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Japan Geoscience Union

西田賞

HOME > 西田賞 > 谷本浩志(Hiroshi Tanimoto)

谷本浩志(Hiroshi Tanimoto)

・受賞理由/Commendation

対流圏オゾンおよび海洋性硫酸エアロゾルの生成過程の研究

Studies on the formation of tropospheric ozone and marine sulfate aerosol

・主要論文 / A list of five major papers

Tanimoto, H., N. Aoki, S. Inomata, J. Hirokawa, Y. Sadanaga, Development of a PTR-TOFMS instrument for real-time measurements of volatile organic compounds in air, Intern. J. Mass Spectrom., 263, 1−11, 2007.

Tanimoto, H., Increase in springtime tropospheric ozone at a mountainous site in Japan for the period 1998–2006, Atmos. Environ., 43, 1358−1363, 2009.

Kameyama, S., H. Tanimoto, S. Inomata, U. Tsunogai, A. Ooki, S. Takeda, H. Obata, A. Tsuda, and M. Uematsu, High-resolution measurement of multiple volatile organic compounds dissolved in seawater using equilibrator inlet-proton transfer reaction-mass spectrometry (EI-PTR-MS), Marine Chem., 122, 59−73, 2010.

Nara, H., H. Tanimoto, Y. Tohjima, H. Mukai, Y. Nojiri, and T. Machida, Emissions of methane from offshore oil and gas platforms in Southeast Asia, Sci. Rep., 4, 6503, 2014.

Tanimoto, H., S. Kameyama, T. Iwata, S. Inomata, Y. Omori, Measurement of air-sea exchange of dimethyl sulfide and acetone by PTR-MS coupled with gradient flux technique, Environ. Sci. Technol., 48, 526−533, 2014.

・主な業績 Major achievements (in Japanese)

対流圏オゾンは温室効果気体であり、生物に悪影響を及ぼすため、長期変動とその要因解明が長年の課題であった。谷本氏は、重要なオゾンの前駆物質である有機硝酸や有機炭素の高感度測定器を開発し、アジアでの分布を測定し、オゾン生成過程の理解に貢献した。またオゾンデータの解析から、東アジアの自由対流圏でオゾンが大きく増加していることを見出し、オゾン前駆物質の増加がその主要因である観測的証拠を示し、化学輸送モデルの改善点を指摘した。海洋域での硫酸エアロゾルは、雲量に影響を及ぼす雲凝結核の重要な生成源である。その前駆気体である硫化ジメチル(DMS)の高時間分解能測定器を開発し、西太平洋域でのDMSの高度分布から、海洋から大気へのフラックスを測定した。この観測から、DMS放出量推定に純群集生産データが有用であることを指摘し、貧酸素条件下で植物プランクトンによるDMSの生成・放出が促進されるチャンネルを発見した。このような先駆的な成果は高い国際的評価を受けている。

・推薦者/Nominator

植松光夫 (Mitsuo Uematsu)

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