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And juseppe loves her

にたないけんの生存と残像と記録

2025年10月

さて、ロハスヴィラに宿泊したことについて話す時がついにきた
泊まってからすでに17日の歳月が経っているが、こびりついた悪夢のようにその時のことを記憶している
いや、忘れようがない、としか言いようがない
それほどのインパクトの物件である

このブログから読み始めたという人がもしかしたらいるかもしれないので軽く説明したい
ロハスヴィラというのは、沖縄県那覇国際通り、ごりごりの観光地であり繁華街に建っている宿泊施設である
その宿泊費の安さから、沖縄にツアーに来たミュージシャンが利用したりするのだが、最低最悪魑魅魍魎阿鼻叫喚地獄絵図の名声を欲しいままにしている激ヤバホテルとの噂しか流れてこない

いったいぜんたいどんなホテルなんだろう
話を聞いているとだんだん気になってきて、まあ翌朝の飛行機の時間早いしどうせ寝るだけだから、ということで、今回勇気を出して泊まってみることにした

泊まる予定の2日前に予約サイトから予約
1500円のシングルルームというやつを予約した
1200円の部屋もあったが、今となってはどちらの部屋がよかったかの答え合わせはできない



19時頃到着
おお、ここか、この雑居ビルの3階か
ほんとに繁華街の中にあるので立地は非常に良い
1階が「どん亭」という24時間営業のチェーンの牛丼屋である

3階までエレベーターで上がる
小さくて小汚くてガタガタ音がする雑居ビルらしいごく普通のエレベーターだ

ロハスヴィラ到着
ドアが、右から左に横に引くタイプの透明なガラスの手動ドアだ
ホテルで手動の引き戸とはなかなか風流じゃないか
がらがら開けて入るとすぐに受付があり、おっさんと青年が並んで座っている
一応南国リゾート感を演出しているような内装だが、それでわくわくすることは一切なく、パプアニューギニアのジャングルの奥地に迷い込んだような不安に包まれる

「あ、こんにちわ、予約してたニタナイです」
「そこで券買ってください」
特に予約の確認はなく、食い気味におっさんにぼそっと言われ、右を見るとラーメン屋や蕎麦屋にあるような券売機がある
なるほど、支払いは券売機システムのホテルか
池袋北口の24時間やってる飲み屋「大都会」のシステムといっしょってことね

1500円のボタンをぽちっと押して出てきた券をおっさんに渡す
「あい」と言われて、セロテープでRと貼ってある、めっちゃ小さい鍵を渡される
大きさも見た目もママチャリの鍵に似ている

そこでおっさんとの会話は終わった
本人確認もないし、住所の記入もない
これ予約する必要なかったのでは?
通常は、風呂はなんちゃらで、とか、チェックアウトは何時で、とか説明をしてくれるのが一般的だが、そういったガイダンスもない
「ごゆっくりおくつろぎくださいませ」なんてもちろんない
ただただ、地蔵のようにそこに座っているのみである
隣に座ってる青年なんてなおさら何もしてないので、そこにいる意味がまったくない
おっさんに任せて先に帰っていいと思う

ふと見ると机の上に竹製のザルが置かれていて、その中に「帰るときは鍵をここに置いてください。21時以降は店員はいなくなります。」と置き手紙のようなものがある
そうなんだね、と心中でつぶやいて自分の部屋を探す
Rって書いてある部屋を探せばいいわけだな

すぐあった
受付カウンターから後ろに徒歩5歩のところにあった
木のドアにRの刻印がある
聞こえなかった人のためにもう一度言おう
木 の ドア、だ

お?
これ?
この部屋?
これは・・・?
部屋なのか?

その木のドアがすごく細い
成人男性の場合、少し体をななめにしないと入れない
部屋に入るというよりロッカールームの中に入っていく感覚に近い
鍵をさす
一応鍵穴に入るが回そうにもなかなか回らない
なにかコツがあるのかもしれない

格闘しているうちに、少しドアを押しながら回すと鍵が回ることがわかった
その少しドアを押すときに、みしっと音がするので、おそらくこのRの部屋は鍵で入るより足で蹴り破って入ったほうが速いと思う

ドアを開ける

おお
これはなんとシンプルなお部屋なんでしょう
ミニマリストが入ったら涎をたらして喜ぶに違いない
あるのは、枕とマットレスと掛け布団
それのみである
窓もない
トイレもない
シャワーもない
エアコンもない
ティッシュもない
奥行きもない
幅もない
ひどく低い天井
薄暗い照明
ホテルの部屋というよりやはりロッカールームにぶちこまれた感覚、いや、なんかくそでかい巨人のおっさんの鼻の穴の中に入ってしまった時みたいな感じである
閉所恐怖症の人だったら一発アウトの発狂部屋だ

なんかスースー音がする
エアコンはないので何の音かわからない
換気扇も見当たらない
すきま風かもしれない
こんな密室にも風は吹くのだ

マットレスに座ってみる
床に直に置いてある
布団も枕も固くも柔らかくもないが、なんだか手触りが悪い
きっとこれまで一度も太陽を浴びたことがない布団と枕だ
湿ってるのにざらついていて、まるでおっさんの鼻の穴の中にいるみたいだ
床を見ると、埃やいろんな毛がいっぱい落ちている
なんの毛かはわからない
たぶん鼻毛だ


