ミステリ酒場:非英語圏ミステリ世界一周#1
「翻訳家・酒寄進一に聞くドイツ・ミステリーの魅力とは?」
〜あなたの知らないミステリーの世界 ミステリ酒場スペシャル〜
現在日本で翻訳されているミステリー作品の大半が英語圏のものです。アメリカ、イギリスこそがミステリーの本場。そういう認識をもっている人も少なくな いでしょう。先日、アメリカの評論家オットー・ペンズラーがインタビューに答え、「民主主義政権が磐石で、警察組織によって治安が安定していたこと」「書 籍が比較的低価格で、大衆層に安定的に普及していたこと」などを英語圏ミステリー隆盛の理由として挙げているのも見ました。はあ、なるほど。一見もっとも らしい説ですが、世界のミステリー事情についてよく知らないとうかつには頷けないですね。英米以外の国にも、もしかしたら夢のように素晴らしいミステリー 創作者がたくさんいるのではないかしらん。
そんなわけでBiri-Biri酒場では、英語圏以外の国に焦点を当て、世界のミステリーについてよく知るためのイベントを連続してやっていきたいと 思っています。まずはドイツから。ご存じのとおりドイツには第3帝国時代という暗い歴史があります。その過去を払拭するため、一時はナチスを題材とした小 説の執筆自体がタブー視されたこともあったほどです。映画化もされた『朗読者』の作者ベルンハルト・シュリンクなどは、そのタブーを破ることで新しいドイ ツ文学の創造に挑戦した作家の1人です。そうした運動、新しい波は、おもしろい小説、おもしろいミステリーを生み出す原動力にもなりえているのではないで しょうか。
数年前に話題を読んだ『深海のYrr』の作者フランク・シェッツィング、本屋大賞の翻訳小説部門を受賞した『犯罪』のフェルディナント・フォン・シー ラッハなど、近年はドイツ発のミステリーがヒットを飛ばすことも多くなってきました。現代のドイツ・ミステリーはどうなっているのか。いまやドイツ・ミス テリーの翻訳紹介では第1人者となった酒寄進一さんに最新の事情をお聞きします。どうぞお楽しみに。(杉江松恋)
追記:
『テレビでドイツ語』でおなじみのマライ・メントラインさんが、ダブルゲストでいらしていただけることになりました! マライさんのドイツ語圏ミステリーに関する連載エッセイはこちらで読むことができます。
[出演者紹介]
酒寄進一 (和光大学表現学部教授。主な訳書にフェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』『罪悪』、ネレ・ノイハウス『深い疵』など。)
マライ・メントライン (シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州キール出身。NHK教育 『テレビでドイツ語』 出演。早川書房『ミステリマガジン』誌で「洋書案内」などコラム、エッセイを執筆。最初から日本語で書く、翻訳の手間がかからないお得な存在。しかし、い かにも日本語は話せなさそうな外見のため、お店では英語メニューが出されてしまうという宿命に。まあ、それもなかなかオツなものですが。)
[聞き手] 杉江松恋(書評家・ライター)
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
■しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
ミステリ酒場スペシャル
ローレンス・ブロック酒場三連発 PART3
来日熱烈歓迎、TOKYOファンミーティング!
