<ヒストリーパーク ロシアの歴史>(2018年02月20日)
パベーダ広場の大聖堂が在る辺りで、何やら凄い勢いで大きな建物の工事が行われていて、その建物に「新しい博物館」がオープンしたと伝えられたのが昨年11月でした。
↓こういう建物が登場しています。
ロシア史の世界 (1).jpg
以来、その「新しい博物館」を訪ねてみる機会をなかなか設けられずにいたのですが、「開館直後の賑わい」や「年末年始休暇関連の変則的な開館時間」というような、やや落ち着かない要素が気にならない時期でもあることから、一寸訪ねてみることにしました。
↓階段を上がると入口扉が在るのですが、何か非常に立派な入口です。
ロシア史の世界 (2).jpg
ここは"ヒストリーパーク"と名付けられている施設で、「公園を散策するような気軽さで、ロシアの歴史を学ぶ」という場になっています。
入館は無料です。主に冬季には活躍する外用の上着等を預かる場所も完備していて、無料で利用可能です。逆に言えば、管内の見学には存外に時間を要するので、外用の上着を安心して預けられる場所はなかなかに有難いです。
事前には然程の知識も無かったのですが、この館内を順路に従って見学すると、ロシアの起源と言われる<ルーシ>が起こったような時代から始まって、エリツィン政権やプーチン政権という「最近の時代」に至るまで、「2千年の時間を超える散策」というような感じを体験出来ます。
紹介されている内容は、言ってみれば「ロシアの"歴史の教科書"に出ているような内容の殆ど全部」というような内容です。また、日本国内では例えば『○しろまる○しろまるの歴史』というような具合で、国内の本、または外国で出たモノの翻訳で外国の特定の国や地域の通史を扱った本が在り、「ロシアの」というモノも見受けられます。その種の本で読むことが出来るような内容に関して、この"ヒストリーパーク"の展示では「殆ど全部」が観られるような感じです。
通史の中での時代区分には色々な方法が考えられます。「X世紀」、「1XY0年代」というような年代の数字で区切る、「○しろまる○しろまる朝」、「○しろまる○しろまる王国」、「○しろまる○しろまる政権」と主要な支配勢力の時期で区切る、或いは首都が置かれた場所の名を並べて区切るというように色々なやり方が在ります。が、ここでは「○しろまる○しろまる公の時代」、「皇帝○しろまる○しろまるの時代」と人物に主眼を置くような方式で時代区分が示されています。
"ヒストリーパーク"で「○しろまる○しろまる公の時代」、「皇帝○しろまる○しろまるの時代」と人物に主眼を置くような方式で時代区分が示されて、西暦の年代がその展示場所に記されるようなやり方を採っているのは、館内の通路の壁に多くのスライドが示され、多数据えられたタッチパネルで「歴史の中で伝えられる多くの人達の物語」を伝えることが、展示の方針の柱のように見受けられるからであると思われます。
"ヒストリーパーク"では、<ルーシ>が起こったような時代やキリスト教が容れられた時代、ロシアで現在使われている文字の起源というような話しから、イワン雷帝や<大動乱>、ロマノフ朝の登場と歴代皇帝の治世、そして革命や2つの世界大戦やそれ以降と「2千年の時間を一気に超える」ような空間に入り込むことになります。19世紀以降の展示に関しては、「歴史のページに姿を見せるサハリン」というような内容も出て来ます。
「新しい施設が"どういう場所"なのか?」ということで漫然と立寄った感だったのですが、タッチパネルで出て来る説明等を沢山読んだのでもなく、「一通り観る」感じで中を廻ったのでしたが、何か「凄く大きな余韻が残る」というような場所でした。
ロシアでは、モスクワやサンクトペテルブルグ等に昔の貴重な文物を所蔵していて、それらを順次展示しているような場所が在る訳ですが、この"ヒストリーパーク"にはそういう貴重な所蔵品が在るでもありません。画像・映像やテキスト情報や音声情報等を介して、「ロシアの長い歴史を追体験する気分になる」ような場所です。
ロシアに在って、「由来がよく判らない祝日?」ということになる場合も在る祝日に<国民統一の日>が在ります。"ヒストリーパーク"は、その<国民統一の日>の頃にオープンしました。
この<国民統一の日>は、<大動乱>と呼ばれた17世紀初めの混迷の状況下、ロシアを占拠したポーランド軍を国民軍の尽力で撃退したという故事に因む祝日であるとされます。(勿論、"ヒストリーパーク"でも<大動乱>という展示コーナーが在って、時代の状況等を学ぶことが出来ます。)他方、「11月の祝日」として定着していた<革命記念日>が廃されたことで、「その時季の祝日」として、革命以前の時期に祝われることが在った旧い祝日が復活したようでもあります。
