かし保険全般に関するご質問

Q1.
1号保険と2号保険の違いは何ですか?
A1.

1号保険は、住宅瑕疵担保履行法第19条第1号の規定に基づき、資力確保義務のある建設業者または宅建業者が、以下の住宅を対象として加入する保険です。
①建設工事完了の日から起算して1年以内のもので、かつ、②人の居住の用に供したことのないもの。
1号保険に該当しないものを(第19条)2号保険といいます。

Q2.
保険契約の手続きについて教えてください。
A2.

保険契約の手続きの流れは、次のとおりです。

①事業者届出:あらかじめ保険申込前に事業者届出が必要です。

②保険申込:工事着工前に必要書類(図面、地盤調査報告書等を含む)を添付のうえ、各保険法人に申込みます。

③現場検査:建物の規模等に応じて、適時、現場検査員(建築士)による施工状況の確認を受ける必要があります。

④保険証券発行申請:現場検査合格後、全ての工事が完了し、引渡日が決定次第、必要書類を添付のうえ、各保険法人に保険証券(付保証明)の発行申請を行います。

(注記)④の申請手続きを忘れてしまいますと、保険証券等が発行されませんのご注意ください。
なお、詳細については、各保険法人にお問い合わせください。

Q3.
住宅瑕疵担保責任保険の保険料、検査料は事業者が負担するのですか?
A3.

資力確保のための手段の1つである保険加入に関する費用の負担は誰がするかについての定めはありません。
そのため、この保険に関する費用の負担については、住宅の購入者と契約される事業者で、事前によくご相談されることをお勧めします。

Q4.
新築の住宅瑕疵担保責任保険にはどのような事業者が加入できるのですか?
A4.

保険法人は誰に対しても、また、どのようなタイプの住宅の保険申込みでも受け付ける義務があります。したがって、原則としてご加入についてお断わりすることはありません。
また、現場検査の基準についても建築基準法レベルを想定しており、通常の設計・施工レベルであれば問題なく保険に加入できます。

Q5.
住宅が完成しました。保険証券はいつ発行されますか?
A5.

住宅の建設工事が完了して引渡日が決まったら、保険を申し込んだ事業者((注記))から保険法人へ保険証券発行の申請を行います。保険の始期となる「引渡日」などの通知が必要になりますので、建設中の検査に適合していた場合でも自動的には発行されません。発行の申請後、事業者に対して保険証券と保険付保証明書が発行されますので、保険付保証明書はすみやかに住宅取得者に渡してください。なお、保険証券は住宅事業者が保管してください。

((注記))請負契約に基づいて引き渡す住宅の場合は建設業者。売買契約に基づいて引き渡す住宅の場合は宅建業者。

Q6.
売主と買主との間で紛争が生じた場合などに、専門家による支援が受けられると聞いたのですが。
A6.

住宅瑕疵担保履行法に基づく指定保険法人のかし保険に加入している住宅((注記))については、消費者(発注者または買主)と建設業者(請負人)や宅建業者(売主)との間で紛争が生じた場合、安価な費用(1万円)で、住宅紛争審査会(指定住宅紛争処理機関)による紛争処理手続きを利用することができます。 住宅紛争審査会とは、性能評価付住宅や保険付住宅の紛争処理機関として、国土交通大臣が指定した機関であり、現在、全国の単位弁護士会がこの役割を担い、紛争処理手続き(あっせん・調停・仲裁)を行っています。

(注記)2022年10月1日から、リフォームや既存住宅に関するかし保険に加入している住宅についても、紛争処理手続きの利用が可能です。

Q7.
新築住宅の住宅瑕疵担保責任保険の申し込みを行う物件について、技術的な基準はありますか?
A7.

設計施工基準が保険引受に必要な技術基準となります。設計施工基準は各保険法人共通で、2009年7月より基準が統一されております。
なお、本基準の対象となるのは、保険申し込み住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分です。住宅瑕疵担保責任保険は資力確保方法のひとつとして、すべての事業者が容易に利用できるものである必要から、木造住宅については木造軸組工法を想定し、構造耐力上主要な部分は建築基準法のレベル、雨水の浸入を防止する部分は一般的に用いられている防水仕様を定めています。

Q8.
設計施工基準に定めのない部分・箇所についてはどうすればよいのですか?
A8.

設計施工基準に定めのない部分・箇所については、住宅の品質確保の促進等に関する法律第94条第1項に規定する構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に係る建築基準法その他関係法令を遵守していただければ、保険契約申込みが可能です。

Q9.
設計施工基準に適合しない建材・仕様等を用いた場合は保険申し込みできますか?
A9.