マット・スカダー・シリーズの新作『償いの報酬』(二見文庫)の刊行に合わせての来日ですが、本来はプライベートの旅行だったということで、初の東京観光もなさるとか。その模様もちょっと報告してもらいます。
イベントとしては2つのお楽しみを考えています。
その1。「クイズ大会」
主に邦訳作品を中心に、ブロックさんにまつわるもろもろの事柄を出題します。正解数上位者には、ここでしか手に入らないグッズをプレゼント予定ですよ。
その2。「質問大会」
ブロック酒場Part1、2で集まった質問を直接ご本人にお聞きしてみましょう。もちろん今からの新規の質問も可です。質問をしたい方はnewbookjapan★gmail.comまでどうぞ。
以下は、参加にあたっての注意事項です。
1)サイン
新刊に限らず、どの本でも可です(ただし1冊まで)。10月13日までにサインを希望する方は予約をし、上記のアドレスに「サイン希望」の連絡をしてください。ブロックさんの予定がタイトのため、前日までにご本を預かり、事前にサインをしていただく可能性があります。その場合の連絡は、いただいたアドレスにいたします。
当日時間に余裕があれば飛び込みでサインを受け付けることもできますが、その場合も人数制限をさせていただく可能性はあります。あらかじめご了承ください。
2)ボランティアスタッフの募集
サインの補助、ブロックさんのアテンドなど、当日はスタッフが必要になります。お手伝いをしてもいいという方は、ぜひお申し出ください。ささやかなお礼ですが、ドリンク代はサービスさせていただきます。
東京メトロ銀座線 神田駅 4番出口より徒歩5分
東京メトロ丸の内線 淡路町駅 A2・A4番出口より徒歩5分
東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅 B6番出口より徒歩6分、A4番出口より徒歩5分
都営地下鉄新宿線 小川町駅 B6番出口より徒歩6分、A4番出口より徒歩5分
ライター人生百人百様#3
今柊二「知らない町を歩いてみたい。どこか定食屋に入りたい」
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
■しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
限界研「ミステリの批評がこんなに楽しいわけがない!」
「限界研」(旧・限界小説研究会)は、80年前後生まれの文芸評論家を中心とした現代社会/文化をめぐる研究活動を行う会です。この研究会では主に現代思 想や文芸批評、社会学などを中心とした読書会を月に一回、都内の某所にて開き、かつオタク系文化評論(サブカルチャー評論)や情報社会論などに関した批評 活動を行っています。その活動の結果として、研究会名義で『探偵小説のクリティカル・ターン』『社会は存在しない』などの共著本を刊行しています。(文 責:蔓葉信博)
今から25年前、後に〈新本格ミステリ〉ムーブメントの嚆矢とされることになる里程標的作品、綾辻行人『十角館の殺人』が刊行されました。ミステリーを 巡る批評が〈新本格〉以前と以降で大きく様変わりしたことは間違いありません。小説の評論が同時代批評の側に大きく傾いた形で語られるようになったのは、 1990年以降の大きな特徴の一つでもあります。そうした立場を取る論者にとっては、ミステリーとは時代精神のもっとも明瞭な鏡なのでした。 『21世紀探偵小説論』も、そうした「外」への接続を重んじる論者たちによる評論集であると私は考えました。1987年に端を発した新本格ムーブメントの 「その後」に備えようという予測に加えて、ムーブメントの中で顕在化してきた動きを「論理の崩壊」という概念で解釈する試みが行われています。また「序 論」の執筆者である飯田一史は、それらが「外部環境の変質」と密接に関わっているという立場を表明しています。「外」と「内」の連関を動的に把握しきるこ とができるか、というのが本書を読むにあたっての杉江の最大の関心事でした。さて、首尾はいかに。 もろもろ書き連ねましたが、タイトルにもあるとおり、聴いて楽しめるイベントにしてなると思います。今回は限界研からの持ち込み企画ですので、会員の飯 田一史、海老原豊、岡和田晃、蔓葉信博、藤田直哉、渡邉大輔(敬称略)のうち3名が登壇します。トーク中には「限界研が選ぶ2012年のミステリベスト 3」も発表される予定。ミステリー評論に関心がある方はぜひ会場に足を運んでみてください。(杉江松恋)
大森望のSF招待席#3
“日本SFの夏”が来た!〜『屍者の帝国』&新ハヤカワSFコンテストができるまで
「日本SFは2000年を境に“冬の時代”の長いトンネルを抜け、いまやうららかな春を(もしくは、さわやかな初夏を)迎えている。(大森望『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成[S]』序文より 2010・10)」
1990年代後半の「日本SF冬の時代」論争から十余年。地道な復活の道のりを重ね、冲方丁・伊藤計劃らが読書界全体へ大ブレイク。そして今年は円城塔の芥川賞受賞、宮内悠介の直木賞候補と慶事も相次ぎ、ジャンル全体が豊穣なエネルギーに満たされてきた実感がある。いよいよ「SF夏の時代」が現実となりつつあるのだ。
梅雨明け宣言にあたるのは、新・ハヤカワSFコンテストの開始と、そしてこの夏最大の話題作・伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』の刊行といっていいだろう。
今回の「SF招待席」は、この象徴的な2つの“事件”を支えた、日本SF復活のキーマンである二人の編集者、早川書房編集部・塩澤快浩氏と、河出書房新社・伊藤靖氏の2人をゲストに迎え、新SFコンテストの舞台裏と 『屍者の帝国』が出来るまでを赤裸々に語っていただこうと思う。
――塩澤氏はハヤカワSFシリーズJコレクション、ハヤカワ文庫JA「リアル・フィクション」 を企画、伊藤氏も河出文庫《20世紀SF》や《NOVA》シリーズ担当と、「SFの春」を呼びよせる上で大きな役割を果たした叢書の編集者でもある。彼らがなぜ冬の時代に屈することなく、“夏への扉”の存在を信じ続けることができたのかを、是非聞いてみたい。
河出書房新社:『屍者の帝国』特設ページ
ハヤカワ・オンライン:第一回ハヤカワSFコンテスト募集のお知らせ
[画像:SF83R839383e83X83g]
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
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ライター人生百人百様#2
「兼業古本屋のできるまで。とみさわさん、何やってるんすか」
古本屋の店長だ。
しかも場所は神保町! さらに言えば駅近! もっと言えば地下鉄神保町駅を出て一分後には着いてしまう(うち半分くらいは階段を上る時間)激近である。
ライターの中には当然ながら本をはじめとする紙の印刷物を好む人が多い。だから古本屋を始めてしまった人も何人か知っていた。でも、古本マニアの聖地である神保町で開業した人は、身近な中では初めてだ。わかっていることは専業ではなく、店舗はとみさわさんの事務所も兼ねているということだけである。いったいどうして? 勝算はあるの? その本屋ではいったい何を売るの? というか今度行くよ!
というわけで10月末に開業する「とみさわ昭仁の古本屋(※(注記)店名は「マニタ書房」に決定)」について根堀り葉堀り聞いてみることにしました。古本屋のおやじに憧れを持っている人、将来やってみたいと思っている人、集まれ。とみさわ昭仁版・古本屋入門です。
とみさわ 昭仁(とみさわ あきひと)
1961年東京都墨田区生。蒐集原人を自称。食人をテーマにした映画グッズをはじめ、80年代の歌謡曲や覆面歌手のレコード、トレーディングカードなどのコレクター。 ゲームシナリオ等の他、ゲーム攻略本や自身のコレクションに関する記事・書籍を多数執筆。
テクニカルイラストレーターとして会社勤務の傍ら、歌謡曲同人誌『よい子の歌謡曲』に投稿、のちにスタッフとして加入する。邦楽廃盤レコード雑誌『季刊リメンバー』高護、『東京おとなクラブ』遠藤愉、中森明夫ら歌謡系ミニコミ誌の人脈を得て、アイドル記事のフリーライターとして活躍。『スコラ』誌のゲーム記事を担当したのがきっかけでゲーム関連の記事執筆を開始。月刊アスキー編集長に転じた 遠藤愉の紹介で『ファミコン通信』のコーナー記事「ファミコン出前一丁」を担当。1991年夏『ポケットモンスター』の製作者・田尻智が代表を務める「ゲームフリーク」に参加、出版部主任を務めた。2009年にゲームフリークを退社し、再びフリーに。2012年10月末、神保町に特殊古書店「マニタ書房」を開店予定。
とみさわ昭仁公式サイト「akihito tomisawa index 」
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
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山本弘のSF&トンデモNight #14
「オカルト番組の嘘を暴く!Part2」
山本弘が興味を持つ様々なジャンルからワンテーマを選んで喋り倒すという、月一のレギュラートーク企画。
今月は去年の9月に やって好評を博した「オカルト番組の嘘を暴く!」の第2弾。『FBI超能力捜査官』の透視はどこまで当たっていたのか? テレビで紹介されるUFO映像の真偽は? 心霊写真の正体は? オカルト番組の様々な嘘を具体的かつ徹底的に検証します。
大阪市中央区千日前2-3-9 『レジャービル味園』2F
南海なんば駅より南海通り東へ180m
駐車場有
最初の1時間:200円(AM10:00〜AM0:00)
以降30分毎:200円
※(注記)AM0:00〜AM10:00の間は1時間毎に100円となります。
中島麻美&安田純平&常岡浩介「なぜライターは取材し続けると貧乏になるのか?〜海外・戦場取材編」
先月、中島麻美は、鈴木智彦・畠山理仁とのトリオ(自称「ライター界のドリカム」)でLive Wireに初登場。三人の共通課題である、東北大震災の被災地取材の最大の難点
「なぜライターは取材し続けると貧乏になるのか?」
という根源的な問いを投げかけた…わけだが。
各人の福島第一原発の取材報告や映像、そして原発労務者派遣業社長の生々しい証言という、あまりに“美味しい”素材が並んだ結果、タイトルに掲げた問いはうっかり着地することを忘れ、一同の頭上をスルーしていく結果となった。
無論彼らの取材成果を見れば、大手メディアが伝える表層的な情報は如何にマイルドで、牙を抜かれた腑抜けな情報であるかは一目瞭然。ならば、彼らが困窮するのもおのずと頷ける話ではある。彼らの取材してきた素材はディープすぎ、大政翼賛的な現在の宦官メディアには、陽の目を見る場所がない。ーー要するに「売れない」のだ。
この構図は、決して被災地取材だけのものではない。
むしろさらに重篤な状況に置かれているのは、海外の戦地を巡るフリー記者、いわゆる“戦場記者”たちであろう。
今日も戦地では人が死に、自由を蹂躙され、大国のエゴやグローバリズムのゴリ押しが断行されている。しかし、この国の近視眼的な報道メディアと読者は、特に報道管制や情報統制が行われているわけでもないのに、“海の向こうに戦争がある”事実をやり過ごそうとする。否応なく連結された今の世界においては、“対岸の火事”がいつ我々の日常を暗転させるかもわからないというのに、だ。
売れない写真、書けるアテのない取材と半ば覚悟しながら、“戦場記者”は自腹で戦地に赴く。書く仕事で得たばかりではない小金、気の遠くなるような時給数百円の積み重ねを、バカ高い燃油サーチャージ代に置き換えて、イラクへ、アフガンへ、東ティモールへ、ソマリアへ、コンゴへ。神風特攻隊の如き彼らの蛮勇を受け止める、国際紛争地域は星の数だ。
「なぜライターは取材し続けると貧乏になるのか?」
というテーゼを馬鹿正直に問うことは、実は全く無駄なことなのかもしれない。
スイカ頭の我らが同胞は、劣化ウラン弾によって量産されたコソボの白血病の赤ん坊たちより、福島産の米が中国製のインチキ計測器を揺らす、毛虫ベクレルの数値が遥かに気になるという。そして、メディアはアイドル風情の人気投票に一喜一憂するばかりで、スーダンの大量虐殺に投入された中国製の武器の不気味な意図になど、一行も費やす気がない。
それでも彼らは出かけていく。
書く媒体のアテは皆無、取材費はすべて自前、命の保証ゼロ。
何人も、見るべき事実があると信じた人間を止めることはできない。彼らは“その瞬間”を見定めるのは自分でなければならないという、半ば強迫神経症にも似た衝動に突き動かされている。
“きょうじん”という言葉に、どういう漢字を当てるにせよ、彼らはそういう人間だ。
極限の死地を漂い、稀有な体験をし、見たものを人に伝えずには居られない。
今回も題名通りの予定調和なトークは、決して期待できないだろう。
