サイバーエージェントはなぜ「業績」と「風通しの良さ」を両立できるのか?

記事をクリップ
URLをコピー
記事を印刷
Xでシェア
Facebookでシェア
はてなブックマークでシェア
LINEでシェア
noteでシェア

飲み会を「愚痴」で終わらせない秘訣

もうひとつ、懇親会支援制度というのもあります。ざっくり言うと飲み会の支援ですね。月1回、部署で行くことを条件に1人5000円出すので、年間一人6万円を社員の人数分出しています。これも、2003年の人事改革のときに導入した制度です。

翌月に持ち越しができないので、毎月みんな飲みに行ってますね(笑)。この制度を活用することで、仕事以外の共通項が増えるのがすごく大きいんです。仕事以外のことを話せる人がいると、「心理的安全性」が高まります。人は安心できてはじめて「挑戦してみよう」と思う。安心と挑戦はセットなんですよ。結果、新規事業を含めた挑戦も増えていくわけです。

北野 職場の人との飲み会は、愚痴や不満が出てきたり、先輩や上司から説教されるから嫌という若い世代もいます。それだとむしろ逆効果になりますが、関係性を良くするために気をつけていることは何かあるんでしょうか?

曽山 サイバーエージェントの根底にあるのは「褒め」の文化なんです。社員ひとりひとりに光を当てたいという考えがあって、表彰も大事にしているので、毎月月末にほぼすべての部署で表彰があります。全社機能(他社における管理部門)も、100人いるうちの毎月7-8人くらいに表彰状を渡しているんです。

職場の飲み会は月末ギリギリにやる部署が多いので、だいたいみんな褒められた後に飲みにいってるんです。そうすると、「おめでとう!」「よかったな」という褒めと飲みがセットになる(笑)。その相乗効果で、チームの結束力が強くなるというのはありますね。

1対1の面談も、マネジャーのキャラクターによって厳しいスタイルと優しいスタイルの違いは多少あるとは思いますが、基本的には褒める前提でやっているので、ネガティブな話題にはなりにくいですね。

成果を測るには、「目標設定」が不可欠

北野 面白いですね。つまり、飲み会の前に「褒めるための材料」を準備していおく、と。ただ、毎月のように表彰していると、慣れてしまってシラケてしまう人も出てくると思うんですが、そうならないために工夫していることはありますか?

曽山 基本的に、どんな部署でも定量的な「成果」でちゃんと評価することですね。そうすれば誰がみても、「この月にあの人は成果を出した」という納得感を持てます。そのために最も重要なのが、目標設定を行うこと。目標がなければ、成果が何かもわかりませんから。

OPENNESS 職場の「空気」が結果を決める
OPENNESS 職場の「空気」が結果を決める
北野唯我 著
<内容紹介>

『転職の思考法』で日本人の働き方に変革を起こした著者、最新刊!著者が戦略担当ディレクターを務めるオープンワークにためられたのべ840万人の現役・OB社員のクチコミから、V字回復した企業、好調を維持する企業に共通の傾向をまとめたところ、共通点が見えてきた。それは、オープネス(OPENNESS、風通しの良さ)。本書では、グローバル企業から日系大手、ベンチャーまで企業の事例を豊富に使いながら、オープネスとは何か、そしてオープネスを使った組織戦略について、わかりやすく解説。「ウチの会社、何かがおかしい?」とモヤモヤを抱える人のための、まったく新しい組織の教科書!

amazonで購入する 紀伊國屋書店で購入する 書店で購入する
この記事に関連する企業

特集

あなたにおすすめ

書籍オンライン

書籍オンライン 記事ランキング

  • 最新
  • 昨日
  • 週間
  • いいね!

愛読者クラブ登録

書籍 週間ランキング

(POSデータ調べ、12/15〜12/21)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /