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いろいろとやり残した年末。着手できるのはだいぶ先になりそうだから、メモだけでも書いておく。
★いま社会的、経済的に成功している人のうち、インターネットとの関わりが強い人の割合というのは、ネット中毒者たちが思っているほど高くないはずだ。
「成功者」の多くは、たぶらかされたツイッタラーたちが時代遅れとみなしていることを生業にしている。すなわち、リアルにモノを作ったり仕入れたり売ったりして、クルマに乗って、テレビをみて、酒を飲んでいる。
だから自分も成功するために、他人の行動パターンを真似るのならば、そういう人たちにくっついていった方が近道だ。
まちがっても、ネット上に流れている気の利いた言葉をリツイートするだけで、明るい未来に少しでも貢献できたなんて思わない方がいい。
その意味で、『ネットで成功しているのは<やめない人たち>である』は、正しく「ネットで成功している」人限定の話として読むべきだし、「ネットで成功」もいわゆる経済的、社会的成功とは限らない。
なにより「ネットで成功するためには、やめないことである」ではないことに注意。
要するに、ネットを使うことは「成功」の手段ではなく、それ自体が目的であり、それをやめなかったことで、その人たちなりの、というかネットをやめなかったことなりの「成功」がもたらされるという話なのだ。
巧みなレトリックを読み取れずに勘違いしたままだと、いくら読んでも自分の期待に応える言葉が見つからないだろう。というか、ぜんぜん分からない人は少なくないと見ている。
なので、「ネット大好き」を標榜しつつ、単にアマゾンのアフィリエイトというビジネスパターン(手段)に自分を組み込んでいるだけの「成功者」がアンケートに含まれているとしても、厳密にはこの本でいうところのコア対象とは言えないだろう。一読者として、対象から外して読んだ。
「成功」とかに興味がある人たちよりも、デジタル・フォレンジックの分野の人とかが読んだほうがいい。ていうか読むべき。
それから、本名でやると、ネガティブなこと書けないのかね。「自分に返ってくる」とは、他への批判のフィードバックがポジティブな形で返ってくることもありうると思うんだけど。ネガティブなことを書けないのなら、ネットの土壌は貧しくなると思うぜ。その意味で、切込隊長は素晴らしい。
★あとは、「キュレーション」についてNAVERでまとめる課題な。これはちゃんとやらなければ。なんといっても「キュレーション」という言葉を流通させようという無謀な試みを、タイミングよく賞賛すべきだった。
整理の体系は、まずは「集合知」をキュレーションに含むかどうかを検討して、含めることができればカッコイイけど、たぶん外す。
そして、対極的なものとして「古今和歌集」「新古今和歌集」を検討する。「勅撰」ってやつ。実際に天皇が選んだかどうかが問題ではなく、それを天皇名義でまとめることが重要。
あと、「古事記」とか「日本書紀」とかも。結局、歴史というものが何なのか。バカなマスゴミ批判者たちが軽々に口にする「事実」とは何なのか。突き詰めると、そういうところの検証も必要か。
そして、それらが国家や権力を補完する機能を持つことについて。それを保証するのは、質や量なのか?「すげー」と圧倒させることなのか。とすれば、受け手の感受性の問題もあるね。
外せないのはアンドレ・マルローの「空想美術館」。興味深いのは、curatorとかの言葉の源にさかのぼって考えても、何も出てこないということ。言葉が使われてきた近代的な歴史的・政治的背景を踏まえて考える必要がある。
あー、あと、国家とか権力とかとは別に、純粋なクリエイティブな意思で行われるキュレーションってのもあるんだろうと。例えば、ミハイル・バフチンの「ポリフォニー理論」のような、結果的に「系譜」となるもの。セネカとラブレーとセルバンテスとドストエフスキーをつなぐ「カーニバルの系譜」。私にとって、もっとも望ましい形でのキュレーションはこれだ。
「何とかするためのたった3つの方法」とか、そういうライフハック風のものは、個人的にはキュレーションに含みたくないが、なぜそうなのかはいちおう検討しておかないと。ま、「ただの箇条書きをキュレーションとは言わねえよ」ってことで終わりなのか。じゃ、これ以上検討するのはやめた。
★きっちりした『もしドラ』批判もしたい憤りが溜まっていたけど、もうどうでもよくなった。2011年には持ち越さない。クソに関わり合っていると時間の無駄になる、というのは20代でだいぶ経験したのに、どうしても自分の憤りにとらわれてしまう。悪い癖だ。