あ!
かろうじてコンセント発見!
これはすごく嬉しい
サービスが行き届いてると言える
スマホが充電できるんならなんとかサバイブできよう

ギターとキャリーケースを置くだけで部屋の半分が埋まってしまう
とりあえずホテル内になにがあるか探索してみるか
さすがにトイレはあってほしい

蹴り破りたくなる衝動をおさえて手でドアを開けて部屋を出る
Rと同じくほっそいドアがカプセルホテルのようにずらっと横並びに並んでいる
Aのドアに至っては、細いうえに縦幅が短い
なんていえば伝わるだろう
寸足らずというか、ドアが床から少し浮いたところにあるのだ
Aをあてがわれた宿泊客は、部屋に入る際に、ちいさくジャンプしないと部屋に入れないと思う

宿泊者は他にもいるのだろうか?
まったく人の気配がしない
どこかに出払ってるのかもしれない

奥まで進むと共同トイレと共同シャワールームを発見
なんとトイレは洋式なうえにウォシュレットまでついてる
おお、これはこれは大サービスじゃないか
良きかな良きかな
シャワールームは奥まってて様子がわからない
今は入る必要ないし行かなくていいか


通路の途中にこの建物内で唯一の窓を発見
その下に洗面台がある
洗面台というより、なんか緑色と黒を混ぜたような色の楕円の水瓶に、水道の蛇口がにょきっとついてる
言葉では説明が難しい
なんか怪しいということだけ知ってもらいたい


20時頃LINEを確認してみると、ヨシムラタカシバンドの面々で安里で飲んでいるとのこと
合流しよう
ロハスヴィラにこのままいてもなにか邪悪なものに精神と体が浸食されてしまう
Rの部屋に鍵をかけて(ちゃんとかかった)(蹴破れるけど)外へ
カウンターにいるはずのおっさんと青年はいなくなってた
どこ行った?
21時以降はいないとのことだったが、きっと早上がりしたのだろう
それを証明するかのように、このあとおっさんと青年と会うことは二度となかった



ロハスヴィラを出て国際通りを抜けて安里まで歩く
祝日前の国際通りは激しく賑やかだ
東京に例えると、浅草と歌舞伎町を合わせたような感じ
ぎらっぎらだけど、闇もしっかり感じる
観光客しかいないんだろうけど、地元の人とおぼしき人も見受けられる


『一番餃子』に到着
外の路地にテーブルを豪快に出してそこで飲ませてくれる気持ちの良い店だ
中国人の女性が切り盛りしている
簡単な中国語で話しかけたら、めっぽう喜んでくれた
ヨシムラタカシとタケウチ夫妻に加えて、ビーチパーリーにも来てくれたやっぴーと片桐仁オブザワールドさん、じゅんやくんもいる
ビーチパーリーにはケンゴくんも来てたし、ヨシムラタカシバンドの面々はなんだかんだで入れ替わり立ち替わりオールメンバー会った
みんな飲むのが好きで仕方ないのだろう
リンダさんはビーチで戦死、自宅に搬送されたそうだ

ヨシムラタカシ「どうですか?ロハスヴィラは」
「ええ、噂通り楽しいホテルですね」
ヨシムラタカシ「プラネタリウムが見える部屋があるそうです、にたないさんのとこは?」
「ほお、いや、まだわかりませんね」
ヨシムラタカシ「壁に芝生が生えてる部屋もあるそうですが、いかがでしたか?」
「いや、壁は壁でしたね、あれはたぶん壁です」

そうこうしているうちに、遅れてじゃっくさんが到着
もう閉店の時間だったので、店を移し『ボトルネック』へ
こちらも閉店間際だったけど、少々わがままを言って沖縄そばをいただく
この沖縄そばが鰹出汁だけで勝負した非常にシャープなスープで大変に旨い
いわゆるコクというものはないが、それが良い
具も入ってなくて潔い
ネギすら入ってない
中国で食べる拉麺(らーめん)や湯麵(たんめん)はこんな感じである
限りなく無味に近い究極までさっぱりした滋味深いスープと麺のみ
僕はこういう麺料理が大好きだ
ヨシムラさんはここの沖縄そばが一等好きらしい


飲み終わって退店
みんな帰るというが、どういうわけかタケウチ夫妻と3人でまだ飲みに行くことになり、片桐仁オブザワールドさんが車で送ってくれる
のうれんプラザのあたりにある飲み屋街へ

『所作バー』へ行くと、昨日対バンした海野のギターボーカル半くん、ヨシムラタカシバンドのトロンボーンのタツヤさんまでいる
そのあと隣にあった『酔狂連』にも行き、マスターと仲良くなる
東京でバンドやってた時に今は無き渋谷clubKINOTOによく出演していたとの共通点が見つかる

お会計して退店
もう26:30だ
こちとらあと7時間半後に飛び立つ飛行機に乗らなければいけないのだ
まだ飲みたがるタケウチ夫妻を振り切って、歩いてロハスヴィラまで帰る


おお、懐かしのロハスヴィラ
Rの部屋に鍵をさして入室(蹴り破れるけど)
すぐにでも寝なくてはいけない
5時間は寝られるか?
シャワーは朝浴びればいいか
とりあえず歯を磨きに、水瓶(洗面台)へ

蛇口をひねって水を出そうとしたら、水道管ががくがくがくっと上下にぼいんぼいんし始め、なんぞ!?下にトランポリンでもあるのかえ!?と小さなパニックになったが、水道管を右手で押さえながら左手で蛇口をひねることでぼいんぼいんを防ぎ水を出すことに成功、まこと珍妙な洗面台だった