設計施工基準は、事故抑制につながる仕様に限定して規定しています。また、その範囲は主にいわゆる在来工法を想定していることから、同基準第3条の規定により、同基準により難い(適合しない)仕様等を用いる住宅については、同基準で規定する仕様と同等以上の性能を有することを保険申込者等から説明いただき、それが確認できた場合は、仕様を変更することなく(その仕様のままで)保険をお引受けしています。これらの手続きを「3条確認」と称します。
「3条確認」を利用して保険申込を希望される場合は、各保険法人にお問い合わせください。

Q10.
住宅瑕疵担保責任保険に加入するには建築中に検査があると聞きましたが、時期や回数を教えてください。
A10.

住宅瑕疵担保責任保険の加入にあたり、現場検査に適合する必要があります。以下のとおり、建物の総階数により検査の時期と回数が異なります。

【階数3以下の場合】

  • 基礎配筋工事の完了時
  • 躯体工事完了時又は防水下地張りの直前の工事の完了時

【階数4以上の場合】

  • 基礎配筋工事の完了時
  • 最下階から数えて2階床の躯体工事の完了時
  • 最下階から数えて3に7の自然倍数を加えた階の床の躯体工事の完了時
    (階数が10以上の場合が該当。 例:10階、17階、24階など)
  • 屋根防水工事の完了時または防水下地張り工事の完了時
Q11.
誰が、資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)を行わなければならないのですか?
A11.

資力確保措置を行わなければならないのは、新築住宅の請負人または売主のうち、建設業法に基づく建設業の許可を受けた建設業者と、宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業の免許を受けた宅建業者です。なお、軽微な工事のみを行うため建設業許可が不要な業者は資力確保措置を行う必要はありませんが、任意で加入できる保険は用意されています。

Q12.
資力確保措置が必要な「新築住宅」とは?
A12.

「新築住宅」とは、新たに建設された「住宅」であって、建設工事の完了から1年以内で、かつ、人が住んだことのないものをいいます。したがって、この新築住宅に該当しない中古住宅が売買の対象である場合には、資力確保措置の義務付けの対象とはなりません。また、「住宅」とは、人の居住の用に供する家屋または家屋の部分をいい、例えば事務所と住居などが混在した併用住宅についても、住居部分のみならず、併用住宅全体の共用部分が「住宅」に該当することとなります。

Q13.
対象となる瑕疵担保責任の範囲は?
A13.

住宅瑕疵担保履行法では、住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)において新築住宅について定められている

  • 構造耐力上主要な部分
  • 雨水の浸入を防止する部分

に関する10年間の瑕疵担保責任を前提として、資力確保措置が義務付けられています。
たがって、資力確保措置の対象となる瑕疵担保責任の範囲も住宅品質確保法で定められた「10年間の瑕疵担保責任」と同じものです。

Q14.
特定住宅瑕疵担保責任に地盤の瑕疵は含まれますか?
A14.

新築住宅の請負人または売主は、住宅品質確保法第94条1項又は第95条1項の規定により住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に対する担保責任があります。
なお、地盤は構造耐力上主要な部分には含まれませんが、住宅の設計・施工を行う場合には、その前提として地盤の状況を適切に調査した上で、調査結果に対応した基礎の設計・施工を行うべき義務があります。したがって、地盤が軟弱であるにも関わらず地盤の状況を配慮しない基礎を設計、施工したために不同沈下が生じた場合には、基礎の瑕疵として保険支払い対象となります。

Q15.
締結証明書が届いたのですが、ここから先どのようにしたら良いか教えてください。
A15.

各基準日(毎年3月31日)において、当該基準日前1年間(4月1日から3月31日まで(基準日の届出対象期間))に引き渡した新築住宅に係る住宅瑕疵担保責任保険契約の締結状況について証する書面を、基準日後に各所管行政庁へ報告して頂きます。
当該基準日前1年間に引渡しの実績がない場合でも、過去に1回以上資力確保の状況についての届出を行っている場合は、引渡戸数0戸の届出が必要です。

Q16.
資力確保措置を行わない場合、罰則はありますか?
A16.

保険や供託による資力確保措置を講じていない場合や、届出をしていない場合は、基準日(3月31日)の翌日から50日を経過した日から新たに請負契約や売買契約をすることができません。これに違反して契約すると、1年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方に処せられます。また、届出を行わない場合や虚偽の届出を行った場合は、50万円以下の罰金が科されます。
なお、保険証券の発行手続を行っていないと保険法人が発行する「保険契約締結証明書」に正しい保険契約戸数が掲載されません。引渡日が決まった住宅についてはすみやかに手続きを行うことが大切です。基準日に際しては該当期間内に保険証券の発行手続き漏れがないか確認してください。

ページのトップへ

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /