- 多くの患者で遺伝子診断により比較的容易に診断が可能、適切な遺伝カウンセリングを行ったうえで行う必要がある。
- ジストロフィン遺伝子変異の約2/3は母由来、変異遺伝子を有する女性を保因者とよぶ。
- 保因者診断は心理的負担を強いること、自身の遺伝情報を知る・知らない権利をふまえて、遺伝カウンセリングを通して慎重に行う。
- 出生前診断も可能、着床前診断も行われるようになっている。
筋ジストロフィーの包括的医療(デュシェンヌ型をモデルとした)
乳幼児期 |
- 診断(遺伝子診断、筋生検)
- 家族に対する疾患説明、疾患の受容に対する助言、ピアカウンセリング
- 家族に対する遺伝相談(保因者診断、次子の問題など)
- リハビリテーション(関節可動域保持、機能訓練、姿勢指導など)
- 食育に対する助言、指導
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小学生 |
- ステロイド療法
- 教育との連携(転倒など危険回避対策、体育時の配慮、神経心理学的評価、発達障害の評価・対応)
- 肥満対策
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中高生 |
- 本人に対する告知
- 側わんに対する評価、側わん進行予防目的のための起立訓練
- 側わんに対する外科治療の検討
- 心機能の定期的評価、ACE阻害剤・βブロッカー内服治療
- 呼吸機能の定期的評価、呼吸リハビリテーション
- 非侵襲的換気療法(NPPV)の適応評価、導入M
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成人期 |
- 大学などへの進学希望に対するサポート
- 卒業後の生きがい(就労、通所、自立)への支援
- 在宅医療に対する支援、家族へのサポート
- 摂食・嚥下障害、栄養障害に対する栄養管理(食事指導、濃厚流動食、経管栄養、胃ろう)
- 終末期医療
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※(注記)疾患の進行度の個人差などの理由で時期を厳密には分けられない点は留意する