しかし“きょうじん”な彼らが、命を的にその目で見てきた光景を、人々の言葉を、そして自身の心の震えを直に聞く、この一夜の体験は、一生戦地に立つことなどないであろう僕等に、別種の修羅場を垣間見させてくれるはずだ。
“憑かれた人生”と言う名の戦場を。
安田純平(やすだ じゅんぺい)
1974年埼玉県生。フリージャーナリスト。一橋大学社会学部卒。1977年信濃毎日新聞入社。2002年3月、休暇を取り個人でアフガニスタン取材。4月文化部に異動。12月再度休暇を取り、イラク取材。2003年1月退社。フリーに転身。2月からイラクに滞在、この間イラク軍やイラク警察に数度拘束される。2004年4月14日ファルージャ近郊で武装勢力に拘束されたが17日解放。この経緯が日本国内で大きく報道され、バッシングを受ける。『囚われのイラク:混迷の「戦後復興」』(現代人文社)『誰が私を「人質」にしたのか―イラク戦争の現場とメディアの虚構』(PHP研究所)を出版。2005年1月スマトラ沖地震で被災したアチェを取材。内戦状態で取材が困難となったイラクに入国して取材するため、2007年、イラク軍関連施設で料理人として働きながら、基地建設現場や民間軍事会社事務所など取材。2010年『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』(集英社新書)を出版。
電子版安田純平:http://jumpei.net
Twitterアカウント:@YASUDAjumpei
ガジェット通信:http://getnews.jp/archives/author/jumpei
常岡浩介(つねおかこうすけ)
1969年、長崎生。早稲田大学在学中にアルジェリア、リビアなどを旅し、日本に伝えられている状況と現地の状況のギャップを知り、ジャーナリストを志す。1994年長崎放送に報道部記者として入社。1998年退社し、フリーに。2000年イスラム教に改宗(改宗後の名前はシャミル)。2001年6月チェチェン共和国取材中に行方不明と報道される。「日本国籍のチェチェン国際テロリスト」と報道され、2004年ロシア秘密警察に身柄を拘束され、強制退去処分。写真週刊誌「FLASH」2003年1月21日号で『認定!ジャーナリスト貧乏日本一』と紹介される。2008年『ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記』(メディアワークス・角川グループパブリッシング)を出版。2010年4月アフガニスタンで、タリバン幹部を取材直後誘拐され、同年9月解放される。2011年9月パキスタンでの取材活動での取材活動中、パキスタン当局に拘束される。空港ロビーで6日間拘束され続け、同日強制送還により帰国。拘束していた情報機関職員は日本政府からの依頼による拘束と説明していたが、日本大使館は依頼を否定している。またパキスタン政府は拘束の理由については明らかにしていないが、地元の報道によると、常岡がアフガンでジハードに参加しようとしているために拘束したとしている。拘束中に大量の蚊に刺されたためにデング熱に罹患する。治癒直後の2011年10月28日、Live Wire#64 「拘束一代男〜常岡さんなんでそんなに捕まるの?」 (自由すぎる報道協会#4)に出演。
シェルコの情報公開(公式):http://www.geocities.jp/shamilsh/
Twitteアカウント:@shamilsh https://twitter.com/shamilsh
Live Wire#64 「拘束一代男〜常岡さんなんでそんなに捕まるの?」 (自由すぎる報道協会#4 2011年10月28日)
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
■しかく都営新宿線 新宿三丁目駅C6〜8出口から徒歩5分
■しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
ミステリ酒場スペシャル
ローレンス・ブロック酒場三連発 PART2
泥棒バーニー、殺し屋ケラー編 & ブロックおもてなし対策会議
全国のミステリファンに朗報です。
10月にあのローレンス・ブロックが来日することが決定しました(その前の9月に新作も刊行予定)。来日記念イベントとして、10月にはご本人をお招きしてファンイベントを開催します。作家に直接質問をぶつけるチャンス到来!
