FGFR2遺伝子(一部FGFR3遺伝子)の変異により先天的な頭蓋骨や顔面骨(基本的に下顎を除く)の縫合が早期に癒合するために形成異常がおこり、その結果脳の発達が妨げられたり、眼球が突出したり、呼吸が障害されたりします。
日本での正確な数値は明らかではありませんが、欧米では約6万人に1人と報告されています。神奈川県立こども医療センターの受診者数と合わせて考えると、日本での年間発症数は20~30人と予想されます。
頭蓋骨癒合を特徴とする人たちの中に見られます。
原因遺伝子はFGFR2(時にFGFR3)で、遺伝子の変異が原因です。親が罹患者の場合にはその遺伝子の変異を受け継ぐことで発症します。しかし、病態のメカニズムはほとんど解明されていません。現在、遺伝学的検査は保険収載されています。遺伝学的検査を受ける際には、医療機関受診と遺伝カウンセリングが必要です。
親が罹患者の場合にはその遺伝子の変異を受け継ぐことで発症します。親は正常で突然変異のこともあります。親が罹患者の場合、50%の確率で児が発症します。
頭蓋骨が小さいために頭痛や嘔吐・吐き気などの頭蓋内圧 亢進 症状が起こります。水頭症や小脳扁桃下垂を生じることもあります。また、顔面骨が小さいことにより眼球が目立ったり、呼吸がしにくくなったり、噛み合わせが不良になります。
頭蓋や顔面骨を広げる手術を行います。近年では、広げたい骨の所に延長装置を取り付けて毎日少しずつ伸ばしていく骨延長法を行うことが多くなっています。
症状の程度にもよりますが、適切な時期に手術を受けることで 予後 は比較的良好です。しかし、成人までに複数回の手術を要します。
頭蓋内圧亢進症状による頭痛や嘔吐・吐き気、気道感染時の呼吸状態や、睡眠時の無呼吸に注意を払う必要があります。
該当する病名はありません。
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研究班名 | 患者との双方向的協調に基づく先天異常症候群の自然歴の収集とrecontact可能なシステムの構築班 研究班名簿 |
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情報更新日 | 令和5年1月(名簿更新:令和7年6月) |