研究テーマ

放射性炭素年代測定室ならびに同位体生態学分野で行っている研究を紹介します。

放射性炭素年代測定室

放射性炭素年代測定室は、総合研究博物館が提供する学内共同利用・施設共用事業として放射性炭素年代測定の依頼を受け付けています(測定依頼について)。放射性炭素を割合を1mgの炭素で測定できる、炭素専用の加速器質量分析装置(AMS)を保有しており、放射性炭素の高度利用にむけて様々な研究・開発をすすめています。

  • より確かな年代値を得るための研究計画
  • 新たな分析対象の開発
  • より古い試料のための前処理法の開発
  • 1mgよりも少ない炭素量でのAMS測定
  • 新たなAMS装置の開発
  • 海洋リザーバ効果の補正方法の開発
  • 海洋リザーバ効果の地域補正値の拡充

同位体生態学分野

私たちの研究室は、大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻の兼担講座のひとつ同位体生態学分野として、修士課程と博士課程の教育に参画しています。研究科は柏キャンパスに置かれていますが、私たちの研究室は本郷キャンパスに位置します。大学院生の研究テーマについては、同位体生態学分野のページをご覧ください。

同位体生態学分野では、様々な元素の同位体を用いて生物の生態系における位置をしらべる同位体生態学を考古学分野に応用する研究が特色です。軽元素(炭素・窒素・酸素・硫黄)の安定同位体比を測定する安定同位体比質量分析装置(IRMS)を保有し、発掘などの試料採取から、前処理の化学実験、装置による測定法の改良などを行っています。

分析対象には様々な生物遺体や遺物が含まれます。遺跡から出土するヒトや動物の骨や歯、貝殻、炭化した植物種子、土器に付着したオコゲなどを分析することで、ヒトや動物の食べものや植物の生息環境、土器で加熱された内容部を知ることができます。また、子どものときに形成される歯を分析すると、出身地や離乳年齢などの情報を得ることも可能です。古人骨では個人レベルの情報を得ることができるので、先史社会における食生活の多様性や、性別によって規定される移動様式(婚姻システム)など、社会を読み解く研究にも応用することが可能です。また、古人骨が出土しない縄文時代草創期や台地上の遺跡などで食生活を復元するために、土器付着炭化物(オコゲ)の同位体分析について方法の開発に取り組んでいます。詳しくは科研費プロジェクトをご覧ください。

  • 古人骨コラーゲンの炭素・窒素同位体比による食生活の復元
  • 古人骨コラーゲンに含まれるアミノ酸の窒素同位体比による、より詳しい食生活の復元
  • 歯エナメル質の酸素とストロンチウムの同位体比から他所者をみつけて、出身地を推定
  • 土器付着炭化物(オコゲ)から加熱された内容物、さらに食生活を復元
  • オコゲの同位体比から土器の使い方を復元し、器型や大きさの違いを研究
  • 動物骨コラーゲンの炭素・窒素同位体比、アミノ酸の窒素同位体比から、家畜の成立や管理を復元
  • 炭化米から水稲と陸稲を判別
  • 炭化穀物から施肥の影響を復元
  • 古人骨の放射性炭素年代測定から、縄文時代の墓域の形り立ちを復元