そして、LIVE WIREではこれに併せて、ミステリ酒場を連続開催します。名づけて「ブロック酒場」、もちろんゲストは“ブロック御用達”の翻訳家・田口俊樹さんです。前回、第1回は7月、マット・スカダー・シリーズを中心にトークを展開しましたが、第2回はスカダーシリーズ以外の、泥棒バーニー・ローデンバーや、殺し屋ケラーものについて語りあいましょう。
そして来月はいよいよ、ローレンス・ブロック御大が登場です。今回は本丸である10月の来日に向けて“ブロック来日歓迎委員会”である田口・杉江両氏と共に御大を如何にもてなすか、どんな話をしたいかという対策会議の意味合いもあります! 前回参加された方はもちろん、3回通してのコンプリート参加を計画されている方には、楽しさも倍増間違いなし。ファン総出ブロック来日をもりあげましょう。
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
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■しかく東京メトロ丸ノ内線&副都心線 新宿三丁目駅B2出口から徒歩6分
「竹本健治デビュー35周年&『かくも水深き不在』刊行記念トーク」(ゲスト:宮内悠介)
以来、囲碁、将棋、コントラクト・ブリッジ、チェスとゲームづくしの趣向と緻密なロジックでマニアを唸らせた「ゲーム殺人事件」三部作、SFに転じた『腐蝕の惑星』では存在論を揺るがす設定を描き、推理業界パロディ小説「ウロボロス」三部作では多くの作家、評論家を実名で登場させるなど、ジャンルを横断する幅広い振幅をみせる。一方、十五年越しの超大作『闇に用いる力学』 では、『匣の中の失楽』をも超える濃密に錯綜した世界を描いており、名実ともに「巨匠」の域に達した今も、常に話題作をシーンに投じ続けている。
そして、本年2012年は、プロデビュー35周年のメモリアルイヤー。今回のイベントは、久々にマニア心をソソる迷宮的な作品となった最新刊『かくも水深き不在』の刊行と、作家生活35周年、そして彼の2日遅れの誕生パーティ(本来のお誕生日は9月17日)という3つの慶賀が重なった記念イベントとなる。
ゲストにはデビュー作『盤上の夜』がいきなり直木賞候補となり、今や最も注目される作家の一人となった宮内悠介をゲストに迎える。
『盤上の夜』は言わずと知れたゲームづくしの連作短編集でもあり、竹本の『ゲーム殺人事件』とは推理とSFのジャンルの違いこそあれ、志向するものは極めて近い。現に、竹本は同書読了後に「参った。震えた。」 と絶賛のTweetを残し、一方、宮内も『かくも水深き不在』の推薦文『切り札乱舞の新作』 で、読者時代からの竹本作品へのリスペクトを語るなど、「ゲーム」という共通のキーワードを挟んで、両者の“相思相愛”ぶりは相当のものだ。
共にデビュー作からいきなり斯界の注目を浴びるという、プロ作家としての有り様も非常に似ており、宮内にとってはSF界での山田正紀(今年4月にLive Wire#94 で対談。[有料完全版] )に続いて、ゲーム小説での“父”竹本とのルーツ・トークには期すものがあるに違いない。
二人を繋ぐ司会役としては、『本格ミステリ鑑賞術』を刊行したばかりの書評家・福井健太を迎える。本格ミステリとSFを跨いだ竹本作品の本質を理解する読み手としてだけでなく、宮内の早大ミステリ研の先輩でもある氏のリードで、いかなる話題が飛び出してくるかにも期待したい。
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F (「地鶏ちゃんこ料理・悠」の右、階段を上がる)
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「“その日”が来てからでは遅すぎる! あなたの知らないお葬式のすべて〜ボッタクリの秘密から納得のエコ葬儀プランまで」
「冠・婚・葬・祭」ーー人生の節目は何回か訪れるけれど、他の行事と違って、お葬式だけは「いつ」が予想できない。同じ式典でも結婚式や成人式なら、じっくり何ヶ月も“本番”までの時間があって、準備も心構えもできる。でも、「お葬式」だけはそうはいかない。そもそも、肉親の死に備えること自体けっして気分のいいものではないから、なんとなく気が引けてしまって、考えないようにしている人が大半だろう。
でも、いざ「その時」がやってきてしまうと、もうストップが効かない。
怒涛のようにやるべきことが襲いかかってきて、しんみりする暇などまったくない。親戚縁者への連絡、役所への届出、ご遺体の安置や保管、式場の手配、それぞれの宗派にあわせた式典の手続き、焼き場、お墓の手配…。そんな山のような手続きを、たった数日の間に、遺漏なく整えねばならないのだから、数え上げるだけでうんざりしてしまって、「誰か代わってくれ」と言いたくなる。
