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快勝直後の厳しい総括、山口GMの発言が思わぬ波紋...強まった隙間風【「蹉跌、そして再建へ 転換期のグランパス(中)」】

2025年12月10日 05時00分

名古屋・長谷川監督


◇「蹉跌、そして再建へ 転換期のグランパス(中)」
名古屋グランパスは2025年、屈辱のシーズンを送った。J1は開幕から6戦未勝利と低空飛行で降格圏をさまようと、以降も最高位は13位と残留へギリギリの戦いを強いられた。連覇を狙ったルヴァン杯も2回戦でJ2富山に敗れるなど不振が続き、長谷川健太監督(60)は退任した。「蹉跌(さてつ)」の背景、来季への光を3回に分けて探る。
4月を19位で終えたチームは、5月に入って息を吹き返したかに見えた。3日に清水を3―0で一蹴して勢いに乗ると、5月は6戦無敗(3勝3分け)。31日の新潟戦で前半戦の19試合を終え、6勝5分け8敗の14位まで持ち直した。そんな折り、3―0で快勝した新潟戦後に"事件"は起こった。
豊田スタジアムのミックスゾーンで取材に応じた山口素弘ゼネラルマネジャー(GM、56)は前半戦を振り返り「今日は勝ったが、トータルでは負け過ぎ」と厳しく総括した。強化・編成の責任者で、監督を含めてチームの成績を評価する立場としては当然のコメントともいえたが、チームがどん底からはい上がっていたタイミング。高まる士気に水を差しかねない発言は思わぬ波紋を広げた。
GKシュミットの2度目の負傷離脱というアクシデントを受け、抜てきされた19歳のGKピサノをもり立てようとDF陣を中心に一丸となっていた時期でもあった。関係者によると、直接ではなく報道を通して初めて山口GMの発言を知った現場首脳らは強い不快感を示した。
さらに、6月には山口GM主導で獲得したブラジル人FWレレのレンタル加入を発表しながら、国際サッカー連盟(FIFA)の移籍に関する規則に抵触することが判明。名古屋では今季の公式戦に出られないことが分かり、両者の隙間風はより強まった。
ユンカーが開幕直前に負傷離脱し、山岸も3月初旬に右膝を痛めた。36歳の永井は守備への関与も大きく、サウジアラビアから約1年半ぶりに復帰したマテウスも試合を重ねてコンディションを上げていく状態だった。「FWが点を取らないとチームが乗ってこない」。指揮官は今季、何度もそう嘆いた。
アジアで実績があるブラジル人FWや欧州中堅国の代表FW...。クラブは夏に本格的な補強に乗り出したが交渉はうまくいかず、「候補者」のまま消えていった。二転三転の末、東京VのFW木村勇大(24)を獲得できたのは結局、8月に入ってからだった。
今季のチーム得点王はボランチのMF稲垣の11ゴールで、FWではマテウスの5得点が最多だった。前線の得点力不足はシーズンを通して改善することはなかった。
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