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2位を大きく引き離す4割5厘..."フルカウント首位打者"岡林 彼にカウントを作る重要性説いた『ある人物』

2025年12月2日 10時32分

岡林勇希

岡林勇希

◇2025竜戦士「数字は語る」(2)
俊足、巧打、そして頑丈。フルイニング出場を果たした岡林勇希外野手(23)を語る数字は多い。見逃しストライク(526)と申告敬遠(10)はリーグ最多。内野安打(26)は2番目に多く、空振り(96)は2番目に少ない(規定打席到達者のみ)。まるで数字の宝庫なのだが、今季の彼を象徴するのは「フルカウント首位打者」だと思う。
37打数15安打。2位を大きく引き離す4割5厘。これが「2ストライク後」だとリーグ6位タイの2割3分6厘となる。つまり0―2(2割2分9厘)、1―2(2割2厘)、2―2(2割9厘)に対し、フルカウントになると明らかに強い。三振の数(6)も率(1割9厘)も他のカウントよりグッと減る。昨季(1割7分2厘)からの急上昇には、理由がある。
「ことしは2―2になったら、何とかフルカウントにもっていくことを意識していたんです。そうすることでヒットだけじゃなく四球の可能性が出てきます」
フルカウントから18四球。三振の3倍というのもリーグトップである。出塁率だけではなく、打数が減るから打率にもプラスになる。その利を説いた上で、カウントをつくる重要性を岡林に伝えたのは森野前打撃・作戦コーチだと言う。
「際どいボールの見極めもできるようになったと思いますし、僕は落ちる球はバットに当てられる自信があるので」
ここで冒頭の数字が意味をもってくる。3―1からあえてストライクを見逃しても、空振りしないコンタクト力がある。打者としての特長を考えれば「四球を出すくらいなら」とストライクを投げたくなるのが投手心理。そこをたたく。フルカウントからの6長打は、上位10傑の中で最多である。自分を知り、相手を読む。その結果がともにキャリアハイの出塁率(3割4分8厘)、長打率(3割8分2厘)へとつながった。フルカウントは互角ではなく、自分優位。そこに引き込む強みをわかった上での4割5厘は、岡林の進化の証しなのだ。

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