ここでは水道の計画に役にたつ一般情報と,計画策定に関するノウハウ,個別項目の決定方法について掲載します。
【参考】
水道の歴史,現状,課題などは,「計画の分類」の内部項目にまとめました。
計画・設計手法は目的によっていくつかに分類できます。ここでは,計画の種類ごとにその手順を取りまとめます。
1)調査・研究・開発段階
研究段階に分類されるのは,歴史や現状認識,新しい制度や法律,技術,アイデアなどを適用するための研究開発で,実験研究,基礎調査,技術開発などに分類できます。
2)経営計画段階
水道の基本計画のあり方は時代の変化とともに変わりつつあります。普及促進を命題とした時代はすでに昔のものとなり,これからの水道事業は,経営の継続(ゴーイングコンサーン時を第一の命題としなければならない時代に入ってきております。
実のところ,まだこのことは十分に認識されていないように思われます。そこで,ここで経営計画の手順について示すこととします。
3)計画段階
経営計画計画段階では,水道事業全体のグランドデザインや配置,長期的展望などの方向付けや大枠を設定する作業を行います。ここでの検討によって,水道事業の将来展望を描きます。
ところで,水道の基本計画のあり方は時代の変化とともに変わりつつあります。
計画設定の手順については以下を参照してください。
4)設計段階
設計段階で大枠で決まった事業計画の実現にむけて,特に水道施設の設計を行う段階です。
設計の手順については以下を参照してください。
5)施工段階
実際に工事をするにあたっての手順など予算確保や実施設計を行うための仕様の決定作業もあります。
【備考】
とりまとめかた工夫せんと...
水道における計画の策定について,手順を追ってその方法を示します。先に示したように,水道の計画には大きく4種類があることは先に示したとおりですが,レベルの差こそあれ,以下の手順はどのような計画でも踏まなければなりません。
1)基礎調査
業務を開始するまえに,計画の背景を確認しましょう。事業,水源,施設,財源などの概要もつかんでおく必要があります。認可申請では,既認可を参考にすれば,計画根拠資料を収集することは比較的容易です。ただ,推計資料のほか,水源,施設,条例など,収集の範囲は広くなります。
2)資料収集
資料の吟味が終われば計画は八割方完成したも同然。それくらい資料収集は重要で,かつ困難なものです。資料収集には,一見して見えにくい苦悩と,経験によってしか得られないコツがあります。
3)事業計画
事業計画とは,狭義では,需要者や需要水量の推計作業を指します。需要の見通しは,その後の事業全てを規定する,もっとも重要な作業といえます。基本計画であれば比較的自由度がありますが,認可申請の場合はあまりユニークな計画では審査者の理解を得られない場合が多いので,定型を利用することになります。
4)水源計画
需要を満たす水源を確保できるかどうか。水源の手当てができないのであれば,最悪の場合,給水区域の縮小が必要になります。なお,浄水場の計画は水源計画と密接に関係するので,いっしょに検討しておくほうがいいでしょう。
5)施設計画
需要と水源が確定できれば,これを結ぶ水道施設を計画することが可能になります。基本計画では,施設の能力や配置などについて検討します。認可の場合は既存施設の概要を整理し,申請書にまとめる必要があります。また,基本計画ではほぼ必要ない構造計算が必要になります。用地も確定してないのに構造計算書を要求するのは変なんですがねぇ。
6)財政計画
事業計画と施設計画により,財政計画を策定できるようになります。財政的に成立しないようであれば,給水区域の再設定や,水源の見直しを行わなければなりません。事業体側の既存料金体系との関連から,財政担当部局が担当する場合がありますので,作業開始前に確認が必要です。
【備考】
ここには,実施設計に関係するデータを個別に示します。施設毎の仕様は各々の施設ごとにまとめましたので,一般的な情報についてまとめると同時に,施設ごとのページにジャンプできるようにしてみました。
1)概略設計−実施基本設計
構造物の基本的な仕様を決定する手順に関するもの。この段階では構造の全体的な姿を決めて行きます。
2)実施設計
実際に構造物の仕様を決めていく手順です。構造物ごとに,他のカテゴリーにおいてあります。
3)詳細設計
構造物全体について決まったあと,さらに細かく付帯設備などについて詳細設計を行います。チェックポイントを工事種別の区分で整理しました。
【備考】
2001年08月16日 分離。