近年、土壌汚染問題が様々な場面で顕在化し、企業経営に深刻な影響を及ぼす新たな環境課題としてクローズアップされております。これら土壌汚染問題を解決するためには、企業が自主的に土壌環境を管理する体制を確立していくことが必須と考えられます。
2010年4月より改正土壌汚染対策法が施行され、工場跡地等の活用、自主管理などについて、具体的な指針が示され、企業にとって土壌・地下水汚染リスクの管理がますます重要になっています。
当協会では、2004年4月から土壌・地下水環境を管理できる人材の育成を目的として、JIS Q 14015(ISO14015)(用地及び組織の環境アセスメント)に依拠した資格基準に基づく環境サイトアセッサー評価登録制度を運用して参りました。この制度は、環境サイトアセッサーの技能認定講習と資格の登録から成り、今回ご案内の技能認定講習は、環境サイトアセッサーに必要なフェーズ I 調査(初期評価:ISO14015)とリスクコミュニケーションの知識と技能の修得を目的としております。また、本事業は、「環境保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」に基づき、環境省人材育成・認定事業として登録されています。
本技能認定講習では、当協会編集テキスト「環境サイトアセスメント 土壌汚染調査・対策の実務と法規」を使用し、土壌・地下水汚染や環境サイトアセスメントに関する一線級の講師陣が、実務に重点を置いたわかりやすい講義を行います。
企業の環境担当の方はもとより、土壌・地下水汚染調査に係り基本的な知識を身に付けたい方にも受講をお勧めします。
なお、本技能認定講習の受講とその修了試験合格(合格証の有効期限は3年)は、環境サイトアセッサー資格申請要件となっています。
本講習は、多岐にわたる用地個々のケースについての履歴・汚染状況を把握するプロセスを、JIS Q 14015(ISO14015)(フェーズ I 調査に関する規格)に則り実施し、かつ適切なリスクマネジメントとリスクコミュニケーションの実施を支援できる知識と実施技能についての修得を目的に行うもので、講習の概要は以下の通りです。
カリキュラムの概要
No
形式
分野
科目
所要
内容
1
日目
0
-
-
オリエンテーション
30分
(事務局)
2
座学
分
野
I
土壌・地下水汚染概論 (1)
80分
現状、基礎、発生源、リスク評価
3
土壌・地下水汚染概論 (2)
60分
土壌・地下水汚染の特徴
4
環境地質概論
120分
・地層と地下水流動の基礎
・土壌汚染と地質、人為と自然汚染
5
関連法制度と土壌汚染対策法概論
80分
環境基本法・土壌対策法等
2
日目
6
土壌汚染対策法及び土壌汚染対策関係条例に基づく調査・対策の運用
140分
施行規則を中心とした
土壌汚染対策法運用の解説
7
土壌・地下水汚染調査・対策技術総論
100分
土壌・地下水汚染の調査
8
土壌・地下水汚染の対策技術 (1)
75分
対策技術の考え方・重金属類の対策
9
土壌・地下水汚染の対策技術 (2)
90分
揮発性有機化合物などの対策
3
日目
10
分
野
II
環境マネジメントシステム基礎概念
60分
環境側面と環境影響、
汚染予防とPDCAサイクルの展開
11
環境サイトアセスメント総論
45分
ISO14015に基づく
環境サイトアセスメントとその実践
12
演習
環境サイトアセスメント実務
170分
フェーズI調査ケーススタディー
13
座学
土壌・地下水汚染のリスクマネジメント・リスクコミュニケーション
40分
リスクマネジメント、
リスクコミュニケーション
14
試験
-
技能認定修了試験
60分
筆記試験