-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
鎌田 最初に顧客ニーズを把握するための調査を実施し、定量的な分析も踏まえて事業成果と相関が強いエンゲージメント指標を設定したこともあり、エンゲージメントの向上が事業の成長につながるというコンセンサスを事前に共有できていたため、大きな摩擦はありませんでした。また、マーケティングチームも商品・サービスの取引拡大に関するKPI(重要業績評価指標)を共有しているので、同じ目標に向かって進んでいるという意識を醸成できていた点も大きかったと思います。
さらに、エンゲージメント向上が早い段階で事業によい影響を与え始めていることも大きいと思います。たとえば、エンゲージメント向上策の一つとして取り組んでいる、ワン・トゥ・ワン・コミュニケーションの活性化では、お客様の来店時の相談内容やウェブサイトの閲覧状況などに応じて、参考となるコラムやシミュレーションをご案内したり、投資信託をお取引いただいているお客様に相場変動時にお知らせしたりといったコミュニケーションコンテンツを2年半で2.4倍、約1000種類にまで増やしてきました。その結果、新規契約の増加や解約率の抑制など、目に見える形で事業の成長に着実につながってきています。
また、銀行だけでなく、信託、証券、クレジットカード、資産運用などグループ各社との連携でも成果が出始めています。たとえば、当行の開催するウェビナー(オンラインセミナー)では、グループ会社から講師を招き、資産形成やマネーライフ、相続など幅広いテーマを扱っており、参加申し込みが1万人を超える人気セミナーも出てきています。他のコンテンツに比べて提供できる情報量が豊富なこともあって、視聴者の商品成約率が高く、グループベースでの事業成果にもつながっています。
銀行としての高いセキュリティのハードルをどう乗り越えたか
テクノロジーの進化によって高度なデータ活用が可能となってきた。しかし、そこには常にセキュリティの問題が関わってくる。公共性の高い事業を営む銀行業では、特にセキュアな環境での顧客データの取り扱いが求められる。
鎌田 銀行はお客様の資産状況など守秘性の高いデータを取り扱っていますから、高い情報セキュリティ水準が求められます。デジタルマーケティングを展開するに当たっても、それは揺るぎない前提です。
一方で、ワン・トゥ・ワンのコミュニケーションを行っていくには、リアルタイムにデータを収集し、それを機動的にコミュニケーションに反映させることのできるプラットフォームや、拡張性の高い顧客データ基盤などが必要で、その一つがKARTEです。
私たちは、個人情報の取り扱いに際して、これまでオンプレミス(自社運用)を中心にデータを管理してきましたが、それは一般的なSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)だと私たちの求めるセキュリティ要件を満たせないからです。ただ、オンプレミスだけですと、機動性や拡張性に限界があったことから、プレイドに「私たちのセキュリティ要件に合う環境で、KARTEを使うことはできませんか」と相談しました。
かなり難しい要求であることは承知していましたし、いろいろと議論も重ねましたが、最終的には専用の環境でデータを扱えるよう工夫していただき、私たちのやりたかったことを実現できるようになりました。
金田 プレイドとしては、クライアント企業の皆さんが実現したいCXを共創していくのが目標です。これは、我々ビジネスチームだけでなく、一緒に開発しているプロダクトチームも同様です。ですから、「三菱UFJ銀行のセキュリティ要件を満たすのは無理です」と諦めるのではなく、どうすれば要件をクリアできるのかをプロダクト開発者とかなり議論しました。
結果的に、両社で納得のいくセキュリティ対応と開発の整理がつき、実施していきたいデータ活用の方向性に合わせてKARTEを活用できるようになったのは当社としても喜ばしいことです。セキュリティを日々アップデートしていく必要がある中で、御行とともに高いハードルを乗り越えていけたのは、私たちにとってよい学習機会になりました。
鎌田 こちらこそ、とても助かっています。プレイドは単にツールベンダーという立場ではなく、私たちがクリアしたい事業課題や実現したいビジョンを共有したうえで、踏み込んだ対応をしてくれる伴走者という感覚があります。
金田 クライアント企業に伴走しながらCXを共創していくことにプレイドの提供価値があるというスタンスですので、プロダクトだけ提供して終わりという関係を私たちは望んでいません。
銀行および信託銀行で、「グループ経営」「B2Cビジネス」「デジタル」の3つを軸とした職務を歴任。2021年4月より現職。データ分析、デジタルコミュニケーション設計、コンテンツ制作など個人顧客ビジネスのマーケティング施策全般を担当。
-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