December 31, 2010 | Permalink | Comments (6) | TrackBack (0)
前回に続き、毎日RT @mainichiRT について。読者として検討してもらいたいことをメモしておいたのだが、ワードファイルを間違って削除しちゃったようだ。
「ラテ欄なんか、ネットやテレビで番組表を見るからいらない」とか、「オリコンのランキングただ長々載せるのはいかにも手抜きの穴埋めだから無駄、もしやるなら上位3つとかにコメント付けて」とか、「ニュースの重要性は読者の反応だけに頼らず、反応を踏まえて編集部で決めて」とか、いくつかの例に挙げて「見出しが弱すぎる」とか2000字くらい書いてたのに。
とりあえず一番言いたかったのは、尖閣ビデオ流出の翌朝、記事が間に合わなかったのには相当ガックリきたこと。これは伝えたかった。「ネットユーザーとつくる新しい媒体」なんて名乗るなら、ネットが24時間眠らないということを覚悟して、誰かしらウォッチしていないと。そんなものすぐ書けなきゃブロガー未満でしょ。
社内の立場が強くなくて、コストかけられないのかもしれないけど、普通の新聞(以下)の感覚でマッタリやられては、期待している読者は落ち込む。「こりゃカネ出せないな」と思った瞬間だった。
見出しのつけ方、スピード、コンテンツ、レイアウトは、「日刊ニュース雑誌」の感覚で見直すべきと思う。例えば最新記事でも「包丁でバス客襲う/生徒ら14人けが」なんて、みんなテレビで見て、ネットでもすでに読んでるんですよ。ツイッターで生中継を見てるんですよ。それを翌朝、紙に刷られたってねえ。
やっぱ、新聞を取り巻く環境が変わったことを前提に、役割を考えなおしてもらわないと。テレビもネットも見ず、毎朝新聞をスクラップすることだけを楽しみにしている老人を相手にしているんじゃないでしょ?
テレビやネットができないことを、紙でやる余地はあると思いますよ。ということで、思い出したらまた書きます。必要なら、もう一回まとめ直します。
December 20, 2010 | Permalink | Comments (0) | TrackBack (0)
悪名高き「ネット君臨」の連載によって、ネットユーザーの反感を買っただけでなく、新聞記者たちがいかに業界内のぬるま湯に浸り世間知らずかをあらわにしてしまった毎日新聞。仮に炎上マーケティングだとしても、完全に逆効果だったとしか言いようがない。
ネットを敵視することで現存するおじいちゃんたちの歓心を狙ったのかもしれないが、彼らはいずれ死ぬ。一方、未来のおじさん、おじいちゃんたちの支持を取り返すことが限りなく困難になったということは、将来の資産をほぼ確実に失ったことを意味する。
むろん記事単体ではなく編集方針の問題ではあるが、毎日の歴史上、最悪の事件と振り返るときがくると思う(変態新聞事件も騒動は大きかったが、読者の離反という点では本質的なものではなかった)。
そんな毎日が、「ネットユーザーとつくる新しい媒体」MAINICHI RT を立ち上げたのは、2010年5月7日のことだ。上層部から「なんか新しいことやれよ」と言われてとりあえず出したアイデアが、そのまま通って実現してしまったのではないかと思わせるバタバタ感を創刊時に受けた。正直、意思決定層にいるいまのアラウンド50の人たちに意義のある新しいことを判断せよと望んでもムリな話だから、しようもない。
ただ、そのドサクサに紛れて、もしかすると「ネット君臨」のあまりのオソマツさに危機感を募らせた30代の若手記者たちが、カッコつきの「大新聞」を死に追いやり、未来の新聞紙によって会社を延命させようと新媒体を立ち上げたのかもしれないと、ほのかな期待を抱かせるコンセプトではあるのだ。
実態は理想に追いついていないが、もしもそうであるならば新聞社内において、ほとんどクーデター的な意味合いがあった可能性もある。業界内でいまだほとんど黙殺されているのは、その証拠なのかもしれない。そうだったらいいのに。追って細かい感想を。
ショスタコーヴィチ「革命」が描く「体制に強制される歓喜」を正しく理解し、珍しく笑顔も見せずに指揮するバーンスタインと、単純に歓喜するバカ聴衆。冷戦下の1979年。
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December 06, 2010 | Permalink | Comments (8) | TrackBack (0)
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