2019年10月11日 (金)
淀川キリスト教病院/雅楽訪問コンサート
10月3日(木)には
淀川キリスト教病院を訪問しました!
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2019年10月3日(木)
雅楽訪問コンサート
淀川キリスト教病院
<訪問した演奏家>
石川高(笙)
中村仁美(篳篥)
八木千暁(龍笛)
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↓演奏者の八木千暁さんより、
文章を寄せていただきました。↓
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淀川キリスト教病院
大阪市にある淀川キリスト教病院を訪問しました。
コンサートは院内のチャペルでした。チャペルの天井は高く、壁面にあるパイプオルガンのパイプは、笙(しょう)の竹管のようにきれいに並んでいます。日本の伝統音楽の雅楽も、神聖な場所で仲よく響きそうです。Dsc_2498 Dsc_2506
まず「春鶯囀」(しゅんのうでん)の「遊声」(ゆうせい)を演奏しました。遊声はフリーリズムの小曲、その響きは鶯のさえずりを模したと言われています。
次に雅楽の管楽器を演奏する基礎、唱歌(しょうが)を体験していただきました。篳篥(ひちりき)の唱歌のポイントは、塩梅(えんばい)をしっかり習得し、それをトレースして演奏することです。唱歌を体験していただいた後に、「越殿楽」を演奏しました。Dsc_2497 Dsc_2496
越殿楽は現在、最も知られる雅楽曲で、管絃楽のみで演奏されます。龍笛(りゅうてき)のソロからはじまり合奏になりますが、唱歌を歌っていただいたので楽曲が親しみやすくなったのではないでしょうか。※(注記)管絃楽:管楽器と箏、琵琶、打楽器による合奏
雅楽の中には、舞楽(ぶがく)や歌物(うたいもの)もあります。
平安貴族もたしなまれた歌物、朗詠(ろうえい)の「嘉辰」(かしん)を演奏しました。
「嘉辰令月 歓無極 萬歳千秋 楽未央」
今日の良き日、喜びは極まりなく、楽しみは尽きることはありませんようにと願い、斉唱しました。
最後に奈良時代、林邑(りんゆう)の僧、仏哲(ぶってつ)により日本に伝えられたという「陪臚」(ばいろ)を演奏しました。
院内のロビーや病室へも訪問し、多くの方に雅楽をお聞きいただきました。Dsc_2536
音楽の響きは時代、国境、宗教を越え、私たちに多くの喜びや楽しみをもたらしてくれます。
お聞きいただきました皆様の平安を心よりお祈りいたします。