2023年3月16日
大脳基底核のメレオロジー
第100回日本生理学会大会・公募シンポジウム「メレオロジカル神経生理学」
- 井口善生 ,
- 小林和人
- 開催年月日
- 2023年3月14日 - 2023年3月16日
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
中枢神経系の役割のひとつは,生活体の行動を,目標に向けて秩序立てて編制することであり,そのためには自分を含む環境の情報が必要となる。脳は環境の情報(刺激)を運動情報(反応)に変換する役割を担う臓器とみなすことが可能であり,刺激と反応のマッピングの学習において,大脳基底核は重要な役割を担うと考えられる。特に,大脳基底核の入力層である線条体は,内側部(尾状核)と外側部(被殻)という解剖学的に明瞭な亜核に分類され,さらにそれぞれが,ドーパミンD1受容体陽性の直接路ニューロンとD2受容体陽性の間接路ニューロンから構成される。これまで,亜核の選択的破壊や,あるいはそれぞれの亜核における細胞種特異的な除去が,刺激-反応学習において果たす役割について多くの研究が蓄積されてきた。そのような部分に関する詳しい情報と,線条体や大脳基底核という全体構造の機能の関係を理解するために(メレオロジカルな理解に向けて),単一の生活体において,直接路ニューロンと間接路ニューロンの活動を,細胞種特異的に,任意のタイミングで,,なおかつ可逆的に操作するためのシステムが必要である。そのための,化学遺伝学的ツールの研究開発の成果を発表する。