さあ、寝るぞ
部屋に戻り、マットレスに横たわってはじめて気づく
オーマイブッダ、そういうことか
僕は身長168センチなのだが、足が伸ばせない
ぎりぎり伸ばせない
正確に言うと、足の裏が壁についてる感じ
その微妙さがかえって気色が悪い

仕方ないので仰向けはやめて体を横向きにして足を折り曲げて寝よう
横向きになると、床に広がる大量の埃や体毛が目に入ってしまう
えい、ままよ、とにかく寝るのみだ
電気を消すと、さらなる仕掛けがあることに気づく
まだこれ以上のサービスがあるなんて、どんなホスピタリティしてんだよロハスヴィラ


なんと暗闇の中で壁や天井が粒粒に光っている
これか!ヨシムラさんの言ってたプラネタリウムってのは!
「お、プラネタリウムだ、へえ〜、きれいだな〜、粋な計らいだね」って、誰がなるか!
いらんわこんな星空!足伸ばせねえし!
どこになんの金かけてんねん
もっと他に予算を割く場所があるだろうがよ

しかもよくよく見ると、星空というにはなんだか奇妙だ
なにかの星座のように星を配置しているわけではないし、星がやけに多すぎる

そこで思ったのだが、これはプラネタリウムではなく、暗いところで光るダニのようなものなのだろう
トコジラミ(南京虫)がいる可能性はそもそもあるが、光るなんて聞いたことはない
きっとロハスヴィラという過酷な環境下においてのみ誕生生息繁殖している固有種、ロハスダニにちがいない
そいつらが暗闇でホタルよろしく光っているだけだ
それがプラネタリウムだなんて、笑わせやがる

今すぐ放火してすべてを焼き尽くしたい衝動に駆られたが自分も死にそうなので思いとどまる

それにしたって、9月の沖縄の熱帯夜で、この密室で、エアコン無しはきつすぎる
外より暑いかもしれない
ふだん寝つきはすごくいいし大量に酒を飲んでるので、すぐ寝られそうなものをちっとも寝られない

そうこうまどろんでるうちに、なにやら夢を見る
内容はうろ覚えだが、邪悪な宇宙人のようなものが地球に飛来して大量虐殺される話だ
その宇宙人が1人1人がヒグマくらいでかいうえにちょっと虫っぽくて手が鎌になっている
必死に抵抗を試みるが、ジョズエもイヌガヨもヨシムラタカシバンドもみんな残酷な殺され方で殺されてしまい(グロいので詳細は省く)、なぜか自分だけが生き残り、逃げたくてもなぜか足が動かなくて、あとなぜかお尻がめちゃくちゃ痒い、号泣しながら逃げるのに動けない

叫びながら目を覚ます
夢か!あれ?叫んじゃった?
よかった、朝か、今何時だ?あれ?スマホは?スマホどこ?ってか暗っ、暗すぎ、なにも見えない、電気どこ?え?あれ?電気は?暗すぎ、なにも見えないんだけど、暗闇より暗くない?ほんで、なんでこの星空、あ、間違えた、ロハスダニは見えるのに、こんな暗いの?光ってんならもっといろいろ照らしてくれ、どういう原理?光ってるのに暗いってなに?

そう思いながら、いやいや手をがさがさしてもがき続けてやっと電気のスイッチを発見
スマホも発見
朝何時だ?と思って画面を見ると
は?
え?
4時?
20分ぐらいしか寝てないってこと?
さっきの夢、体感で3時間ぐらいあったけど
まじ?
殺されただけじゃなくて途中で温泉行ったり気球乗ったり牧場だと思ったらそこが岡部さんの家だったりいろんなシーンがあってどう考えても3時間はあったけど?
20分?
寝汗すごいし、すげえ疲れたんだけど


絶望してトイレにて小用
もしやと思ったが、よかった、普通に水が出て流せる
ロハスヴィラの中でトイレが一番居心地がいいかもしれない

そこからなんとなくRの部屋に戻るのが嫌になってしまい、だってどうせ寝れないし、寝ても悪夢見るの嫌だし、誰もいない薄暗いロビーの椅子に座っていたら、若者の調子に乗って騒ぎまくる声が爆音で聞こえてきて、とにかくめちゃくちゃにうるさい
2階にあるダーツバーから聞こえてくる声のようだ
筒抜けの声から察するに、ダーツなんて絶対誰もやってない、なにやら王様ゲームとだるまさんがころんだを合成したような珍奇なスポーツを泥酔しながらプレイしている様子だ
なんだそれ
沖縄のヤンキーやギャルの間で流行ってるんだろうか

そこで急に人の気配を察知し、そっちを振り向くと、なんとロハスヴィラの他の宿泊者に初めて遭遇
時刻はまもなく朝5時といったところか
体の細いおっさんでのっそり歩きながら外へ出ていった
あなたも悪夢見はったんですか?

