2009年5月

2009年5月30日 (土)

ある団塊人の未来のライフスタイル

現在のBEANSプロジェクトは、20年後の社会に登場して、「環境・エネルギー」、「健康・医療」、「安全・安心」などの分野で新たな我々のライフスタイルを創出してくれることが期待される異分野融合型次世代デバイス(BEANS:いわゆる未来デバイスのこと)実現のための基盤的なプロセス技術を開発するもので、デバイスそのものの開発はこの後の話になります。

従って、プロジェクトが成功した後、どのようなBEANSデバイス群が登場してどのように我々のライフスタイルを変えてくれるのかは誰もが興味あるところで、あれこれと思いをめぐらすのも楽しいものです。

ここで、マイクロナノ・トークに掲載されたKaijin Danさんのエッセイを紹介します。BEANSプロジェクトが完了した後の、202X年、203X年時点におけるある団塊人A氏の、BEANSに囲まれた未来のライフスタイルが描かれています。

くろまる202X年の話 → MEMSの未来-ある団塊人との共生

『202X年の秋晴れの休日、初老の団塊人A氏は自分のブログ「団塊人の散歩道」にアップする紅葉に輝く季節の写真を撮るため、デジカメを片手に近くの植物園に出かけた。............』


くろまる203X年の話 →「団塊人の散歩道」

『203X年のある日、家の壁面にセットした木洩れ日が差し込む居間は大変心地よく、A老人はパソコンを前にしてうたた寝を楽しんでいました。......』

続編のエッセイがでたら、また紹介します。(青柳@BEANS本部)

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2009年5月25日 (月)

第1回BEANS総合研究会の開催 2009年5月19日

去る2009年5月19日、20日の2日間、第1回BEANS総合研究会が東京都府中市のクロスウェーブ府中にて総勢91名の参加により開催されました。本総合研究会においては、各テーマについて、それぞれの研究員が昨年度研究開発の報告を行うともに、拠点間の融合や研究員どうしの交流を深め、さらには各人がBEANSの未来イメージを明確に描くことができるようになることも目的にして実施しました。

[画像:遊佐PL挨拶]

19日は遊佐プロジェクト・リーダー挨拶、ポスター形式による昨年度の研究成果発表が行われ、食事後は深夜まで飲みながらいろんな議論を重ね、未来の夢も語り合いました。みんな酒が強いのには驚きました。

[画像:ポスターセッション]

[画像:藤田SPLの講評] 20日はグループ討論、グループ討論発表報告、昨年度研究成果総括、口頭研究発表、優秀ポスター賞、優秀研究表彰が行われ、最後の藤田SPLの講評で散会となりました。

(表彰者)
しかく最優秀ポスター賞 柴田秀彬
しかく優秀ポスター賞
百瀬健、渡辺吉彦、柏木誠、平田修造
しかく優秀研究発表
津田行子、平出雅哉、久保田智弘、小川新平、松本壮平

(青柳@BEANS研究所)

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もう一つのBEANSプロジェクト(その6)

5/19〜5/20にBEANSプロジェクトに関する総合研究会が開催されました。総合研究会の内容については、もうひとつのブログ「BEANSてくのろじい」に譲ることとして、ここでは、BEANS(豆)の成長について報告させていただきます。 実は、総合研究会出席の何人かの方に、その後BEANS(豆)は順調に成長していますか?というような耳の痛い質問を受けて答えに窮してしまったからです。実は、大きな声では言えませんが、枯れる寸前なのです。BEANSプロジェクトに意欲的かつ大胆に、寝食を忘れて日夜取り組んでいる研究者を前にして「もうひとつのBEANSプロジェクト(豆)」の育成は失敗しましたとは、どうしてもいえませんでした。その時は、最近豆の木が少し元気がないんですが・・・・・とお茶を濁した答えをしてしまいました。しかし、後になって冷静に考えてみれば、過去には失敗から学んですばらしい成果をあげた例がたくさんあることを思い出しました。そこで失敗を認めた時が失敗であって、失敗から学べば必ず新しいなにかが生まれてくるはずで、これを大成功というのではないかと思いなおしました。さっそくBEANSの種を2個ネットで購入し、自称その道のプロと言われているNさんとOさんに育成を委託しました。もちろん委託費は0円ですが、経過については又このブログを借りてお知らせします。ご期待ください。 (研究支援部 町田より)

