前の宇宙に存在した銀河J1243+0100の画像。この銀河に含まれる静かな動きを持つガスの広がりを黄色、高速で動く銀河風の広がりを青色で表現しています。銀河風は銀河の中心部分に分布しており、ここに潜む超巨大ブラックホールが駆動源であることを示しています。Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Izumi et al.

この観測成果を記載した論文は、Takuma Izumi et al. “Subaru High-z Exploration of Low-Luminosity Quasars (SHELLQs). XIII. Large-scale Feedback and Star Formation in a Low-Luminosity Quasar at z = 7.07”として、米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に受理されています。

なお、本研究成果は天文学教育研究センターの河野孝太郎教授のほか、天文学専攻の柏川伸成教授およびカブリIPMU/天文学専攻のJohn D. Silverman准教授が参加しています。

詳細については、国立天文台 のホームページをご覧ください。

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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