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  5. 松崎 令 JSPS特別研究員、河地 正伸 室長が日本植物分類学会大会発表賞を受賞
2017年4月7日

受賞のお知らせ 〜
松崎 令 JSPS特別研究員、河地 正伸 室長が
日本植物分類学会大会発表賞を受賞

概要

受賞者氏名: 松崎令, 河地正伸 (生物・生態系環境研究センター)
賞の名称: 日本植物分類学会大会発表賞
授賞機関: 日本植物分類学会
受賞年月日: 2017年3月11日
受賞対象: 彩雪を構成する氷雪性緑藻類のシストの分子系統と1未記載種, 日本植物分類学会第16回大会, 日本植物分類学会第16回大会研究発表要旨集, 22, 2017

[画像:賞状を手にする松崎令JSPS特別研究員と河地正伸室⻑]
左から 河地正伸 室⻑、松崎 令 JSPS特別研究員(生物・生態系環境研究センター)

ひとこと

山岳地域や極域の残雪が緑や赤などに色づく"彩雪"現象は、雪表面の太陽光反射率を下げて残雪の融解を促進することから、近年、地球環境への影響が注目されています。彩雪は主に、氷雪藻と呼ばれる寒冷適応した微細藻類が、残雪中で高密度に繁殖することで引き起こされます。しかしながら、いつ、どのようなきっかけで彩雪が生じるのか、詳細はほとんどわかっていません。私たちは、彩雪の発生メカニズムを解明する上で重要な基盤データとなる、氷雪藻の種レベルの分類学的研究を進めています。代表的な氷雪藻である単細胞遊泳性の緑藻クロロモナス属は、しばしばシスト(休眠細胞)の状態で彩雪中からみつかります。そのようなシストは発芽誘導も分子データの獲得も困難なため、種の実体はほとんど不明でしたが、私たちは最近、シストのDNAから複数領域の塩基配列データを決定可能な方法を開発しました。賞を頂いた発表は、日本の彩雪から得られた様々なシストの実体を、複数の遺伝子の配列データを用いた分子系統解析、および正確に種を識別した栄養細胞の培養株との比較分子解析から調査したものです。今回の受賞を励みに、氷雪藻の種の実体、およびその多様性の解明に向け、更に研究を進めていく所存です。

赤雪
採集後の赤雪
緑雪
採集後の緑雪

リンク

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