そういう<国民統一の日>に登場した"ヒストリーパーク"には、「永いロシアの歴史への想い」、「ロシアの歴史の中での私達の地域たるサハリンの"位置"?」というような問題意識が滲んでいるように見受けられました。
筆者個人は、「ロシアでこんなことをやっていた時代?日本史では?」等と考えながら見学した一面も在りました。例えば「戦国の余燼」というような感も在る、かの<大坂の陣>が起こっていたような頃、ロシアでは<大動乱>が終結に向かってロマノフ朝が登場したような時代だったのです。日ロ関係の出来事では、例えばかの大黒屋光太夫が願い出て謁見したのは女帝エカテリーナ2世で、彼女の治世のことも紹介されています。そういう具合に視ると、非常に面白いという側面も在りました。
その他、1980年代や1990年代頃の情報も豊富で、「あっ!!これ!!」と強く記憶に残っているような画像や映像の紹介も在り、強い印象を受けました。
それにしても、この"ヒストリーパーク"に入ると「"教科書"の世界の中に入り込んで不思議な旅をした」というような感覚に包まれます。現時点で、展示内容はロシア語のみですが、意外に面白い場所です。
この場所は「児童生徒の学習の場」という性質も色濃いように見受けられますが、普通の大人が訪ねても面白い場所だと見受けられます。実際、一緒に訪ねた稚内市サハリン事務所のスタッフは、「面白かった。入場無料で好い。休日に友人を誘って、また行く!」としていました。
"ヒストリーパーク"の展示室内は、スライドのようなモノを投射する場合に適切な、やや落とした照明になっています。そんな中で、過ぎる程に豊富な情報が供される、「"教科書"に入り込んでしまった?」という展示の場を通り抜けて出口に至ると「"時間の旅"から"今日"に戻って来た!」と感慨のようなモノが沸き起こります。
この"ヒストリーパーク"は、例えば「サハリン滞在の中で思いがけず時間が出来た」というような場合に、開館中であれば好い立ち寄り先になるかもしれません。休館日の月曜日を除き、午前11時から午後6時の開館ということです。
↓こういう建物が登場しています。
ロシア史の世界 (1).jpg
以来、その「新しい博物館」を訪ねてみる機会をなかなか設けられずにいたのですが、「開館直後の賑わい」や「年末年始休暇関連の変則的な開館時間」というような、やや落ち着かない要素が気にならない時期でもあることから、一寸訪ねてみることにしました。
↓階段を上がると入口扉が在るのですが、何か非常に立派な入口です。
ロシア史の世界 (2).jpg
ここは"ヒストリーパーク"と名付けられている施設で、「公園を散策するような気軽さで、ロシアの歴史を学ぶ」という場になっています。
入館は無料です。主に冬季には活躍する外用の上着等を預かる場所も完備していて、無料で利用可能です。逆に言えば、管内の見学には存外に時間を要するので、外用の上着を安心して預けられる場所はなかなかに有難いです。
事前には然程の知識も無かったのですが、この館内を順路に従って見学すると、ロシアの起源と言われる<ルーシ>が起こったような時代から始まって、エリツィン政権やプーチン政権という「最近の時代」に至るまで、「2千年の時間を超える散策」というような感じを体験出来ます。
紹介されている内容は、言ってみれば「ロシアの"歴史の教科書"に出ているような内容の殆ど全部」というような内容です。また、日本国内では例えば『○しろまる○しろまるの歴史』というような具合で、国内の本、または外国で出たモノの翻訳で外国の特定の国や地域の通史を扱った本が在り、「ロシアの」というモノも見受けられます。その種の本で読むことが出来るような内容に関して、この"ヒストリーパーク"の展示では「殆ど全部」が観られるような感じです。
通史の中での時代区分には色々な方法が考えられます。「X世紀」、「1XY0年代」というような年代の数字で区切る、「○しろまる○しろまる朝」、「○しろまる○しろまる王国」、「○しろまる○しろまる政権」と主要な支配勢力の時期で区切る、或いは首都が置かれた場所の名を並べて区切るというように色々なやり方が在ります。が、ここでは「○しろまる○しろまる公の時代」、「皇帝○しろまる○しろまるの時代」と人物に主眼を置くような方式で時代区分が示されています。