いやいやながらRの部屋に戻ると、2つ隣のPの部屋から音がする
これはおそらくスマホから鳴ってるアラームの音だ
鳥が、きゅきゅぷるきゅきゅぷるー、と鳴いている音だ
その音が永久に鳴っている
そのPの宿泊者がまったく起きないのか、スマホが見つからないぐらい部屋が暗いのか、それともすでにご存命ではないのか、それとも宿泊者自身が発狂して鳥の鳴き真似をしているのか、Pで何が起きているのかはさっぱりわからないが、その、きゅきゅぷるきゅきゅぷるーがいっこうに鳴り止まず、ロハスヴィラ中に永遠に響き渡っているので、俺は決めた

よし、もう出よう
飛行機の時間までまだずいぶんあるが、ここから出よう
調べたらもうすぐ那覇空港への始発も出るし
とにかく俺は、ここではないどこかに行きたい
シャワー浴びてないけど、もういい
浴びない
もう何も起きるな
それより誰か酒をくれ
今、俺は、狂おしいほど酒を飲みたい


すぐに身支度を整え、Rを出て、ちいさなカギを竹ザルの中にぶちこんでホテルを出る
シャワーを浴びなかったことでロハスヴィラ全面クリアには至らなかったが、それよりも我は精神と身体の平和と健康と安寧を求めた
ロハスダニは大量にいたが、トコジラミはいなかったのが不幸中の幸いである
他の部屋がいったいどうなってるのか気になるが、正直言ってもう泊まりたくない
1500円で泊まれるかもしれないが、1500円もらっても泊まりたくない
いや、1万円もらっても泊まりたくない
3万円くれたら泊まってもいい


朝6時の国際通り
とぼとぼと牧志駅へ向かう
もちろんコンビニで買った酒を片手にだ



朝9時40分
那覇空港の搭乗口付近の待合ロビーに我はいた
トイレを済ませておこうと席を立つとじゃっくさんに偶然遭遇

じゃっく「さっきね、ヨシムラくんにも会いましたよ、昨日はどうでした?」
「大変でした、ちょっと一言で語れないので、今は何も言えないんですが、ロハスヴィラには泊まらないほうがいいということだけ言っておきます」
じゃっく「はっはっはっは、では僕は行きます、ほなまた」



羽田空港行きの飛行機の座席について、そういえばロハスってなんなんと思い、調べてみる
「ロハスとは、心身の健康を大事に考える生活様式のことである」と出てきた
僕は小さくファックとつぶやき、少しでも寝ておこうと目を閉じた




〜終〜




ホテルにて起床


ライブの全行程が終わったので、あとは東京に帰るだけなのだが、今回は1日余分に沖縄滞在を決めていた
そもそも今回の沖縄ツアーが決まった時に、企画の首謀者であるヨシムラタカシとリンダさんが「最後にみんなでビーチパーリーしましょう!沖縄の人はみんなビーチでパーリーするんですよ!」と猛烈にパーリーを薦めてきたので、ふむふむ、そういうもんか、確かに現地の人にならって現地で同じことをしないと見えてこない文化や価値観もあるでしょうしな、わかりました、では飛行機の予約を1日うしろにずらして、そのビーチパーリーとやらをやりましょう、東京の下町生まれのもさもさのわてくしが、うちなーんちゅに混じってパーリーピーポーと化して愉快に過ごすことが果たしてできるでしょうか、これは見ものですぞ!というようなことを鼻の穴ふんふんしながら言った気がするが、よく覚えていない

パーリーはするが、少しなにか入れておいたほうがいいだろうと思い、まずはホテルの朝食会場へ
泊まってる間毎日のように食べたふーちばーじゅーしーを今日も椀に少しだけ盛る
それのみである
それ以外は食べない
これが朝食バイキングのいいところだ

ふーふーちばちば食っているとオンベース世界の宇和川を遠くに発見
立ちながら立て続けに牛乳3杯を飲み干したのち、ふーちばーじゅーしーと味噌汁だけ喰らっていた
みんなじゅーしーにハマったようである
なんだか嬉しい


ロビーでみんなを待っていると岡部さんに遭遇
「なんや良さそうな公園いくつか見つけたから那覇空港に向かいながら3本ぐらい路上ライブやってくるわ」とおっしゃっている
なんてタフでストイックなんだ
この炎天下でライブなんてやったらドラキュラじゃなくても灰になるに違いない
岡部さんの生命の安全を願いつつホテルをチェックアウト
そうくんとうーちゃんと3人でタクシーでビーチパーリー会場へ


僕は自動車免許を持っていないのでどうこう言える立場じゃないのだが、那覇の人たちの車の運転はとても荒いように思う
「かもしれない運転」ではなくて「いけるっしょ運転」なのである
歩行者が青信号で渡ってる時も平気でつっこんでくる
このタクシーに乗ってる時も路地から飛び出してきた別の乗用車にぶつかりそうになった
互いのブレーキが間に合ってなんとか助かった
「あ、死んだ」と一瞬思ったが、特に運転手同士が揉めるということもなく、どうやらこんなことは日常茶飯事のようだ


待ち合わせ場所のMaxValueに到着
ここで酒や食い物を調達するわけである

そこでヨシムラタカシやリンダさんと話していて判明したのだが、2人ともビーチパーリーなんてやったことがないと言う
夏は毎週末パーリーしてるような口ぶりだったので、歴戦のパーリー野郎だと思っていたのだが、少し考えればわかることで、まず2人はまったくパーリー野郎に見えないうえに、もしもパーリー野郎だったらヨシムラタカシバンドのような音楽性ではなく、なんか浅はかなレゲエばっかやって、どういうわけかやたらと友達と親に感謝しまくる歌しかやってないはずである
そもそもヨシムラさんは東北出身だし、リンダさんは神奈川から移住してきたのだ
沖縄要素ゼロである
なんでリアス式海岸のぎざぎざで極寒な海出身の男がほ、ビーチでパーリーしなきゃなんねえんだほ、するわけねえだほ、と脳内でツイートしながらパーリー会場へ到着


