News & Topicsニュース・トピックス
- 2021年03月25日
- みんなで参加しよう!マイクロプラスチックサンプリング調査体験(YouTube動画で見てみよう)
- 2021年03月09日
- 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が閣議決定されました(2021年3月9日)
- 2021年02月24日
- 高校生が横浜の国際会議で海洋プラスチック汚染防止アイデアを披露(2021年2月24日)
Columns & Reportsコラム・レポート
- 2021年05月10日
- 道路と海洋,農耕地から放出された大量のマイクロプラスチックが大気圏を循環し,陸地に降下〜日欧米の研究チームが可能性を指摘
- 2021年04月22日
- 道路の雨水がマイクロプラスチックの大きな"供給源"の可能性
- 2021年03月01日
- プラスチック汚染抑制〜プラスチック製品の供給側ができることと限界 2
- 2021年03月01日
- プラスチック汚染抑制〜プラスチック製品の供給側ができることと限界 1
- 2021年02月23日
- 海洋プラスチックごみ問題を検証する(「エネルギーレビュー2021年3月号」に掲載)
- 2021年01月28日
- 環境問題をプラスチックから考えてみる:「バイオプラスチック」とは
- 2021年01月19日
- プラスチック依存を断ち切る方法はあるか〜地球を守るためにできること
- 2021年01月09日
- 環境問題をプラスチックから考えてみる -3-:国外の情勢2 「2000年の地球に関する大統領への報告書」から「持続可能な開発」へ
- 2021年01月07日
- 出版物の紹介:『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン著)
- 2020年12月27日
- 地球上の人工物の重さが2020年,全生物の重さを超える〜プラスチック量は動物の重さの2倍に上昇
- 2020年12月11日
- 出版物の紹介:『FRaU SDGs Mook OCEAN 海に願いを。』(講談社編)
- 2020年12月01日
- 出版物の紹介:『SDGs(持続可能な開発目標)』(蟹江憲史著)
- 2020年11月26日
- 海洋アライアンスのシンポジウムで海洋プラスチックごみの研究を紹介 (2020年10月15日開催:動画あり)
About this project本プロジェクトについて
海洋に流出するプラスチックの量は世界のGDPと相応じて増え続け、環境汚染が顕在化しています。プラスチックはプランクトンや小魚、さらには海鳥によって摂餌され、プラスチックそのものに含まれたり環境中から吸着した有害な化学物質を生体内に運んだり、太陽光を浴びるうちに劣化してメタンガスのような二酸化炭素よりも強い温室効果を持つガスを放出することが知られるようになりました。世界中の多くの研究者から次々と報告されるプラスチックの問題は、もはや経済活動に影響を及ぼすまでになってきています。
しかし、多くの懸念が示され、予防的なリスク管理が必要とされている中で、具体的な政策に結びつく、根拠といえる実態を私たちはどのくらい知っているのでしょうか。残念ながらあまりよくわかっていないというのが実情なのです。例えば、海を漂う多量のプラスチックごみはいったいどこに行ってしまうのでしょう?
そこで東京大学は、日本財団から未来社会協創基金(FSI基金)に助成を受け、2019年から3年間、大気海洋研究所に「海洋プラスチック研究事務局」を設置し、「FSI海洋ごみ対策プロジェクト」を立ち上げて、海洋のプラスチックごみ対策にむけた研究、情報発信を、国内外の研究機関と連携して行なっています。
Our missionミッション
ActI海洋プラスチックごみ問題に対する科学的知見充実
海洋プラスチックごみの問題を考えるときに基礎となる科学的な知見を充実させ、信頼できる科学的根拠に基づいて問題を捉えることが大切です。このため、東京大学を中心に、様々な大学や研究機関が連携した取り組みを実施しています。
- テーマ01海洋マイクロプラスチックに関わる実態把握
- テーマ02マイクロプラスチックの生態影響評価
- テーマ03プラスチックごみ削減方策に関する総合的研究
ActII国際的ラウンドテーブル等の開催による情報発信
国内外の研究者や専門家の対話集会・シンポジウムの開催、国連機関をはじめとした国際的な研究集会などへの参画、アジア地域内の能力開発、市民に向けたアウトリーチ活動を行なっています。
From Project Leaderごあいさつ
教授 道田 豊 / MICHIDA Yutaka
ここ数年、海洋プラスチックごみ問題が国際的にも重要な課題と認識されてきています。とくに2015年のドイツ・エルマウサミット以降は国際政治の場で各国首脳が直接言及するようになり、2019年のG20サミットでは「大阪ブルーオーシャンビジョン」を共有し、2030年までに海洋プラスチックの追加的汚染をゼロにすることとしました。この課題自体は急に生じてきたものではなく、すでに1970年代には、海洋におけるプラスチック汚染に警鐘を鳴らす研究が報告されていました。
過去10年ほどの間、国内外の多くの研究者が海洋プラスチックに関する研究に取り組み、次々と成果が挙げられています。しかし、依然として未解明の部分が極めて多く、効果的な対策を講じるためには、リスク評価も含めた幅広い研究を進める必要があります。東京大学でも、2019年度から日本財団との協力により、いくつかの大学や研究機関等の参加も得て3年計画で関係の研究を開始しました。本研究プロジェクトでは、特に実態がよくわかっていない1mm以下の小さなプラスチックに焦点を当て、その分布や輸送の実態解明、生体および生態系への影響評価を目指します。これら自然科学的課題に加え、プラスチックごみの全体量を削減するための方策についても検討を進めることとしています。
きわめて複雑で、実態のよく分かっていないこの課題に対して、こうした学際的な研究を強力に進めることにより、できる限り確かな科学に基づくリスク評価に関する情報を社会に提供することを目指します。重い課題であることは十分承知していますが、多くの方々と意見や情報の交換を行い、協力することでこの課題に取り組んでいきたいと思います。