基本情報

所属
東北大学 東北アジア研究センター 准教授
(兼任)大学院環境科学研究科 准教授
学位
修士(人間・環境学)(2019年3月 京都大学)
博士(人間・環境学)(2023年3月 京都大学)

連絡先
highcastle0610gmail.com
J-GLOBAL ID
202101020113951995
researchmap会員ID
R000031752

私は韓国で生まれ、中学1年生まで韓国で生活した後、日本へ帰国した帰国子女です。その後、日本と韓国の双方で歴史や政治について学ぶなかで、同じ出来事であっても国家や社会によって異なる解釈や記憶が存在することに関心を持つようになりました。こうした日韓両社会にまたがる境界人(日韓ハーフ)としての経験を背景として、私は韓国政治史、国民形成、日韓関係史を研究しています。

研究テーマ
私は、脱植民地化と冷戦という歴史的条件のもとで、韓国において国家、国民、民主政治がどのように形成されてきたのかを研究しています。主に歴史社会学、ナショナリズム研究、歴史的制度論の視点から、政治制度、国民形成、文化交流を対象として研究を進めています。


1 韓国における民主政治への試みとその歴史的展開:李承晩政権期を中心に(2017年–現在)

私はこれまで主として李承晩政権期(1948–1960年)の政治過程を対象に、政府形態論争、憲法改正、選挙、野党政治などを分析してきました。従来の研究では、李承晩政権は「独裁政権」として理解されることが多くありました。しかし実際には、同政権下では選挙や議会政治、野党活動も一定程度存続しており、その実態は単純な独裁/民主主義という二分法では捉えきれません。そこで私は、民主政治の実現を目指す試みと、その限界や矛盾の双方に注目しながら、戦後韓国政治の形成過程を分析しています。この研究成果は単著『韓国黎明期の民主政治への試み』(2025年)として公刊しました。

今後は研究対象を朴正熙政権期、全斗煥政権期へと拡大し、野党勢力の戦略や民主化運動との関係を分析するとともに、民主化後の政党制や政治競争の変容も視野に入れながら、韓国民主政治の成果と課題を長期的な視点から検討していく予定です。


2 韓国における国民形成と国家建設:李承晩政権期における「韓国国民」の形成を中心に(2023年–現在)

現在の主たる研究テーマは、李承晩政権期における国民形成研究です。私は、「韓国国民」というカテゴリーがどのように形成され、その境界がどのように設定されたのかという問題関心のもと、国籍法、国家保安法、教育政策、メディア言説、記念日、戦争動員などを分析しています。特に、民主主義、反共主義、民族意識という複数の原理がどのように結合しながら国民の範囲を規定し、包摂と排除の境界を形成していったのかを明らかにすることを目指しています。理論的には、国民を固定的な存在としてではなく、国家と社会の相互作用のなかで形成される歴史的・政治的カテゴリーとして捉えています。

今後は研究対象を李承晩政権期から朴正熙政権期、全斗煥政権期へと拡大し、さらに民主化後の韓国社会も含めながら、韓国における国民形成の連続性と変容を長期的な視点から検討していく予定です。


3 現代日韓文化交流史:戦後東アジアにおける文化交流と相互認識:(2030年(予定)〜)

近年は、韓国国内政治史に加えて、戦後の日韓文化交流史にも研究関心を広げています。特に、戦後韓国社会における日本文化の受容と排除、文化交流を通じた相互認識の変化、日韓文化交流における非対称性の形成と変容に注目しています。この研究では、文化交流を単なる友好の歴史としてではなく、脱植民地化後の韓国社会が日本をどのように認識し、自国のアイデンティティや国民意識を形成してきたのかという観点から分析しています。

今後は韓国と日本の関係に加え、台湾も視野に入れながら、戦後東アジアにおける文化交流、国民形成、脱植民地化の相互関係を比較史的に検討していきたいと考えています。


共同研究への関心
私は、帝国崩壊後の東アジアにおける国民形成と国家再編の比較研究に強い関心を持っています。特に、旧宗主国である日本、および同じく日本帝国の植民地であった台湾を対象とする研究者との共同研究を希望しています。

将来的には、日本・韓国・台湾を比較対象としながら、脱植民地化、国民形成、民主政治、文化交流の関係を総合的に検討する研究ネットワークの構築を目指しています。


経歴

12

論文

19

MISC

1

書籍等出版物

3

講演・口頭発表等

23

担当経験のある科目(授業)

15

共同研究・競争的資金等の研究課題

7