ものの見事に外国人ばかりだ
もしかして沖縄の人すらいないんじゃないか?という懸念がよぎる
でもそんなことはどうだっていい
俺たちはパーリーしにきたんだ、心と肉と海老を燃やすんだ、と誰かに言うでもなく飲酒開始

片桐仁オブザワールドさんが、じーまーみ豆腐を差し入れで持ってきてくれる
ピーナッツで作った豆腐とのこと
粘度がすごい
何に似てるかなこれ、あー、ねるねるねるねだ
味はすこぶる美味しい
ピーナッツの甘さと香ばしさをしっかり感じる


じゃっくさんが焼き手を担ってくれて、黙っていても焼かれた肉がどんどん積まれていく
次第にヨシムラタカシバンドの面々が別々に集合
沖縄そばを沖縄そばの出汁で焼きそばにする
すこぶるくたばる
このへんで飛行機の時間が迫ってきたうーちゃんとそうくんが離脱
しばらくしてミズオチくんも同じ理由で離脱

リンダさん沈没及び沈黙
もともと酒に強くないのだが、あとから聞くところによると人生最大の気落ち悪さに襲われたらしい
おそらくビーチパーリーアレルギーを発症したのだろう
かわいそうに
あんなにビーチパーリーしたがってたのに


夕方になり、会場撤収の時間になり、僕とじゃっくさんはみんなより一足先にタクシーでホテルまで戻る
楽器や機材などの荷物を預けていたので取りに行かなくてはいけなかったのだ
本当はこの素晴らしいホテルに連泊したかったのだが、今夜は修学旅行生150人が泊まりに来るということで、泣く泣くチェックアウトしたのだ


よし、今日の宿にチェックインしに行こう
実は沖縄最後の夜の宿は「ロハスヴィラ」に決めていた
那覇国際通り、繁華街の中心地にあるホテル?ゲストハウス?だ
沖縄に行ったツアーミュージシャンの間で、最低最悪魑魅魍魎阿鼻叫喚だともっぱら噂になっている宿だ
ヨシムラさんも泊まったことがあって、ロハスヴィラのことを語るときは気持ち口調が固めになるので、なにかしらのトラウマを植え付けられたんだろうなということが容易に想像できた
生きてチェックアウトできたらラッキーぐらいの宿らしい
そんなバカなとも思ったが、これも経験である
よし、思い切って泊まってみるかと思い、予約サイトから予約した
1500円の部屋と1200円の部屋があって、ダサいことに、気の迷いでなんとなく1500円のほうにしてしまった
まだまだおいらも鍛錬が足りんわい



さて、ロハスヴィラ体験記は、また別のブログにてその感想を記したい
それほど濃密で、アンビリーバブルで、衝撃で、恐怖だった
次回、ハイサイセッション〜ロハスヴィラ編〜、乞うご期待あれ



沖縄に行ったことがない人にこんなことを言うとがっかりするかもしれないが、ハイサイなんて言ってる沖縄人はいない
めんそーれも言わないし、いちゃりばちょーでーも言わない
聞こえてくる言語の基本はごくごくまっとうな標準語である
訛りなど微塵もない
そういえば大分もなぜか訛りが全然なかったな
他の九州の県はしっかり訛りがあったと思うが、あれはいったいどういうことだろう

東京に帰ってきてからというもの、沖縄楽しかったでしょ?と言われたり、沖縄楽しかったよ、と言ったり、素直にそんな会話をしていればいいのに、「でも那覇市内しか行ってないし、それって東京で言ったら浅草しか行ってないようなもんだし、そもそもライブしたり酒飲んだりしかしてないから楽しい面しか知らないんだよね」とか言ってしまい、会話の相手がじわっと反応に困ることがたびたびである

なぜならば、なまじっか吾輩は沖縄の歴史のことを少しかじっていたりもするので、手放しに楽しいとは言えんのである


江戸時代に薩摩藩(現在の鹿児島県)が琉球王国を侵略支配して日本の植民地のようにしてしまったことから始まり、明治時代になって「ほんならもう藩とかよして県にしまひょ県に」とかいう廃藩置県ていう技を使って、琉球は沖縄県になってしまった、ということくらいは知っている
つまり昔の日本人の侵略の結果の現在が沖縄県なのである
それは北海道も同じである
昔の日本人が蝦夷アイヌ文化を蹂躙した末の現在が北海道である
時代は違えど、今イスラエルやロシアが他国を侵略虐殺してるのと変わらんやんけ
と吾輩は思っている

なので、沖縄県の成り立ちに直接自分は関係はないが、沖縄でニコニコヘラヘラしてることに対して、一抹のバツの悪さをどうしても感じてしまう

実際今回のツアーで話してみた人の多くが、沖縄生まれというより本州からの移住組がほとんどだった
そりゃあハイサイなんて誰も言わないさー、である


しかも、あくまで自分の体感であるが、現在の沖縄の人たちは泡盛なんて飲まない
飲む酒はビールかウイスキーハイボールである
さんぴん茶ハイ飲んでる人は結構いたかな
さんぴん茶とはいわゆるジャスミン茶のことである
泡盛飲む人もいるんだろうけど、5日間のツアー中にはついに発見できなかった
「泡盛飲まないですよ」という実際の現地の声も聞いた
中国人が紹興酒飲まないのと似たようなもんだろうか
逆に吾輩は地元、東東京の酒文化を愛する者である
ホッピーとかボール(焼酎ハイボール)とかね



