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JOGMEC 独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構

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【第2回】SDGs COLLECTION

地熱統括部 地熱事業部 開発課 杉浦 実保
現在、地熱事業部で企業に対する金融支援業務を担当している杉浦実保さん。
JOGMECに入構したのも、クリーンな再生可能エネルギーである地熱発電を推進したいと強く思ったからでした。
そんな学生時代からの希望を叶えた杉浦さんに、地熱資源開発支援事業を通したSDGsへの思いを聞きました。

お話を聞いたのは

地熱統括部 地熱事業部 開発課 杉浦 実保

2018年入構。総務部で機構全体の事業計画立案や業務実績評価、法律改正業務などに携わった後、2020年より現職。地熱資源開発の一層の促進に向けて、政策動向等の大局的な見地を踏まえつつ、民間企業を金融面から支援する

企業も環境も地域の方々も。すべてを支援できる仕事に誇りを感じています

JOGMECでは、企業による国内での地熱発電事業に対し、地熱資源の初期調査から探査、発電所建設という一連のプロセスにおいて、金融支援および技術支援等を行っています。私は金融支援のうち、探査段階の事業に対する出資および開発段階の事業に対する債務保証業務を主に担当しています。具体的には、すでに出資・債務保証を行っている案件の進み具合や資金が適切に使用されているかの確認、また、今後出資・債務保証を行う可能性のある案件に関する支援実行可否の検討などです。最近は、政府による2050年カーボンニュートラル実現の宣言に伴い、企業からの地熱発電事業に関する問い合わせが増えており、忙しい毎日を送っています。
元々私がJOGMECへの入構を希望した最大の理由は、政策実施機関という唯一無二の立場で地熱発電事業に携わりたかったからです。学生時代の地熱発電のイメージは、「地熱資源に恵まれた日本に最適な、クリーンな再生可能エネルギー」。JOGMECでも、「持続可能な開発目標(SDGs)」で示された17の目標のうち、7番目の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、13番目の「気候変動に具体的な対策を」を満たす事業として推進しています。事業そのものが、気候変動という社会課題の解決に直結するのです。

JOGMECの債務保証制度を活用して運転開始に至った、大分県九重町にある九電みらいエナジー株式会社の菅原バイナリー発電所

しかし、地熱事業部に配属になったことで、地熱発電はそれ自体が優れたエネルギーである一方、その利用にあたっては留意すべき点が多くあることを知りました。特に、地域環境の保全および、温泉事業者や地域住民の方々の理解と合意形成、協力は欠かせません。業務上、私が直接関わるのは地熱発電を推進する民間企業です。しかし、企業に出資・債務保証を行う際には、技術的、経済的な側面に加え、HSEの側面からも審査をします。HSEとは「健康・安全・環境」の英語の頭文字を取ったもので、地熱に限らず、すべての資源エネルギー開発を進める上で最も重要な視点です。そのため、案件採択後も、JOGMECが支援している間は、毎年必ず企業のHSE実施状況を確認します。そういう意味で、SDGsの目標の15番目「陸の豊かさも守ろう」や、17番目「パートナーシップで目標を達成しよう」の達成にも間接的にでも貢献していると考えると、少し誇らしい気持ちになります。

杉浦が出張で訪れた熊本県小国町のわいた地熱発電所。新産業導入による街の活性化を目的に、地元住民が運営を行う。年間数億円規模の売電収入を得るなど街にとって欠かせない産業となった

地熱発電事業は、調査から発電所運転開始までに通常10年以上を要する長期間のプロジェクトです。私が担っているのは、その中のごく一部。しかも裏方で、決して華々しい仕事とは言えません。それでも、地熱発電を推進する民間企業を支援することでSDGsの達成に寄与し、それに関わる地域とそこに住む人々の生活も守ることができるこの仕事に、大きなやりがいを感じています。特に、企業の方々に、対象案件が直面している課題についてよい提案ができ、「JOGMECさんに有意義なアドバイスをもらえてよかった」とおっしゃっていただけたときは、JOGMECの存在意義や価値を認めてもらえたような気分になる、うれしくなる瞬間です。今後もSDGsが目指す持続可能な社会の実現に向け、地熱発電事業を推進していく考えです。

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