1.はじめに
京都府の南部に位置する井手町は、昭和33年に当時の井手町と多賀村が合併して誕生しました。標高400mあまりの比較的なだらかな山脈の北側(旧多賀村)に南谷川、南側(旧井手町)には玉川が流れています。その川の流れに沿っていくつもの集落がつくられていますが、これは今日でも平凡で日常的な田園風景でしょう。この南谷川と玉川はそれぞれ、木津川に合流します。
そして、その木津川は、天ケ瀬ダムの下流で淀川に合流します。南谷川の上流には岩坂池があり、玉川の上流には大正池がありました。
このレポートは平成21年7月、ダム便覧から静かに削除された「岩坂池」に関するものです。
なだらかな山脈、それはまた脆く崩れやすい風化した花崗岩層を意味するものでした。脆いということは粗く、したがってまた透水性は高いのですが、ある程度水を含むと瞬時にして斜面を駆け下りるという大変恐ろしい土砂なのです。さらに、この山城地方は天井川が多いという特徴があります。国道24号線に設置されているこの構造物は何でしょうか?