"ヒストリーパーク"で「○しろまる○しろまる公の時代」、「皇帝○しろまる○しろまるの時代」と人物に主眼を置くような方式で時代区分が示されて、西暦の年代がその展示場所に記されるようなやり方を採っているのは、館内の通路の壁に多くのスライドが示され、多数据えられたタッチパネルで「歴史の中で伝えられる多くの人達の物語」を伝えることが、展示の方針の柱のように見受けられるからであると思われます。
"ヒストリーパーク"では、<ルーシ>が起こったような時代やキリスト教が容れられた時代、ロシアで現在使われている文字の起源というような話しから、イワン雷帝や<大動乱>、ロマノフ朝の登場と歴代皇帝の治世、そして革命や2つの世界大戦やそれ以降と「2千年の時間を一気に超える」ような空間に入り込むことになります。19世紀以降の展示に関しては、「歴史のページに姿を見せるサハリン」というような内容も出て来ます。
「新しい施設が"どういう場所"なのか?」ということで漫然と立寄った感だったのですが、タッチパネルで出て来る説明等を沢山読んだのでもなく、「一通り観る」感じで中を廻ったのでしたが、何か「凄く大きな余韻が残る」というような場所でした。
ロシアでは、モスクワやサンクトペテルブルグ等に昔の貴重な文物を所蔵していて、それらを順次展示しているような場所が在る訳ですが、この"ヒストリーパーク"にはそういう貴重な所蔵品が在るでもありません。画像・映像やテキスト情報や音声情報等を介して、「ロシアの長い歴史を追体験する気分になる」ような場所です。
ロシアに在って、「由来がよく判らない祝日?」ということになる場合も在る祝日に<国民統一の日>が在ります。"ヒストリーパーク"は、その<国民統一の日>の頃にオープンしました。
この<国民統一の日>は、<大動乱>と呼ばれた17世紀初めの混迷の状況下、ロシアを占拠したポーランド軍を国民軍の尽力で撃退したという故事に因む祝日であるとされます。(勿論、"ヒストリーパーク"でも<大動乱>という展示コーナーが在って、時代の状況等を学ぶことが出来ます。)他方、「11月の祝日」として定着していた<革命記念日>が廃されたことで、「その時季の祝日」として、革命以前の時期に祝われることが在った旧い祝日が復活したようでもあります。
そういう<国民統一の日>に登場した"ヒストリーパーク"には、「永いロシアの歴史への想い」、「ロシアの歴史の中での私達の地域たるサハリンの"位置"?」というような問題意識が滲んでいるように見受けられました。
筆者個人は、「ロシアでこんなことをやっていた時代?日本史では?」等と考えながら見学した一面も在りました。例えば「戦国の余燼」というような感も在る、かの<大坂の陣>が起こっていたような頃、ロシアでは<大動乱>が終結に向かってロマノフ朝が登場したような時代だったのです。日ロ関係の出来事では、例えばかの大黒屋光太夫が願い出て謁見したのは女帝エカテリーナ2世で、彼女の治世のことも紹介されています。そういう具合に視ると、非常に面白いという側面も在りました。
その他、1980年代や1990年代頃の情報も豊富で、「あっ!!これ!!」と強く記憶に残っているような画像や映像の紹介も在り、強い印象を受けました。
それにしても、この"ヒストリーパーク"に入ると「"教科書"の世界の中に入り込んで不思議な旅をした」というような感覚に包まれます。現時点で、展示内容はロシア語のみですが、意外に面白い場所です。
この場所は「児童生徒の学習の場」という性質も色濃いように見受けられますが、普通の大人が訪ねても面白い場所だと見受けられます。実際、一緒に訪ねた稚内市サハリン事務所のスタッフは、「面白かった。入場無料で好い。休日に友人を誘って、また行く!」としていました。
"ヒストリーパーク"の展示室内は、スライドのようなモノを投射する場合に適切な、やや落とした照明になっています。そんな中で、過ぎる程に豊富な情報が供される、「"教科書"に入り込んでしまった?」という展示の場を通り抜けて出口に至ると「"時間の旅"から"今日"に戻って来た!」と感慨のようなモノが沸き起こります。
この"ヒストリーパーク"は、例えば「サハリン滞在の中で思いがけず時間が出来た」というような場合に、開館中であれば好い立ち寄り先になるかもしれません。休館日の月曜日を除き、午前11時から午後6時の開館ということです。
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