そこで「お引き受けしましょう」と現れるのが葬儀屋さんという職業だ。
半ばパニック状態の施主の代わりに、この難題をテキパキと片付けてくれる。「地獄に仏」などと書くと、事が事だけに縁起でもないと叱られてしまうかもしれないけれど、実際には本当に助かる代理人だと思う。
ただ気にかかるのは、そんな厄介事の一切合財を引き受けてもらうお値段だ。
どれだけ簡素にお願いしても、まず百万円単位でお金が飛んでいってしまう。
業者も寡占だし、値引きを交渉すること自体、何か死者を冒涜しているようで後ろめたくもある。「自分じゃできないことだし仕方ないかぁ…」と、ため息混じりで貯金通帳とにらめっこしながらも、結局、業者さんのカタログ通りで事が進んでしまう。
だが、実はもっと違う方法がありますよ、と教えてくれる人がいる。
最近『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』(文藝春秋)という本を刊行した、奥山晶子さんだ。
大卒で葬儀会社に二年ほど勤めたあと編集者に転じたが、葬儀業界の“ボッタクリ体質”をちょっとでも知らせたいと、自費出版で「フリースタイルなお別れ雑誌『葬』」と銘打った雑誌を創刊。自ら「D.I.Y.葬」と名付けた、業者に頼らない手作り葬儀のやりかたや、自前の祭壇づくりや遺体運搬のノウハウまでをお値段つきで公開してしまったのだ。
今回出版した『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』はそれを個別のケースに落とし込んだ物語形式のノウハウ集で、「俺の葬式に葬儀社は使うな!」と言い張る困ったオヤジさんや、「ワタシのお墓は樹木葬(墓石の代わりに木を植える)。無宗教だから、お葬式はあなたがプロデュースしてね♥」と無茶ぶりする無邪気なママなど、施主泣かせのエピソードが満載。
だが、実際に奥山さんはそんなケースにもそれぞれの答えを準備。お値段はエコに、そして限られた時間に少しでも故人を思い返す余裕を残せるような、「あなたにぴったりのお葬式」を提案してくれる。
今回のイベントでは、なぜ無茶な値段がまかり通ってしまうのかという葬儀業界の構造や、打って変わって想像力の限りを尽くした面白葬儀の数々の紹介、そしてもしあなたが喪主になったらどれぐらいのご予算で葬儀を行えるか「マイ葬儀プラン」のご相談などもOKとのこと。
なかなか“予習”のできない「お弔い」の不思議な世界を、この機会に少し覗いて見ませんか?
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トイカツ道場経営論〜ニッチな市場で勝つ方法〜
総合格闘技の黎明期の1998年にプロデビューし、今も現役を続ける戸井田カツヤ選手。国内トップクラスのテクニックで知られる寝業師が、今、道場経営者としても注目を集めています。
2007年に東京・中野に最初の道場を設立し、現在は8軒の道場を経営していますが、潰した道場も8軒。「この失敗こそが自分の一番の財産で、たくさんの失敗が劇的にリスクヘッジ能力を向上させた。なので、後半に出した道場ほど集客力が上がるようになってきている」と明かします。
その極意は、選手の“ワガママ”ではなく、会員の“ニーズ”に合わせた道場経営。Twitter等で説いてきた理論を、今回のイベントは生で聞けるチャンスです。
また、戸井田選手は「格闘技のテレビ中継が減り、国内の格闘技のマーケットが縮小する中、「これからは『格闘技を見る→格闘技をやる』だけでは無いマーケットを確立していかなければならないんです」ともTwitterでつぶやき 、会員の“ニーズ”への対応だけでなく、新たな“ニーズ”の掘り起しの重要性も説いています。道場経営論という範疇にとどまらず、これからの日本の格闘技マーケット開拓についても考える内容になると思いますので、フツーの格闘技ファンの皆さんにも楽しんでいただけること確実です!
Live Wireのイベントは、檀上と客席の距離感が近く、質問をいつでも投げかけられるのが特徴。終了後には戸井田選手を囲んでの懇親会も開催しますので、道場運営、技術、練習方法などに関する悩み相談もOKです。
◆だいやまーく戸井田カツヤ プロフィール
1977年1月6日生まれ。長野県長野市出身。プロ総合格闘家。和術慧舟會トイカツ道場代表。元修斗世界ライト級1位。ADCC世界大会、SRC、HERO'S、DEEP、CAGE FORCE、HEATなどに参戦。東京の中野、西日暮里、高田馬場、六本木、埼玉の新座、故郷の長野等に8軒の道場をオープンしている。
Twitterアカウント @toikatu で道場経営論を展開中。
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