「私は待っています」落合元監督が期待する岩瀬仁紀さんの近未来「一日も早くそういうことが来るように、心の中で念じております」
2025年12月2日 22時20分
野球殿堂入りを祝う会で、あいさつする落合博満元監督(左)の話を聞く岩瀬仁紀さん
元中日投手でプロ野球記録の1002登板、407セーブを記録した岩瀬仁紀さん(51)の野球殿堂入りを祝う会(発起人代表・大島宇一郎中日新聞社社長=中日球団オーナー)が2日、名古屋市内のホテルで開かれた。約500人が出席した祝いの会で、落合博満元監督(71)らがスピーチ。絶対的クローザーは現役時代のマウンドと同様に、終始緊張した表情だった。
壇上で緊張した面持ちだった岩瀬さんの背筋がひときわグッと伸びた。視線の先にあったのは落合元監督。8年間で4度のセ・リーグ優勝、日本一1度という竜の黄金時代をつくりあげたかつての指揮官の言葉に耳を傾けた。
岩瀬さんにとって、野球人生を変えた一人だ。星野仙一、山田久志両監督の下で中継ぎとして実績を積み、迎えた2004年。この年に就任した落合監督から抑えへの転向を言い渡された。「この時まで、先発をやりたい気持ちもありましたけど、抑えとして自分の役割をきっちりやるしかない」と腹をくくった。03年までで通算6セーブ。そこから、積み上げた407セーブは通算1002試合登板とともに、プロ野球記録として、金字塔となっている。
プロの世界の成功者。しかし、常に順風満帆だったわけではなかった。落合元監督が明かしたのは「岩瀬には3回の試練があった」。一つ目は左足中指を骨折して迎えた04年の開幕、二つ目は北京五輪が開催された08年、三つ目は原因不明の肘痛に悩んだ15年だ。脅迫状まで届くほどの世間の強烈なバッシングに、思うように投げられない苦悩...。「三つの試練を乗り越えて今の岩瀬がある」とたたえた。
スピーチの最後に元指揮官から贈られたのは近い未来。「何らかの形で野球界の指導者として戻ってくることがあると思います。その時は、自分のこの三つの経験を選手にどうやって伝えていくか、どうやって選手を育てるかということを心待ちにして、私は待っています。今は、一日も早くそういうことが来るように、心の中で念じております」。ユニホームを着て、指導してほしい―。それがかつての指揮官の願いだった。
「指導者の道は巡り合わせなので」と話すにとどめた岩瀬さんだが、後輩に送るまなざしは変わらない。「底は抜けて、常勝チームになっていく未来は見える。来季はバンテリンドームにテラス席ができて、野球が変わる。早く慣れてくれば、阪神にひけを取らないチームになれる」と期待を寄せた。
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