ここでは水道における浄水技術に関する情報を収集します。「浄水」とは原料である「原水」を水道用に使用できるような水質に加工するプロセスです。普通,何かを洗う時には水や溶媒を使用するはず。「水を洗う」ために水道屋さんがどんなことをやっているか考えてもらうため,treatment ではなく purification にしてみました。
水道における浄水処理は,固液分離プロセス+個別処理プロセス+消毒プロセス,の3つのプロセスを組み合わせて行われます。また,これとあわせて,施設が故障することを防ぐための保安プロセス,水から分離された固形物を汚泥等として処理する汚泥処理プロセスが組み合わされます。各種の浄水に関する情報を分類するため,主要な浄水処理方法を整理します。
【参考】
保安プロセスとは,原水とともに入り込む異物の侵入を防止したり,原水の異常をキャッチしたりして,その後の浄水システムが安全に運用できるためのプロセスを括った呼称です。(一般的ではないかもしれませんが)
取水施設として扱われることが多いのですが,着水井までがこの範疇に入るものと考えましたので,ここでも取り扱います。(取水へいくかも...)
【備考】
固液分離とは,水道原水における異物のうち,水に混じらない異物(懸濁質)の除去を行う方法の総称です。流水の場合,懸濁質の除去によって,細菌類や溶解性分の一部がともに除去されます。原理的には,大きく分けて以下のような方法があります。
固液分離を行うためのプロセスには,主として以下の3種類のシステムがあります。原水の濁度(懸濁質の多さ)によって,無処理(消毒のみ),緩速ろ過,急速ろ過と使い分けるのが一般的ですが,原水が清浄な場合は固液分離プロセスを省略する場合があります。
また,各プロセスは,それを構成する施設で構成されています。その組み合わせの概要を以下に示します。
※(注記)凝集沈殿は急速ろ過以外のプロセスでも適用される場合がありますが,この場合はあくまでも補助的なものとして使用されます。
各プロセスのうち,単位施設について以下にまとめます。
【備考】
原水の水質のうち,固液分離で対応できないものについて対応するプロセスをまとめます。問題となる水質項目に従ってさまざまな選択肢がありますが,水道でいう「高度処理」プロセスがその代表といえます。高度処理一般論について以下にまとめました。
ただ,組み合わせの検討が難しく,プロでも迷うことが多いのが特徴です。個別のプロセスについては以下にまとめました。実証実験を導入することができればいいのですが...
【備考】
高度処理に関する情報は,浄水技術ガイドラインに詳しいです。また,水道水質ハンドブックなどでもその概要を取り上げています。これらの書籍は是非参考にしてください。
水系伝染病を防止するため病原性をなくするプロセスです。さまざまに優れた点があるため,日本においては塩素消毒が法的に義務付けられていますが,その他の消毒法も研究されています。
各消毒法については以下を参考してください。
【備考】
沈殿池の沈殿汚泥,ろ過池の洗浄水など,不純物の濃度の高い水をさらに処理し,「固形物を取り出す」ことを目的とするプロセスです。
【備考】
水道としての浄水処理では採用されていない処理も市井では使用されているようですので,場所を作ってみました。今後どうなるか...
【備考】