[フレーム]
本文へ移動

GKシュミットの離脱、三国ケネディエブスの不調...最後まで響いた守備リーダーの不在【「蹉跌、そして再建へ 転換期のグランパス(上)」】

2025年12月9日 05時00分

東京Vに敗れ、厳しい表情で引き揚げる和泉(右端)ら名古屋イレブン=3月15日、味スタで


◇「蹉跌、そして再建へ 転換期のグランパス(上)」
名古屋グランパスは2025年、屈辱のシーズンを送った。J1は開幕から6戦未勝利と低空飛行で降格圏をさまようと、以降も最高位は13位と残留へギリギリの戦いを強いられた。連覇を狙ったルヴァン杯も2回戦でJ2富山に敗れるなど不振が続き、長谷川健太監督(60)は退任した。「蹉跌(さてつ)」の背景、来季への光を3回に分けて探る。
今季のリーグ56失点は長谷川監督が就任してからの4シーズンで最悪となった。クラブワーストタイとなる開幕6戦未勝利(2分け4敗)の間は毎試合失点し、計14失点。昨季急成長を遂げたDF三国が中央に座り、佐藤、原ら新戦力が両脇を固める3バックは序盤から苦しんだ。
チームは今季、よりマンツーマンで相手を捕まえる戦い方にシフト。一人の守備のズレが全体に波及する戦術だけに選手間の意思疎通は必須だが、三国は「ピッチでのコミュニケーションは多分、昨年よりは断然少なかった」と証言する。昨季主将でまとめ役のベテランGKランゲラックがチームを去り、代役として期待された日本代表経験者の新戦力GKシュミットも春季キャンプから度重なる負傷で長期離脱。最終ラインの柱とみられた三国も開幕前の負傷と気負いから不調に陥った。ミスが失点に直結する悪循環に陥り、守備リーダーの不在は最後まで響いた。
マンツーマン戦術では1対1で負けない個の強さが生命線となるが、そこでも後れを取った。シーズン2戦2勝を達成した広島戦のように"ハマった"試合もあるが、ほころびを見せると弱かった。「シーズン序盤とか、相手に(プレスを)はがされた印象が強くて」と原。いなされる残像が迷いを生み、出足を鈍らせた。今季1対1の勝利総数はJ1最下位。強みを生かす戦い方にはならなかった。
長谷川監督はGKシュミットを最後尾の軸に据えるつもりで今季を迎えたが、プランは早々に崩壊。補強の目玉はリーグ戦7試合の出場にとどまり、38歳の武田と19歳のピサノを併用するスクランブル態勢を余儀なくされた。本来は固定するはずのGKが次々入れ替わる異例のシーズンもまた今季の混迷ぶりを雄弁に物語っていた。
【読まれています】
だいやまーく稲垣の二桁得点、ピサノ、森の台頭...名古屋グランパス、写真で振り返る2025年シーズン【表】
だいやまーく【蹉跌、そして再建へ 転換期のグランパス(下)】長谷川監督、J1残留を至上命令に任務完遂 『勝利のために決して諦めない』来季新体制で挑む
だいやまーく【蹉跌、そして再建へ 転換期のグランパス(中)】快勝直後の厳しい総括、山口GMの発言が思わぬ波紋...強まった隙間風
だいやまーく名古屋グランパス、服部健二氏の来季スポーツダイレクター就任を発表
だいやまーく【名古屋グランパス】約1年ぶりの来日!"愛された元守護神"ランゲラックさんがイベントに"サプライズ参戦"

関連キーワード

おすすめ情報

NEWS

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /