基本情報

所属
神戸大学 大学院国際文化学研究科 国際文化学研究推進インスティテュート 協力研究員
学位
博士(学術)(2025年3月 神戸大学)
修士(学術)(2022年3月 神戸大学)
学士(文学)(2020年3月 熊本県立大学)

連絡先
sagawanderlustgmail.com
研究者番号
71030186
ORCID iD
https://orcid.org/0009-0008-0629-5491
J-GLOBAL ID
202401015750985796
researchmap会員ID
R000063473

【研究対象】

  1. 引用表現や話法(e.g.誠は「おはよう」と言った|誠は「また明日ね」と部屋から出て行った)
  2. 修辞技法・修辞効果の翻訳
  3. 翻訳者の文体

【研究スタンス】

  1. 言語表現や意味機能・用法の脱意図基盤的な記述
  2. 「発話や文法は〈今・ここ・現実〉という「現場」での出来事を基本とし、コミュニケーションは〈今・ここ・現実・私たち〉という公共的な談話空間でなされる」といった定延利之氏の言語観に基づいた言語記述
  3. 「言語実践とは理由を与え求めるゲームであり、言葉の意味は推論で果たす役割によって規定される」というRobert Brandomの「推論主義(inferentialism)」や、「私とあなたがコミュニケーションを通じて約束事を形成したなら、私とあなたはもう別々の存在ではなく、一個の『私たち』になって、その約束事に従った振る舞いをしていくこと」だとする三木那由他氏の「共同性基盤意味論」に根差した意味記述

【研究史】

学部生時代から修士時代にかけて、日英語の「話法」、とりわけ「自由間接話法」などの「引用表現」に関わる修辞技法はどのように翻訳されるのかに取り組んできました。

ただ、先行研究の定義・記述を調べる中で、以下の3点にどうしても納得できずにいました。

  1. 意味と認定のブレ:
    1. 「引用」という術語の指すものが研究者間で著しいブレがあること。
    2. 「言語表現の意味」と「言語行為的な意味」のそれぞれの問題が上手く切り分けられないままに議論が展開されているために、「文法の問題」に「元発話との意味の類似性の問題」が混在して議論が錯綜してしまっていること。
  2. 意図基盤的な記述・目的論的な解釈:
    1. 「話し手は引用することで、責任を回避する意図があった」「話し手は聞き手にも同じ評価を抱いてもらおうとして引用した」のように「あたかも話し手に最初からそのような目的があった」ことを自明視する記述・解釈。
    2. 「間接話法では、引用者である文全体の話し手の意図に基づいて改変された引用句が報告される」といった「ほぼ検証不可能な話し手の心理」や「未検証の事実に基づいた改変の存在」に基づく記述。
  3. 不十分な交通整理と体系化:
    1. 引用に関する理論研究には膨大な蓄積がある反面、交通整理がきちんとされておらず、事例分析・記述研究への接続がほとんど上手く行っていないこと。
    2. とりわけ、記述研究が「ミハイル・バフチンの多声性(polyphony)一辺倒」で、引用に関する理論的な知見を上手く活用できていないこと。

こうした経緯から、博士課程では、「そもそも、引用ってなに?」「話法とは?」「引用表現のコミュニケーションって?」などの問題に研究の関心が移りました。

こうした意識に基づいて博士論文を執筆し、2025年度に学位を取得しました。

【現在の個人的な研究課題】

博士論文では日本語学・国語学系列の文献を交通整理するので精一杯で、欧米系の議論の整理にまで手が伸ばせませんでした。

そのため、以下の2点を現在の個人的な研究課題にしています。

  1. 引用表現に関する理論・記述研究(特に欧米系)の交通整理
    1. 理論研究:命題的態度の意味論(i.e.命題的態度の報告文)
    2. 記述研究:語用論・談話分析系の研究の体系化
  2. 言明同一性(samesaying)」や「同名異表象(ignorance-of-identity)」に関する議論の交通整理と記述・分析への応用

「理論と記述の往還」を目指して交通整理に励んでいます。

【現在の関心】

  1. 引用表現に関わる研究全般
    1. 「理論研究の交通整理」と「記述研究の体系化」に、今もこれからも、ずっとお熱です🔥
    2. 形態/統語・意味・言語哲学・語用・談話といった、あらゆる方面で「引用」に関する現象の解明がしたいと考えています。
  2. 〈認知–社会–コミュニケーションの三項関係〉を軸に以下の 4点 に関する省察
    1. ある表現をどうすれば引用表現として認定できるか?
    2. 〈引用〉という行為がなされたことをどのように認定すればよいか?
    3. どのような言語資源が引用と見做すための要素になりうるか?
    4. 引用表現をコミュニケーションの中で使う意味とは?
  3. デジタルコミュニケーション(特に旧 Twitter)における言語表現
    1. 引用表現や証拠性表現(evidentials)の使用法
    2. ネット上での誹謗中傷(e.g.テクニカル悪口)
    3. RT/RPしかしないアカウントの運用動機
  4. 翻訳研究
    1. 修辞技法の翻訳
    2. 翻訳者の文体
    3. Edward G. Seidensticker の翻訳観

「引用表現・話法」にご興味のある方、ご自身の専門領域で「引用表現・話法」の研究を行なってみたいとお考えの方、あるいは「引用表現・話法」に関する共同研究をしていただける方、ぜひご一報ください。

((注記)連絡はresearchmap上のメールアドレスからお願いいたします。)


主要な論文

8

MISC

3

主要な講演・口頭発表等

13

学術貢献活動

2

共同研究・競争的資金等の研究課題

3

主要な所属学協会

9

主要な担当経験のある科目(授業)

12