9月21日(日)
ホテルの朝食はキャンセル
腹もそんなに減っていない
朝寝坊してだらだら過ごす
着実に疲労が蓄積している


そんな中、11時頃ミズオチくんからLINE
「どっかキメにいきますか」
時間も内容も昨日とほぼいっしょ

うーちゃんに連絡すると、首里城に行ってるとのことでパス
そうくんは今朝もカラオケでトランペットの練習
なんでも昨日リンダさんからアホみたいに良いマウスピースをもらったとのことで、いたく興奮している

カラオケの出口でそうくんピックアップ
マウスピースが良すぎて吹きまくってしまい練習にならなかったと言う

国際通りでミズオチくんと合流
今日のモーニングは3人だ
那覇住まいの知人から聞いた『四姉妹』という店が気になってるので、そこに行ってみようということに
昨日ヨシムラタカシに
「のうれんプラザのほうに『四姉妹』って店があるんですが知ってますか」と聞くと
「『四姉妹』は知らないけど『母子家庭』っていう店なら知ってます」と言う
その、家庭環境をみずから吐露していくスタイルはなんなんだ?


アーケード商店街を抜けて『四姉妹』に辿り着くも、運悪く臨時休業
仕方ない
少し戻ってもう一つ気になってた『田舎』のあたりをうろついていると、別の店から客引きに

客引きの時点であまり気がすすまなかったが、いいかげん店が決まらなさそうだったし、深刻な酒不足により飢餓状態だったので、その店に決定
店名は不明

1000円で3杯のせんべろセットにして、おかずは適当に見繕う
チューハイが甘くないし濃い
いいじゃないか
なぜかバイセーシ((注記)大阪のバンド)の話で超盛り上がる
笑いすぎて喘息になるかと思った


そのあと、やっぱ俺たちの『節子鮮魚店』に行こう、ということで店を出る
快晴なのに柔らかい雨がさーっと降ってくる
狐の夜這いじゃん、て言うと、嫁入りな、と訂正される
素で間違えた
やはり朝酒は脳を破壊するのだ


待てよ、もう14時だし『川かみ鮮魚』開いてるわ
俺とミズオチくんは行ったことあるけど、そうくん行ったことないし行ってみるか
ということで進路変更


相変わらずの混雑っぷりだが3名でねじこんでもらう
酒3杯+お通し(マグロの刺身が10切れ)+なにかもう1品
これで1000円というぶっ壊れた店である
それなのに安かろう悪かろう店ということはなく、ある程度クオリティも保たれている
3人なのでマグロの刺身が30切れ自動的に来ることになっていて、正直それだけでじゅうぶんなのだが、マース煮やらマグロタレ焼きやら小イワシ唐揚げも見繕う
どういうわけか頼んだチューハイがむちゃくちゃに濃くて戦死を覚悟する
焼酎と炭酸の割合が逆になってると思われる
前回来たときはソフトドリンクみたいな薄さだったのにな
途中、店の前を通りすぎるサチコさん発見、手をふる

1人3杯ずつ駆け抜けて1人1000円ずつちょうど払って退店
いったんホテルに帰還
帰る途中にOutputに向かうじゃっくさんに遭遇
「今日も今日とて朝からよう飲むわ!」とのコメントをいただく


ジョズエのサウンドチェック中、喉を痛めてることに気づく
あれだけ飲んでるのだ
心当たりしかない
コンビニで龍角散のど飴を買い、それを続々と舐めしばきながら、人と会話を避けるために、本番までなるべく1人っきりになるように徹する


Outputは楽屋が広くて快適だ
つい2日前にZAZEN BOYSがここでワンマンをやってることを知って驚く
2日前は我々は浦添にいた
This is 向井秀徳と沖縄で遭遇できたかもしれない開戦前夜のあの感じ



最初はヨシムラタカシバンド
曲を聴いているとこの4日間のさまざまの気持ちがどっと押し寄せてきてライブを観ながら何度も泣きそうになる
ぜんぶ良い曲だけど「夜明けのイメージ」が特に大好きだ

次は海野
始めたてのバンドとは思えない
自分がバンド始めた頃に比べたら素晴らしく上手で驚く
やっぱヤマハのエレキいいな

次はジョズエ
どういうわけかまったくわからぬが尋常じゃなく盛り上がった
声も、温存の甲斐があったのか、サウンドチェックの時より出た
なぜかみんな曲をすでに知っている雰囲気があり、歌詞をシンガロングする声すら聞こえた
もう沖縄に住めという啓示だろうか

最後はイヌガヨ
『生活』でゲスト参加してくるリンダさんのトランペットとタツヤさんのトロンボーンがドラマを帯びる
アンコールの『俺のファズ』で、この4日間のツアーのありったけが決壊、ステージ最前で暴徒化



一旦ホテルに戻ってシャワーを浴びて着替えてから打ち上げ会場の居酒屋へ
店に向かう途中、なんか広場に人だかりができてると思ったら、岡部さんが路上ライブやってた
タフすぎるって

