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海底熱水システム研究

本研究の目的は、海底および海底下熱水金属硫化物鉱床の成因の原動力である海底下熱水循環と、それに付随する熱水駆動海底下生命圏の規模、存在様式、相互作用を、分野横断型の研究チーム、技術開発チームならびに運用技術チームの三位一体の最先端の研究開発により、現場環境と実験室レベルで明らかにしようとするものです。また、その科学的な理解は、海底および海底下熱水金属硫化物鉱床の探査・開発・実用に向けた不可欠な要素ですが、開発に向けた必要前提条件とすることなく、JAMSTECの有する研究開発ポテンシャルを、同時並行的に科学目標の解明と探査・開発の主導的役割に資することを目指します。

具体的な研究目標としては、

1)海底および海底下熱水金属硫化物鉱床の包括的海洋調査による探査・鉱床学的評価
2)海底下熱水循環系の規模および存在様式と鉱床成因
3)海底下超巨大熱水鉱床の探査とその成因
4)海底下熱水循環系とそれに伴うファストライフ型熱水駆動海底下生命圏
5)海底下熱水鉱床とそれに伴うスローライフ型熱水駆動海底下生命圏
6)海底下熱水循環系と熱水鉱床における電気合成微生物生態系を解明することを目的としています。

沖縄トラフ伊平屋北フィールド

沖縄トラフは海底熱水活動の盛んな海域であり、伊平屋北、伊是名海穴、鳩間海丘、第四与那国海丘群など、多くの熱水活動域が知られています(図1)。これらの熱水活動域の海底熱水鉱床としての規模は、世界的に見ても広く、深いと予想されており(図2)、特に伊平屋北フィールドは最も規模が大きいと考えられています。JAMSTECでは異なる分野の様々な研究者がこのフィールドに着目して研究を行っています。

[画像:伊平屋北フィールドの位置]

【図1】伊平屋北フィールドの位置

[画像:熱水活動域の規模の比較]

【図2】熱水活動域の規模の比較

AUV「うらしま」による調査

伊平屋北フィールドではAUV「うらしま」による調査を平成19年に実施しました。このとき、搭載したサイドスキャンソーナーによる音響イメージングにより、噴出している熱水の「ゆらぎ」と考えられるフィラメント状の画像が得られました(下図 Kumagai et al., 2010)。

このように、AUVや曳航体を駆使した地形・音響・物理探査によって、より有望な熱水活動域を発見できる可能性があります。より有望な熱水活動域を発見できた場合には、資源的な潜在価値を含めた評価を行うため、ROVによる観察、そして掘削による試料採取を行います。

[画像:ゆらぎ]

「うらしま」のサイドスキャンソーナーでとらえた水中の「ゆらぎ」(Kumagai et al., 2010)。

地球深部探査船「ちきゅう」による掘削調査

沖縄トラフ伊平屋北フィールドでは、平成22年、統合国際深海掘削計画(Integrated Ocean Drilling Program : IODP)第331次航海を、高井研(JAMSTEC)・Michael Mottl(ハワイ大学)共同首席研究者のもとで実施し、画期的な科学的成果を挙げました(下図。特設サイトはこちら)。

巨大な海底下熱水湖、成層化した熱水の発見は、海底下熱水循環系の解明に大きな一歩を踏み出すものです。熱水噴出孔付近の掘削では、今まさに生成されている「黒鉱」の熱水金属硫化物が初めて採取されました。また、掘削孔を人工熱水噴出口とすることに成功し、継続的な観測によって、噴出流体の変化を捉える事ができました。平成23年に実施したポストドリリング調査航海では、人工熱水噴出口の一つに成長したチムニーを採取して分析したところ、著しく黒鉱成分に富んでいることを発見しました。

このように、海底下熱水循環、海底下熱水鉱床の規模、存在様式、成因などの研究は、今後、極めて多くの新しい知見をもたらす可能性があります。

[画像:ゆらぎ]

IODP Exp.331 沖縄掘削の主な成果。

引用文献:
Kumagai, H., S. Tsukioka, H. Yamamoto, T. Tsuji, K. Shitashima, M. Asada, F. Yamamoto, and M. Kinoshita (2010),Hydrothermal plumes imaged by high‐resolution side‐scan sonar on a cruising AUV, Urashima. Geochem. Geophys.Geosyst., 11, Q12013, doi:10.1029/2010GC003337

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