周産母子成育医療センターの周産母子部門として、合併症のある母体・胎児の外来紹介や重篤な救急疾患症例の搬送を受入れています。当センターの特徴は、高度な技術を有する大学病院内の各部門と連携して診療に当たっていることです。また、産科麻酔を専門とする麻酔科医が分娩エリアに常駐して安全性の高い無痛分娩を提供しています。合併症のある妊婦さんはもちろんのこと、合併症のない妊婦さんも大歓迎です。
周産母子部門(産科・MFICU)は、合併症のある妊婦さんや病気の見つかった胎児、産後に具合の悪くなった褥婦さんを受入れる病棟です。急性期や重症度の高い場合はMFICU(9床)に入院していただき、病状が安定したら産科病棟に移ります。ローリスクの産婦さんは入院時から産科病棟で過ごします。
当施設は神奈川県周産期救急医療システムの基幹病院(県央・北相地区)でもあり、年間約100件の産科救急疾患症例の搬送を受入れています。特に産後の出血例には放射線科医による経動脈的塞栓術が24時間対応可能であり多くの症例は子宮を摘出することなく止血できています。
胎児の疾患は小児成育部部門(小児科・小児外科・小児心臓血管外科・小児系診療部門)と連携して小児期への連続した診療を行っています。胎児期に日本超音波医学会専門医によって胎児疾患を診断し、関連する科と症例検討を行って分娩時期や分娩方法、出生後の児の治療を決定する流れです。
当科は1970年代に全国に先駆けて無痛分娩を導入して以来、多数の無痛分娩を取り扱っています。合併症のある妊婦さんには医学的な理由で無痛分娩を行っていますが、合併症のない妊婦さんでも無痛分娩のメリット・デメリットを理解していただいた上で、自然分娩か無痛分娩かを選択していただけます。産科麻酔部門が併設され熟練した麻酔科医による無痛分娩が提供できるのも特徴で、年間300〜370件の無痛分娩を行っています。現在は分娩制限を撤廃し希望のある方を受け入れ、リスクの少ない妊婦さんに対しては夫立会い分娩を行っています。
胎児頻脈性不整脈に対する治療
2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | |
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入院患者延数 | 11,807 | 11,626 | 10,683 | 9,961 | 9,352 |
外来患者延数 | 11,167 | 11,442 | 11,126 | 11,800 | 10,625 |
分娩数(児) | 855 | 909 | 900 | 958 | 919 |
双胎(組) | 50 | 57 | 60 | 59 | 59 |
品胎(組) | 1 | 1 | 2 | 3 | 2 |
帝王切開術(母体) | 376 | 429 | 402 | 343 | 374 |
無痛分娩 | 298 | 310 | 347 | 360 | 354 |
吸引分娩 | 160 | 170 | 190 | 227 | 216 |
鉗子分娩 | 43 | 33 | 32 | 36 | 36 |
30週未満早産 | 24 | 21 | 33 | 40 | 37 |
極低出生体重児(< 1500g) | 17 | 42 | 45 | 55 | 57 |
超低出生体重児(< 1000g) | 16 | 23 | 23 | 34 | 32 |
胎児形態異常 | 67 | 60 | 60 | 50 | 62 |
母体産科合併症 | 662 | 591 | 541 | 566 | 630 |
前置胎盤 | 26 | 21 | 22 | 25 | 25 |
妊娠高血圧症候群 | 83 | 67 | 47 | 60 | 80 |
羊水染色体検査 | 12 | 18 | 23 | 35 | 40 |
NIPT | 64 | 36 | 41 | 33 | 35 |
母体搬送受入れ | 106 | 80 | 98 | 110 | 104 |
当院は特定機能病院の承認医療機関です。受診には診療所・病院からの紹介による受診を原則としております。当院の受診を希望される場合は原則として、他の医療機関(かかりつけ医)からの紹介状が必要となります。
紹介状をお持ちでない初診の場合は、医療費とは別に初診時保険外併用療養費(自費)として9,900円(税込)をご負担いただきますのでご了承ください。
詳細につきましては「診療を受けられる皆様へ」をご覧ください。
また、当院を初めて受診する方は「初めて受診する方(初診の方)へ」をご参照ください。
他科に通院中で当科のご受診をご希望の方、お久しぶりの受診をご希望の方は「通院中・再診の方へ」をご参照ください。
紹介状をお持ちの方は、あらかじめ紹介元の医療機関から当院にお電話いただき、事前予約をお取りください。
紹介状をお持ちでない場合、当院の診察券カードを既にお持ちの方であれば、電話予約センターにて受診予約をお取りいただけます。
毎週月曜日午前
当院では、胎児発育の問題(胎児発育不全)や胎児の形態異常が疑われる妊婦さんの周産期管理を目的とした「胎児外来」を設置しております。小児科や小児外科などお子さんの病気の診断や治療に携わる診療科と連携し、精度の高い胎児診断や管理を心掛けております。
「胎児外来」は原則として健診をうけていらっしゃる医療機関の産婦人科医師からの紹介制としております。ご自身が胎児外来の受診を希望される場合もかかりつけ医師から紹介状を受け取り、トータルサポートセンター地域連携室を通じて診療予約をおとりください。なお、「胎児診断」という診療の特殊性を考え、お急ぎの場合は予約なしでの初診も受け付けております。ただし、その際にもかかりつけ医師から紹介状をご持参ください。また、状況によっては一般の産科初診外来においても拝見させていただきます。なお、お子さんの病状などにより診療が長時間となることもございますのでご了承ください。
妊娠22週以降で緊急性の高いケースは周産期救急システムに則りご連絡ください。
産科外来において、病診連携枠を設定し、紹介患者さんを事前に予約することにより診察待ち時間を短縮させ、患者さんへのサービスと円滑な病診連携を目指すものです。 地域の先生方から当院の担当者に直接電話でご依頼をいただき、予約時間を設定させていただきます。
2025年4月1日予約分より、リスクの有無に関わらず、ご予約をお取りいたします。詳細は下記トータルサポートセンターまでお問合せください。
当院での妊婦健診を希望される方(ハイリスク妊娠の他、ローリスク妊婦も対象となります)
トータルサポートセンター 地域連携室
電話番号:042-778-9988(医療機関専用) ファックス番号:042-778-8235