ライブの時のダメージもあり、酒を注文する頃にはすでに声が出なくなっていて、なんぴとたりとも会話不能
みんなの会話を聞いて楽しむのに徹しようと思うのに、こっちが声が出ないのわかってるくせにどいつもこいつもめちゃくちゃ話しかけてくるので、仕方なくガサガサの隙間風みたいな声で話す
向かいに座って代わりに酒頼んでくれた大きい声の福岡から来たおねえさんありがとう
声が出ない時は手でハートを作って返すという技を覚えるが、「そのハートちげえよ、なんかこわいよ」とあかりちゃんにダメ出しされる
イカスミ焼きそばがいちばん美味しかった
お店のおばちゃんがすごく帰ってほしそうにしてて、かなりの圧迫接客だった(まだ全然残ってる料理や酒をどんどん下げようとしてくる)


店を出たあとは、『Smoke』に行こう、とかなんとか言いながらみんなぞろぞろ商店街のほうに行ってしまい、もう声も出ないし疲れたので、誰にも何も言わず離脱、たしかMaxValueに寄ってなにか買った気もするが記憶がおぼろ豆腐で、いっさい何も覚えてない


ここに沖縄ツアーの全行程が終了す
そして明日はボーナストラック
ビーチパーティーをする予定になっている
なにそれ?
初めて聞く言葉だな



9月20日(土)
9:00起床
さっとシャワーを浴びたのち朝食会場へ
じゃっくさんと遭遇
納豆や豆腐やカレーライスを食している
吾輩は生野菜中心にメインはお決まりのふーちばーじゅーしー
「わたしはたまたま起きてしまったから朝御飯を食べにきただけであって、まだまだ寝られるので、これから二度寝をします」と何も聞いてないのにじゃっくさんはそう言い放ち朝食会場をあとにする


部屋に帰って日課の返信祭り&今日のライブのセットリスト決め
昨日の曲目とは全然違った感じにしよう
なんせ今回のジョズエ沖縄ツアーは3日間毎日観に来るお客さんがいる
東京から来てる人もいるし海なし県の岐阜から来てる人もいる
それなのに毎回代わり映えのしない曲目ばかりやっていたらバンドの器が知れるってもんである

セットリストをメンバーに送信
ケーゴさんは朝からどっか出かけてハンバーガーを食ってるらしい
うーちゃんは散歩
そうくんは早朝カラオケでトランペットの練習
どこにもいかないにたない

ふと思い立ち、ホテルに備え付けの洗濯機と乾燥機を使って洗濯


11時くらいにミズオチくんからLINE
「どっかでキメませんか」とのお誘い
もちろんやがな
飲みの誘いにだけはすぐに起立するにたない


出かける準備をするためにコンタクトレンズをつけようとケースを開けたら
レンズが2倍くらいの大きさに肥大していて、しかも周りの縁がくしゃくしゃになっていて、まるでクラゲのような見た目になっている
なんぞ!?なにが起きた??誰ぞ我をたばかるつもりか!!と怒号したのち、昨日MaxValueの2階のドラッグストアで買ったコンタクトレンズ洗浄液のパッケージをよくよく見ると"ハードレンズ用"と書いてある
今回のツアー、洗浄液を自宅に忘却したので、薬局で買ったはいいが、なんと知らずに間違えて買っていたのだ
我が所有のレンズはソフトコンタクトレンズである

こんなぶよぶよのぎざぎざのクラゲ状のコンタクトレンズを眼に装備するなんてどう考えてもよくない
わかっていながらも装着してみると、激しく痛い
沁みるというよりは目に砂が入ったときのようなごろごろした異物感
すぐにはずす


今から言うことは、良い子も悪い子も真似しないことを推奨するのだが
一度、寝る前にはずしたコンタクトレンズをケースに入れたつもりが入ってなかったようで、翌朝ケースの横でかぴかぴのかちかちに乾ききってる状態のレンズを発見したことがある
そのときはまだ開封して3日目しか経ってなかったので、捨てるにはもったいなさすぎると思い、試しにそのかちかちのレンズをそのまま洗浄液に浸して復活を祈願して数時間待ってみたところ、見事ぷるぷるのうるうるにレンズが復活
引き続き使用してもなんの問題もなかった


その例があったので、今回もコンビニでソフトコンタクトレンズ用の洗浄液を急いで調達、とりあえずその中に漬けこんでおけば復活するかもしれない
だってあと3日間の沖縄生活をメガネで過ごすなんて嫌にも程があるじゃないすか
そう願いながらひとまずメガネで那覇の街に繰り出すのであった


天気は快晴
日差しが痛い
その痛い日差しの中を、牧志駅前のアスファルトにぶっ倒れてるじいさんがいる
皆見て見ぬふりである

今までの体感で言うと、那覇には野生のオーラをまとったブルージーなじいさんが多い
特に牧志駅前は多い
朝から木陰に集まって缶チューハイを飲んでいる
きらびやかな観光地ではあるが、闇もしっかりある
大阪でいう新世界とよく似た雰囲気だ


国際通りで、うーちゃん、そうくん、ミズオチくんと合流
「なんか目赤いよ」と言われたのでさっきのコンタクトレンズの件を説明
一路、節子鮮魚店へ向かう


店内誰もおらず
ここは観光客にあまり知られてないので静かなのだ
颯爽と外にある氷水の張ったトロ箱から缶のハイボールを取り出してテーブルにつく
酒は自分でとってくるスタイルだ

