基本情報

所属
大阪大学 大学院生命機能研究科 准教授
学位
理学博士(大阪大学)

J-GLOBAL ID
201201077361585808
researchmap会員ID
B000222123

外部リンク

福井大学医学部(坂野仁研究室)では、授乳期後期において母仔分離(あるいは母親のネグレクト)が仔マウスの匂い嗜好性連合学習を促進することを明らかにしました(Katori et al., Sci Rep 2025)。一般に母親といることは仔にとって報酬と考えられていましたが、授乳期後期においては母親がいない状況が報酬となるという驚きの結果です。授乳期後期では、仔マウスは外界に対する興味が増大し、母親から解放されることが報酬となるのかもしれません。親からの精神的自立を後押しする性質が本能的に備わっている可能性を示唆する極めて重要な結果です。

国立遺伝学研究所(岩里琢治研究室)では、αキメリンというシグナル伝達分子に着目し、神経回路形成メカニズムの解析を行いました。αキメリンを欠損したマウスは、左右の神経回路が混線し、ウサギのように左右の脚が同期した歩行をします。正中線を交差すべきでない軸索が正中線バリアに接触するとαキメリンが活性化し、不適切な交叉が阻止されていることはわかっていました。それに加え、正中線バリアの維持にもαキメリンが必要であることがわかりました(Katori et al., J Neurosci 2017)。


大阪大学生命機能研究科(八木健研究室)では、セロトニン神経の軸索投射におけるプロトカドヘリンαの役割を明らかにしました(Katori et al., J Neurosci 2009)。セロトニン神経は、概日リズム、摂食行動、性行動、攻撃性、うつ病などに関与します。プロトカドヘリンαは同種同士で特異的に接着をする膜タンパク質で、クラスター化した遺伝子から多様なタンパク質が作られます。セロトニン神経の細胞体は、脳幹の正中線付近の縫線核にあり、そこから脳全体に軸索を伸ばし、末端で分岐することで、局所的には、ほぼ均一に軸索は分布しています。一方、プロトカドヘリンα全体を欠損すると、セロトニン神経の軸索は、ある場所では過密になり、他方では過疎になります。プロトカドヘリンαのスプライスバリアントであるC2を欠損するだけでも同様の異常がみられます(Katori et al., 2017 Sci Rep)。C2をもつセロトニン神経軸索同士の接触によってセロトニン神経軸索が過密になるの防いでいると考えられます。また、プロトカドヘリンα欠損マウスは自傷行為が増加しますが(Katori et al., J Neurosci 2009)、セロトニン神経軸索の異常がそのような表現型を引き起こしているのかもしれません。


論文

8

MISC

8

書籍等出版物

2

講演・口頭発表等

5

共同研究・競争的資金等の研究課題

4