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Japan Geoscience Union

西田賞

HOME > 西田賞 > 中島 淳一(Junichi Nakajima)

中島 淳一(Junichi Nakajima)

・受賞理由/Commendation

沈み込み帯の地震学的構造と地震・火山現象の成因に関する研究

Research on the seismological structure of subduction zones and the origin of seismic and volcanic phenomena

・主要論文

  • J. Nakajima, T. Matsuzawa, A. Hasegawa and D. Zhao, Three-dimensional structure of Vp, Vs, and Vp/Vs beneath northeastern Japan: Implications for arc magmatism and fluids, J. Geophys. Res., 106, 21843-21857, 2001.
  • J. Nakajima, Y. Takei, A. Hasega wa, Quantitative analysis of t he inclined low-velocity zone in t he mantle wedge of northeastern Japan: A systematic change of melt-filled pore shapes with depth and its implications for mel t migration, Earth Planet. Sci. Lett., 234, 59-70, 2005.
  • J. Nakajima, Y. Tsuji, and A. Hasega wa, Sei smic evidenc e for t hermal ly-controlled dehydration in subducting oceanic crust, Geophys. Res. Lett., 36, L03303, doi:10.1029/2008GL036865, 2009.
  • J. Nakaj ima, F. Hirose, and A. Hasegawa, Seismotectonics beneath the Tokyo metropolitan area, Japan: Effect of slab-slab contact and overlap on seismicity, J. Geophys. Res., 114, B08309, doi:10.1029/2008JB00610, 2009.
  • J. Nakajima, and A. Hasega wa, Tremor acti vity inhibited by well-drained conditions above a megathrust, Nature Communicat ions, 7, 13863, doi:10.1038/ncomms13863, 2016.

・主な業績

中島淳一氏は、日本列島の稠密地震観測網で得られたデータを、地震波トモグラフィーをはじめとする様々な地震学的手法で解析し、日本列島下の地震学的構造をかつてない精度で描き出した。さらに、解析手法に開発・改良を重ねて地震学的イメージングを格段に高度化させるとともに、物質科学や岩石学の知見を取り入れることで、島弧下のマントルウェッジにおけるマグマの生成と上昇、沈み込んだ海洋プレートからの脱水とそれに伴うスラブ内地震の発生、島弧地殻の変形における流体の寄与、プレート境界における水の移動と深部低周波微動の関係など、プレート沈み込みに伴う様々な過程に関する明解な解釈を与えた。こうして、沈み込むプレートからマントルウェッジ、内陸地殻までを一連のプロセスとして捉える見方の確立に中心的な貢献を果たした。中島氏は、地震学を基礎としつつ、従来の学問の枠組みを越えた分野横断的な研究により世界を先導し、国際的に高い評価を得ている。

・推薦者/Nominator

長谷川 昭(Akira Hasegawa)

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