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西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道カンパニーでは、顧客の声を定量的・定性的に把握し、それをサービス品質の向上や顧客体験改善のPDCAサイクルの中に実装する取り組みを進めている。それを支援しているのが、プレイドのグループ会社エモーションテックである。600社以上の支援実績があり、『実践的カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント』の著者でもあるエモーションテックの今西良光氏が、JR西日本鉄道本部CS戦略部CS推進室長の髙須優子氏と顧客起点経営の実践について語り合う。
CS戦略部発足の背景にあるJR西日本のパーパス
今西 御社は2024年1月の組織改正で、CS戦略部を新設されました。その背景にあるビジョンや戦略を伺えますか。
髙須 コロナ禍で運輸業や旅行業は大きな打撃を受けました。私たちも厳しい経営環境に立ち向かう中で、JR西日本グループの存在意義を見つめ直し、2023年4月にグループパーパスに当たる「私たちの志」を定めました。それが、「人、まち、社会のつながりを進化させ、心を動かす。未来を動かす。」です。
また、同じタイミングで、安全最優先を前提に自主自立、持続的な経営を目指してカンパニー制に移行し、鉄道カンパニーを発足させました。こうした中、「人、まち、社会のつながりを進化」させ「心を動かし、未来を動かす」ためには、"顧客起点"での価値創造をいっそう加速させなくてはなりません。
そこで、鉄道カンパニーにおける企画部門の機能を集約し、顧客起点で施策を推進していく体制とするため、CS戦略部を設置しました。
そのCS戦略部において私が担当するCS推進室の役割は、「私たちの志」を実現していくために、CS(顧客満足)全般の基本戦略の策定、サービスレベルの決定、カンパニー内の各部門が取り組む施策の横串機能などです。また、VoC(お客様の声)を受け止め、CS戦略を効果的に展開していくための広聴機能も担っています。
今西 一般的な意味でいうCSを担当する部署は、製品・サービスに対するお客様からの問い合わせやクレーム対応、VoCに基づく業務改善案の作成などを所管することが多いですが、御社のCS戦略部やCS推進室は顧客起点での経営企画や部門間調整などの機能を担っているということですね。
髙須 その通りです。顧客起点で鉄道サービスの品質向上やよりよい顧客体験を実現していくには、VoCを聞いて目の前の問題に対処するだけでなく、VoCの背景や根本的な原因まで深く考え、サービスや業務のあり方を再構築しなくてはなりません。
そこまで踏み込もうとすると、人員や予算を含めたリソース配分をどうするか、部門間でどう協働するかといったことも決める必要があります。顧客起点経営を目指す覚悟を示し、それを社内外に認知してもらう意味で、経営企画やサービス戦略の要となる部署の名前にあえてCSを入れました。
今西 非常に先進的な組織設計であり、お取り組みだと思います。CSを担当する部門は縁の下の力持ち、あるいはコストセンターと見られがちですが、どんな企業でもお客様がいなければビジネスは成り立ちません。ですから、CSは本来、価値創造の最前線であり、プロフィットセンターであるはずです。
顧客体験価値を高めて事業成長につなげていくには、それに必要なリソースを充てなくてはなりませんし、会社としての意思決定をお客様にフォーカスしなければなりません。御社はまさにそれを実践しようとしていらっしゃるし、VoCを可視化して、データドリブンでPDCAを回す取り組みを進めておられる。顧客起点経営を目指すあらゆる企業のロールモデルになりえるものと感じています。
髙須 いまの取り組みを始めるに当たっては、今西さんの著書が大いに参考になりました。
1993年西日本旅客鉄道入社、1996年鉄道本部技術開発推進部、2012年近畿統括本部吹田総合車両所森ノ宮支所長、2017年鉄道本部CS推進部課長、2021年JR西日本カスタマーリレーションズ代表取締役社長、2023年JR西日本理事鉄道本部CS推進部長、2024年1月より現職。
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