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東京大学

PM2.5 の排出量変化に伴う気温変化は化学組成によって大きく異なることを解明 〜気候変動と大気汚染の最適な同時緩和策策定に貢献〜

2019年3月15日

九州大学
東京大学 大気海洋研究所

様々な物理現象と同様に、地球の気候もエネルギー収支のバランスで成り立っています。そのバランスを崩す物質として赤外線を吸収する温室効果ガスが知られていますが、大気汚染を引き起こすPM2.5などの大気中に浮かんでいる微粒子(エアロゾル)もバランスを崩す重要な物質です。九州大学応用力学研究所の竹村俊彦教授と東京大学大気海洋研究所の鈴木健太郎准教授は、エネルギー収支の崩れ(放射強制力)による気温変化がエアロゾルの化学組成によって大きく異なることを、エアロゾルによる気候変化を計算できるソフトウェアMIROC-SPRINTARSを利用して明確に示しました。代表的な“白い”エアロゾルである硫酸塩と“黒い”エアロゾルであるブラックカーボン(すす)は太陽光をそれぞれ散乱・吸収することにより大気のエネルギー収支を崩します。本研究では、同量の放射強制力による気温変化が、硫酸塩よりもブラックカーボンはかなり小さいことを、その仕組みとともに解明しました。気候変動や大気汚染の国内外におけるこれまでの対策は、放射強制力と気温変化の関係は化学組成にあまり依存しないことが前提とされることが多くありました。したがって、本研究の成果は、気候変動と大気汚染の最適な同時緩和策策定のための重要な科学的知見となるものです。なお、本研究で利用したSPRINTARSは、多くの報道機関も日々利用しているPM2.5予測情報を提供するソフトウェアとして知られています。

詳しくはこちらをご覧下さい。
九州大学プレスリリースこのリンクは別ウィンドウで開きます(2019年3月15日)

プレスリリース

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