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2009年5月22日 (金)

BEANSメンバーへの思い-その後

先日、BEANSの研究員が一同に会して、「BEANSとは何か」や「プロジェクトの将来の姿」などをテーマに取り上げて、グループ討議をする場を作りました。そして、若い研究者には、BEANSのこれからを担って貰いたい思惑もあって、その結果を皆の前で発表していただいた訳ですが。実は正直言えば、日ごろは研究活動に忙しいので、たまにはこのような機会を設けて頭の体操や仲間とのコミュニケーションを図って貰えればくらいの期待しかしていませんでした。しかし、一人ひとりから発表を聞くうちにBEANSへの熱い思いや遠大な夢がだんだんと心に伝わってきて、大変感銘を受けました。以前、このブログにも書きました「三人の石工」のたとえ話で、三人目の石工にプロジェクトが発足してまだ一年も経たずに成長しており、これも驚きです。発表内容はこれからのプロジェクトの方向やマネジメントにとって大変示唆深いもので、参考にさせて貰います。(遊佐:BEANS研究所長)

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2009年5月21日 (木)

BEANSプロジェクト 2年目がスタート

(MMC-MIF-BEANSマンスリーニュース5月号からの転載)

この4月から本プロジェクトは経済産業省からNEDO
へ継承されて、新しい研究推進体制でプロジェクトがスタートします。これを機に、これまでプロジェクトの推進母体であった旧BEANS研究所が、新たに技術研究組合BEANS研究所として組織が再編されて、推進体制も一層強化されました。

本年度は、昨年度の実施活動結果からの課題や反省点を踏まえて、基本方針にプロジェクトの円滑かつ効率的なマネジメントを掲げています。まず、そのために実施計画書にはできるだけ分かり易い目標と期待する成果を記載し、コミットメントしています。研究開発では計画を立ても期待どおりに進まずに予想外のことが起きてしまうのが常であります。これが研究の楽しさや醍醐味でもあるわけですが、これが時には興味主導の研究や目先の成果にトラップされて、無駄な研究や日程遅れが出てしまいます。もちろん、ここから大発見や大発明につながるハプニングが出ることもあるので、一概に否定はできません。しかし、プロジェクト研究である限りはBEANSの最終目標や期待される成果から外れることは許されません。今年はこの点をプロジェクトマネジメントへしっかりと反映していきます。

次には、研究拠点間のテーマ連携と研究交流の促進を掲げています。本年度の実施計画には基本計画にはなかった3DBEANSセンターとLife BEANS九州との間で融合テーマを企画しました。この研究テーマは3DBEANSのコア技術である低損傷エッチング加工技術をLife BEANSの有機材料の成膜加工に応用することで、これまで世の中で見られない有機半導体材料の3次元構造形成プロセスができる可能性が見えはじました。この融合テーマは初年度に予備実験結果から発案されたものですが、おなじくMacro BEANS とLife BEANSや3D BEANSとLife BEANSと間にもこの種の融合テーマが考えられます。本年度は予備実験等からその可能性を検討して、次の融合テーマが創生されることを期待しています。

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2009年5月 8日 (金)

未来デバイス研究会(その5)プロセスインテグレーション


これまで紹介したグリーン、ホワイト、およびブルーデバイスの実現を支えるためには、従来のトップダウンプロセスとボトムアッププロセスを融合させた新たなプロセス技術群が必要になるわけで、この検討はプロセスインテグレーション分科会(委員長:首都大学東京システムデザイン学部 諸貫教授)にお願いしました。同分科会では、未来デバイスのアプリケーション実現に必要なプロセス基幹技術群を次のように整理しています。

(1)三次元ナノ構造の製造技術
リソグラフィとエッチングを組合せることで、いわゆる2.5次元構造(円柱など)が製作され、これのさらなる高分解能化も当然求められるでしょう。しかし、例えばテーパや自由曲面などの三次元加工要求に現状技術で十分に対応できるとはいえません。周期ナノメートルレベルの微細三次元構造の加工技術開発が必要となります。

