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材料物性

膜流量測定系によるガス透過性試験

不織布、フィルター、薄膜等の高透過性材料のガス透過性を測定するCERI独自の試験です。様々な試験ガスに対応できるため、複数ガスの透過度から気体選択性(特定のガスを選択的に透す性質)の評価も可能です。

【試験詳細】

試験ガス 酸素、窒素、水素、ヘリウム、アルゴン、空気、メタン、プロパン等
(腐食性ガスは不可) その他のガス種についてはお問い合わせください
試験片寸法 直径15〜29 mm、約20 mm角等 (一定面積があれば試験可能)
厚さ2 mmまで
試験片数 1〜 (2以上を推奨)
試験温度 室温(23°C)
試験湿度 乾燥

詳細はお問い合わせください。

ガス透過性は材料によって大きく異なるため、様々な材料を評価するためには複数の試験法が必要です(図1)。発泡材、紙、通気性の高い衣類等の多孔質材料ではフラジール式又はガーレー式通気度試験機(試験ガスは大気のみ)、ゴムシート、プラスチックフィルム等の非孔質材料では差圧式ガス透過試験機(ガスクロ法、圧力センサ法)等が用いられます。従来のJIS規格では評価困難な新規材料が登場していることから、CERIでは、幅広い材料に適用可能な膜流量測定系を用いた試験を実施しています。

[画像:図1 様々な材料のガス透過性と評価方法例]
図1 様々な材料のガス透過性と評価方法例

【試験原理】
試験片をセルに取り付け、試験片を透過した試験ガス流量を石鹸膜流量計で測定し、得られた流量からガス透過度(GPU)を算出します。他の単位や測定結果をお求めの場合はご相談ください。

[画像:図2 膜流量計測定系及び体積管内部の概略図]
図2 膜流量計測定系及び体積管内部の概略図

【測定結果例1】
二酸化炭素(CO2)排出量削減技術の一つとして、気体分離膜によるCO2の分離が注目されています。図3は、CO2を選択的に透過することが知られている高分子材料であるポリジメチルシロキサン(PDMS)の測定の結果です。同じ条件下の測定において、CO2のガス透過度は窒素(N2)の約10倍となり、気体選択性が認められました。このように複数のガス種を測定することで、気体選択性を算出することが可能です。(CO2は水溶性ガスのため石鹸膜流量計の非推奨ガスとなっています。ご依頼の際はご留意ください)

[画像:図3 PDMS膜を用いたガス透過性試験]
図3 PDMS膜を用いたガス透過性試験

【測定結果例2】
表1は不織布やフィルター等複数の多孔質材料を膜流量測定系、フラジール式及びガーレー式通気度試験機で測定した結果です。試験ガスには、膜流量測定系ではN2、フラジール式及びガーレー式通気度試験機では大気を用いました。膜流量測定系で得られたガス透過度は他の2試験法で得られた値と概ね一致しました。さらに、フラジール式通気度試験機では流量が小さ過ぎて測定不可、ガーレー式通気度試験機では逆に流量が大き過ぎて測定不可となった試料について、膜流量測定系は幅広い透過度の試料に適用可能であるため、全試料を測定することができました。

表1 膜流量測定系、フラジール型試験機及びガーレー試験機の比較
試料 ガス透過度 (GPU) ± 変動係数CV (%) (n=3)
膜流量測定系
(CERI独自法)
フラジール式
通気度試験機(注記)
ガーレー式
通気度試験機(注記)
試料A ×ばつ108 ± 1 ×ばつ108 ± 1 測定不可
試料B ×ばつ107 ± 21 ×ばつ108 ± 17 測定不可
試料C ×ばつ107 ± 0 ×ばつ107 ± 0 ×ばつ107 ± 0
試料D ×ばつ106 ± 2 測定不可 ×ばつ106 ± 3
試料E ×ばつ105 ± 3 測定不可 ×ばつ105 ± 2

(注記) 得られた通気量[cm3/(cm2・sec)]又はISO透気度[μm/(Pa・s)]からGPUに換算

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