11:30
飲酒担当であるジョズエの4分の3とイヌガヨの3分の1が集結
モーニング開始


つぶ貝
白ミル貝
刺身酢味噌和え
山羊刺し
生牡蠣
タマン(ハマフエフキ)のバター焼き
豆腐蓉
スミイカの塩辛黒造り
タコとオリーブのレモン和え
もずく春巻き

4人で来たというのを最大限に活用して海の幸の贅を堪能
オールブルーってここにあったんだね、サンジにおしえてあげたい、とか適当なことをぬかす

全体のスコアとしては、缶の酒をそれぞれ3本ぐらいと、白ワインが2本空く

途中我々よりあとに入ってきた若いカップルが、入ってきた瞬間から悪い予感はびしばししていたのだけど、特に女の子の方
「おすすめってありますかー?」
店員のおじさん「なんでも好きなものを言ってくれれば」
「えー!おすすめが食べたーい!」
店員「今日は貝がたくさん入ってるけど」
「えー!わたし貝無理!あ、ホタテなら食べれる!ホタテくださーい!」

北海道産のホタテを沖縄で食うという珍奇な行為のうえ、注文はそれしか頼まず、あとは缶ビール
そしてどうやら女の子のほうが酒に弱いと思われ、見るからにぐでぐでに変貌していき、男へ膝枕を要求、横になり始める
そのあとさらに行動がエスカレートしていき、女の子のほうが男の膝の上に座って馬乗り状態になり、抱擁かつ深めの接吻が開演、「誰にも迷惑かけてないしいいじゃ〜ん」とは女の子のほうの言い分、男は抵抗せずにされるがままになっている

男もさすがに何も言わなさすぎだし、もしかしたらカップルではなく、ホストの同伴的なものかもしれぬと思ったが、真相は定かではない
お店のおじさんもやんわりと注意しているのが見える
ホタテしか注文してないし、ろくに食ってないし、酒も少ししか飲んでない
吾輩は酒場に性を持ち込んでくる輩がでえっきれえである
こんなに素晴らしい店なのに、そのカップルの節子鮮魚店への愚弄にムカついてきて、これ以上行為がエスカレートしたら「おまえら不愉快だからホテル行け」と通告してブチギレる準備をしてたら、女の子がつぶれて前のめりにつっぷして寝てしまう
13時である
なにこれ?異世界ファンタジー?

そのあとは女の子がしばらくトイレに立てこもり、出てきたら会計して出て行った
その去った席に、昨日の浦添のライブに来てくれた福岡から来たお客さんが1人で来て座ったので会釈


14:30ぐらいに会計して退店
歩いてホテルに戻る

コンタクトレンズを見てみると、見事に復活している
それ見たことか
意気揚々と装着
違和感無し
前島barよなきへ徒歩で向かう


夜はライブ
オープニングアクトにヨシムラタカシ&まきやしほ
ヨシムラさんはMCが毎回面白いのでずるい

やはり目が痛い
痛いというかゴロゴロする
結局この日はライブ前もライブ中もライブ後もずっと目が不調だった


ワンチャイコネクション
那覇のバンド
ギター2本が大爆音
COWPERSやpixiesみたいな古き良きオルタナティブソウルを感じてカッコいい
京都の、メシアと人人(っていうバンド名です)も感じたな
東京に呼びたい

イヌガヨ
アンコールでやった『俺のファズ』の時にギターの音が鳴らなくなる
そのままギター無音のまま駆け抜けるも、最後の曲終わりにやっとファズギターが鳴って、そのあまりのドラマチックさに感動

HARAHELLS
ドラムボーカルとギターボーカルの女性2ピース
東京の友人に「ハラヘルズかっこいいよ!」と言われていたので楽しみに観る
食べものに関する歌しかない
面白いし曲が良いし演奏も上手い
脱力の究極なのでは
物販類のデザインも素晴らしい
ブルーズやレゲエ等のブラックミュージックへのルーツも感じて、言うことない
東京に呼びたい

最後はジョズエ
アンコールで、ダムドのニニニ


ごめんごめんと終演後に遅れてやってきたヨシキさんと会話
なんか安室奈美恵主宰の?花火があったらしい
空を無数の光るドローンが飛んで花火を演出して圧巻とのこと
動画を見せてもらったら、ほんとにすごい
ほんとにすごいが、これからの時代、花火職人の技術も要らなくなってしまうんだろうか


barよなきは店を閉める時間が決まってるので
(普通はそう、おとといの「寿来」も昨日の「Groove」も別にいつまで居てもいいよっていうスタンスは稀有)
23:30くらいだったかな?店を出る準備
ヨシムラさんはこれから所作バーだか水星だかに飲みに行くとのこと
一緒に行きたかったけど、目がごろごろしてストレスだったのと、あまりの空腹につき、離脱
そうくんとじゃっくさんと共にホテルまで徒歩


3人でMaxValueで晩酌の買い物
肴は、とんぼまぐろの刺身、中身汁、オクラと昆布をどうにかこうにかしたもの、を購入
中身汁ってのは沖縄版の豚モツ煮みたいなもんです


ホテルの部屋に戻って着替えて、1階のロビーにある電子レンジで中身汁を温めていたら、外から帰ってきた岡部さんと遭遇
「え?いま帰ってきたんすか?」
「1回部屋にベース置いてな、さっきまで国際通りんとこで路上ライブしてきたわ」
「え?あのあと路上ライブしに行ってたんすか!?すご!タフですね」
「それがな、結構お客さん観てくれてな」
「へー、めっちゃいいすね」
「投げ銭も結構入ってん」
「へー!!あ、あったまった、じゃあ、おやすみなさい」


そのあとは『晩酌の流儀2』を観ながら晩酌
買っておいた納豆とマグロの刺身を一緒に食うとすこぶる旨い
2話分観たあとに就寝
明日はライブ最終日だ



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