(2)大面積
ポスターサイズレベルの大面積の応用に対しては、印刷技術を適用すべきであり、これにより高速で大量の生産が可能となります。一方で、印刷技術の中でも一品物に対応可能なのがインクジェット技術です。スループットは落ちるもののカスタマイズされた製品設計に個々に対応するプロセスとしては有望と考えられます。この技術においても使用する材料に研究余地が残されており、将来的にはバイオを含めた微小デバイスそのものを付着させることも考えられます。自己組織プロセスによる構造形成においても面積拡大が重要な課題のひとつと考えられます。

(3)界面制御
固体表面の濡れ性などを場所ごとに変えることができると自律的な組立てを行うことができます。例えば水に機能デバイスを分散させ、ここから基板を引上げることで親水部のみにデバイスを固定することなどが期待されています。様々な機能デバイス組立てに適用するためには、表面修飾を含む多くの技術開発が必要です。また、分子レベルの分解能でこれを行うためには、界面制御を極めて微細に行う必要があります。

[画像:次世代プロセスのイメージ図]

(プロセスインテグレーションWG委員)
諸貫 信行 首都大学東京
芦田 極 産業技術総合研究所
橋口 原 静岡大学
寒川 誠二 東北大学
銘苅 春隆 産業技術総合研究所
不破 耕 株式会社アルバック
五十嵐泰史 沖電気工業株式会社
水田 千益 株式会社数理システム
田中 浩一 ソニー株式会社
川原 伸章 株式会社デンソー
益永 孝幸 株式会社東芝
橋本 廣和 株式会社フジクラ
友高 正嗣 富士電機システムズ株式会社
久保 雅男 松下電工株式会社
浅海 和雄 みずほ情報総研株式会社

なお、上述のプロセスインテグレーション分科会の活動については、諸貫委員長による 広報誌第62号(2008年1月号)の記事 から一部抜粋しました。(青柳@BEANS本部)


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2009年5月 7日 (木)

未来デバイス研究会(その4)ブルーデバイス


グリーン、ホワイトに続いて、今回はブルーデバイスの紹介です。ブルーデバイス分科会の委員長は、東京大学大学院工学系研究科の三田准教授にお願いしました。同准教授も、やはり「未来に責任を持てる」バリバリの若手研究者で、竹内先生や三木先生などと同世代です。三田先生は、この研究会の後しばらくフランスに長期出張していましたが、現在は帰国してBEANSプロジェクトで活躍中です。

本分科会では、より人間らしい快適な生活を実現するため、視覚触覚を超えた「五感」を伝送することのできるセンサ・アクチュエータ、さらに第六感-といっても予知能力や仏教用語の六根(五感+意根:心)ではなく、赤外線やテラヘルツ波によるイメージングなど、人間の五感ではセンシングできない物理量・化学量をセンシングするデバイス群を「ブルーデバイス」として、その創出を目指すべきと提案しました。
[画像:ブルーデバイスの応用範囲は情報通信・履歴監視・案内まで幅広い]

ブルーデバイスの実装形態は下図に示すような「タグ型」「携帯端末型」「大面積シート型」の3種類で、それぞれの特性に適した場所で活用されますとしています。
・タグ型:
スーパーの「値札」や、それをさらに小さくしたような形状。食の安心デバイスのように、対象に貼りつけて長期に記録を取る場面で活用。
・携帯端末型:
現状の携帯電話のイメージに近い。携帯電話内部の部品は時代とともに小型化するが、操作性から端末自体の大きさはこれ以上小さくならないので、空いたスペースにブルーデバイスを集積化し、五感伝送デバイスとして活用。
・大面積型:ポスターなどの掲示物中にデバイスを集積化・またはポスター自体を電子デバイス化。動く等身大ポスターや同時通訳付き案内板などに活用。
[画像:ブルーデバイス実装の3形態]

(ブルーデバイスWG委員)
三田 吉郎 東京大学
杉山 正和 東京大学
染谷 隆夫 東京大学
木股 雅章 立命館大学
杉山 進 立命館大学
一木 正聡 産業技術総合研究所
樋口 誠良 オムロン株式会社
最所 祐二 松下電工株式会社
入江 康郎 みずほ情報総研株式会社
出尾 晋一 三菱電機株式会社
平田 隆昭 横河電機株式会社

なお、上述のブルーデバイス分科会の活動については、三田委員長による 広報誌第61号(2007年10月号)の記事 から一部抜粋しました。(青柳@BEANS本部)

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