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コーポレート部門に求められた組織能力のアップデート
見島 コーポレート部門はどうあるべきかという議論を、担当役員間で何度も重ねました。その結果、グループCEOのスタッフ機能として、中長期の視点から経営課題を発見し、その解決の主体となっていくべきだと考えました。
それはすなわち、明示的な課題の解決に留まらず、課題そのものの抽出・発見という組織能力を強化しなくてはならないということです。そのためには、地政学リスクやマクロ経済動向などを踏まえて、グループとして機敏なアクションを起こしていくためのインテリジェンス機能や、デジタル・トランスフォーメーションなどの組織能力をアップデートしなければなりません。
YOSHIYUKI MISHIMA
日本たばこ産業(JT)
執行役員 People & Culture担当
それに加えて、People & Culture担当としては、コーポレート部門全体に共通する組織能力の底上げをどう実現していくかという課題にも取り組み始めました。その施策の検討を人事部に指示したところ、複雑化する事象の因果関係を特定する思考力を高めることが、意思決定の確度やスピードの向上につながるのではないかという提案を受け、施策実行のパートナーをSTUDIO ZEROにお願いすることになったわけです。
仁科 御社の担当の方々が私たちのオフィスに立ち寄ってくださり、コーポレート部門の課題などについてざっくばらんにディスカッションしたのが始まりでした。
STUDIO ZEROには自分で起業したり、大きな組織で新事業を立ち上げたりしたメンバーが揃っているので、そうした知見を活かしてお役に立てることは何かを検討し、議論を重ねたうえでつくり上げたのが、コーポレート部門の6部署を対象としたビジネスコーチングのプログラムでした。
各部署からマネジャー職とスタッフ職の2人1組で参加していただき、部署ごとの課題の抽出と解決策の立案に取り組んでもらい、私たちがそれに伴走しました。
見島 私たちがやりたかったのは、OFF-JTの研修ではなく、あくまでOJTでリアルなビジネス課題の特定や解決に取り組むことでした。そして、本人たちの意思を引き出し、根本まで突き詰めて考え抜くプロセスを重視して、STUDIO ZEROに伴走をお願いしました。
プログラムの成果については、上長である担当役員や部長にプレゼンしてもらったのですが、上長や参加者本人から「定量的・定性的な情報を整理・分析して、仮説を組み上げる基礎体力の重要性を感じた」「自分が自信を持って課題だといえる論理を組み立てられたことは、非常に有用だった」といったポジティブな感想を得られました。
一方、当初は想定していなかった気づきもありました。それは、大きなアジェンダに向き合う時ほど、自分の中に「こうしたい」「こうありたい」という確固とした意思があることが重要だということです。グループパーパスのような大きなアジェンダに向き合った時、自分の意思がないと力強く前進するエネルギーが生まれませんし、自分の意思とグループパーパスの複眼で捉えないとみずからが解くべき中長期的な課題が見えてきません。
仁科 私たちは左脳と右脳のサンドイッチ思考を大事にしているのですが、JTの方々は地図上に立てたピン、つまりゴールに最短で確実にたどり着けるロジックを組み立てる能力は非常に優れていると感じました。一方で、多くの組織人がそうであるように、自分はこうしたい、こんな社会になれば面白いといった右脳思考でピンを立てることには、あまり慣れていらっしゃらないようでした。右脳思考に慣れていないと、ピンの置き所が近くになってしまい、遠くにピンを立てることができません。
SO NISHINA
プレイド
STUDIO ZERO 代表
ピンの立て方として私たちが実践しているのが、ベン図を描くことです。つまり、自分が「こうありたい」「こんな社会にしたい」という円と、会社のパーパスやミッションという円を描いて、2つの円が重なる部分にピンを立てるのです。自分の視点だとどうしてもピンの位置が近くなってしまう場合は、上司の視点、経営者の視点で俯瞰してみるとか、自分と会社だけでなく顧客や地域社会、投資家といったステークホルダーの視点から円を加えていくといったように、ベン図のデザインを工夫することで、応用範囲が広がります。
1994年日本たばこ産業(JT)入社。浜松工場にて製造の最前線を経験した後、品質管理、R&D、ブランド、JTインターナショナル(JTI)ジュネーブ出向など幅広い領域を担当。2014年関西工場製造部長、2016年から人事部にて主に人財マネジメントを統括し、2020年人事部長に就任。2022年より現職。
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