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Japan Geoscience Union

西田賞

HOME > 西田賞 > 河谷 芳雄(Yoshio Kawatani)

河谷 芳雄(Yoshio Kawatani)

・受賞理由/Commendation

大気重力波と準2年振動及び気候変動に伴う成層圏循環の変化に関する研究

Studies on atmospheric gravity waves and quasi-biennial oscillations and changes in stratospheric circulation associated with climate change

・主要論文

  • Kawatani, Y., M. Takahashi, K. Sato, S. P. Alexander, and T. Tsuda, 2009: Global distribution of atmospheric waves in the equatorial upper troposphere and lower stratosphere: AGCM simulation of sources and propagation, J. Geophys. Res, 114, D01102, doi:10.1029/2008JD010374.
  • Kawatani, Y., K. Sato, T. J. Dunkerton, S. Watanabe, S. Miyahara, and M. Takahashi, 2010a: The roles of equatorial trapped waves and internal inertia-gravity waves in driving the quasi-biennial oscillation. Part I: Zonal mean wave forcing, J. Atmos. Sci., 67, 963-980.
  • Kawatani, Y., K. Sato, T. J. Dunkerton, S. Watanabe, S. Miyahara, and M. Takahashi, 2010b: The roles of equatorial trapped waves and internal inertia-gravity waves in driving the quasi-biennial oscillation. Part II: Three-dimensional distribution of wave forcing, J. Atmos. Sci., 67, 981-997.
  • Kawatani, Y., K. Hamilton and S. Watanabe, 2011: The Quasi-biennial oscillation in a double CO2 climate, J. Atmos. Sci., 68, 265-283.
  • Kawatani, Y. and K. Hamilton, 2013: Weakened stratospheric Quasibiennial Oscillation driven by increased tropical mean upwelling, Nature, 497, 478-481, doi:10.1038/nature12140.

・主な業績

河谷芳雄氏は、高解像度気候モデル実験と、測候所や人工衛星の観測データ、全球大気再解析データの解析とを効果的に組み合わせ、未解明な点の多かった対流圏起源の大気重力波が関わる赤道成層圏東西風の「準2年周期振動(QBO)」のメカニズムやその地球温暖化に伴う変調についてNature誌等に最先端の成果を発表してきた。大気重力波は高解像度の大気モデルでないと陽に表現できない。まず彼の指導教員らが開発した当時世界最高級解像度の大気モデル実験からQBO を引き起こす大気重力波の3次元伝播を初めて推定し、その励起源に関する新たな知見を得た。さらに、他の高解像度モデルの実験結果をも解析し、将来の温暖化に伴うQBOの周期増大と弱化という学界の予想を覆す結果を得た上、測候所データからQBOの弱化を同定したことは温暖化の進行の傍証ともなる気象力学的にも気候学的にも重要な成果である。河谷氏は既に日本気象学会から2回顕彰されたほか、国際委員会でも活躍するなど、その実績と将来性は国内外で高く評価されている。

・推薦者/Nominator

高橋 正明(Masaaki Takahashi)

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