精神運動発達の遅れや筋緊張低下、てんかんなどの神経症状に加え、特徴的な顔立ちや、 先天性 心疾患などの合併症を示す染色体異常症候群の1つです。
海外では1万人に1人程度と報告されていますが、日本における調査では2万5千人から4万人に1人の頻度と考えられ、年間10~20人程度の患者さんの出生があると推測されます。
人種差や生活習慣とは無関係です。男の子より女の子の方が多く、男の子が3割、女の子が7割の比率で認められます。
1番染色体短腕の末端(1p36;いちぴーさんろく)領域の欠失が原因です。
ほとんどの患者さんは突然 変異 で生じた染色体異常が原因です。ただ、不均衡型転座による1p36欠失を示す患者さんの一部は、均衡型転座 保因者 である親から受け継いでいます。
精神運動発達遅滞はほとんどの患者さんで認められますが、ごく軽度な場合から、重度の場合まで様々です。てんかんや先天性心疾患、甲状腺機能障害、肥満、耳鼻科疾患、口腔外科疾患などは合併する場合もしない場合もあります。
根本的な治療法はありません。各症状に対して一般的な対症療法を行います。
精神運動発達は遅れながらも伸びていきます。構音障害を示しながらも会話が可能になる場合もあれば、自力歩行ができない場合もあり、経過は様々です。染色体欠失の大きさや、合併症の程度にも影響されます。特に精神発達の 予後 はてんかん発作の予後と関係します。
自力歩行ができ、日常生活も比較的自立している患者さんの場合、過食から肥満になることがあるので注意が必要です。
該当する病名はありません。
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研究班名 | 患者との双方向的協調に基づく先天異常症候群の自然歴の収集とrecontact可能なシステムの構築班 研究班名簿 |
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情報更新日 | 令和5年1月(名簿更新:令和7年6月) |